親友の一人であり、ロンドンのカンパニーで一緒だったエタがニューヨークの舞台に立ち、その舞台を観てきました。
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- コラム 友谷真実
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親友の一人であり、ロンドンのカンパニーで一緒だったエタがニューヨークの舞台に立ち、その舞台を観てきました。
2年ぶりの再会です。マシュー・ボーンのアソシエイトディレクターですが、今回は俳優としてKNEEHIGHカンパニーの舞台『THE WILD BRIDE』に立っています。
最初は、振付家として参加したそうですが、ディレクターからぜひ出演してほしい、と言われアメリカ公演からの参加です。
この作品、なんともいえないカントリーっぽい雰囲気があり、おとぎ話を聞いている感じになります。生演奏で、バンドがステージにいて役者も時々演奏します。男性2人と女性3人だけの舞台です。
女性3人は、同一人物を順番に演じます。一人は、芝居と歌、もう一人は芝居(この女性は、言葉は話さず)とバイオリン、もう一人は芝居とダンスです。
この歌を歌う女性は、シルク・ドゥ・ソレイユに出演した方です。
彼女のとても優しい声がチェロやバイオリン、バンジョーと合っていました。
もう一人のバイオリンを弾く女性は、演技の上手なこと! 驚くばかりです。
野生に戻る主人公を演じ、言葉は話しませんがチャーミングで、全然違う人物に変身し、ブロードウェイの関係者(たしか、『ライオン・キング』のスタッフ?)からも一緒に仕事がしたいと終演後、声をかけられたそうです。
「THE WILD BRIDE」
PHOTO : Richard Termine
エタは、母親の心情をみごとに表し、セリフも話していました! 相手役の男性と息があっているのが見え、久しぶりにエタのダンスが見られてとてもうれしかったです。
3人が同じ女性を演じているのですが、それぞれ個性が違いとても面白かったです!
男性の一人は悪魔役です。ブロードウェイで『War Horse』の主役の少年や『春のめざめ』に出ていた方で、かなり個性が強い役を演じていました。
もう一人は、イギリスの役者さんで、お父さんとコミカルな王子様を演じ分け、観客を楽しませていました。演出家Emma Riceのアーティストディレクターでもあります。
舞台も、大きな木が1本中央の奥にあり、そのうえに上がって座ることが出来ますが、それだけです。ステージには、ロッキングチェアがあり、ステージの周りには、たくさんペンキが入ったバケツが置かれ、役者たちがシーンに合わせて、それを効果的に体や手足に塗ります。
「THE WILD BRIDE」PHOTO : Richard Termine
「THE WILD BRIDE」PHOTO : Richard Termine
森の中のフルーツの木のシーンは、とても美しいシーンでした。
役者が木についている赤い紐をステージの端からおろしていくと、ステージ上のフルーツがメインの女性に届いたりと、とても手作りっぽい感じがあり、そうかと思えば、童話にあるような怖いシーンもあり、最後はほのぼのとした気持ちにしてくれる暖かい作品でした。
ダンスもコンテンポラリーの振りで、繰り返しを上手に使い他の芝居があっている後ろでも邪魔にならないように、簡単なステップを踏んでいて芝居にダンスが入るのもよいな、と思いました。
この作品、日本人にとっても合うと思います。また、私が振付をしたピッツバーグ大学の演出家も、実をいうと、このカンパニーの他の作品を大学生たちにやらせたかったそうです。 イギリス、アメリカではかなり有名な劇団です。
エタは、この劇団の次の芝居の作品のオファーをもらったそうです。マシューのカンパニーで芝居はしますが、声に出して話さないので、出来るか不安と言っていましたが、新たな挑戦ですよね!
エタには家族がいて、ツアーもあるから実際にやるとはまだ決めていないそうですが・・・アラフォー、あるいはアラファイヴでもこういうチャンスが来るのはとても素晴らしいことと思います。
再会したときは二人とも涙ぐんで、でも笑いが止まらず、お互いの家族や人生の話をし、とても有意義に過ごしました。今回はニューヨークでエタのワークショップも手伝い、次回は、日本でホリプロさんの『ドリアン・グレイ』のリハーサルを二人でします! マシューにも久しぶりに会えるみたいで、楽しみです!
マシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」
マシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」
インタビュー & コラム
友谷 真実 Mami Tomotani
マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/