素晴らしいダンサー、Jonathan Ollivier ジョンサン・オリヴィエが亡くなりました。
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- コラム 友谷真実
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マシュー・ボーン『ザ・カー・マン』の千秋楽に出演するために劇場に向かう途中に交通事故に遭い、帰らない人となりました。
(C) Roy Tan
彼は、マシューのカンパニーで踊る以前にもバレエダンサーとして世界で活躍していました。Cape Town City Ballet, The Northern Ballet, Theatre and the Alberta Ballet Company in Canada.などです。
マシューのカンパニーでは、日本公演で『スワンレイク』のメインのスワンで覚えていらっしゃる方も多いと思います。また、『ザ・カー・マン』でもメインの役とスコットの役を演じていました。
とても表現力があり、セクシーで、美しいダンサーだと聞いています。
私よりも日本のお客様の方が彼のダンスのことをよくご存知でしょうね。
また、日頃はユーモアがあり、優しい方だったそうです。
私は、彼とは共演していません。私が結婚でアメリカに移動した時の『スワンレイク』から彼が参加したのですれ違いです。
でも、たくさんの人から彼のことを聞き、また彼も私のことをいつも聞いている。と2年前に『スワンレイク』と『Sleeping Beauty』(アメリカンツアーキャスト)が同じビル内でリハーサルをした時に、初めて話しました。
お互い若い年齢の多いダンサーでは年配グループですし、ビールが好きということ、また私が日本公演の『ドリアン・グレイ』でアシスタントをした時に彼はイギリスから参加する予定で、エタが「ジョニーは真実のことを気にいるわよ! 二人が会うのが楽しみ!」とリハーサル数ヶ月前から言っていたので、仕事を一緒にするのを楽しみにしていました。
でも、彼が怪我をして日本公演には参加できず、そのこともイギリスで会った時に「残念だった。」と話していました。
昨年の冬、ロンドンのサドラーズウエルズ劇場に彼が『シザーハンズ』を観に来た時も気軽に私に声をかけてくれ、「今度こそ一緒にビールを飲もう!」とちょっとだけ話しました。これが私にとっては最後でした。
『ザ・カー・マン』は私は2シーズン出演しているので、今回の若いキャストにフェイスブックでエールを送って、写真など見ていましたが、まさかこんな事件が起こるとは思いもしません・・・・
千秋楽の朝に「おめでとう!」とエタを含め数名の知っているメンバーに携帯電話でメッセージを送り、その後フェイスブックのメンバーだけ見れるページで何か起こって千秋楽がキャンセルになったことを知りました。エタは対処に大変だろうと思い、友人のサラに聞いて知りました。ショックで、ジョニーの二人の小なお子さんの気持ちを考えると何も言えず、またカンパニーメンバー、千秋楽のサドラーズウエルズ劇場で報告を聞いたメンバーのことを思うと、とても痛い気持ちでいっぱいでした。
(C) Roy Tan
Re:Bourne(リ・ボーン)というマシューのメソッドを作って、ダンスを習っていない、劇場に縁がない子供たちも含めて創作活動を指導するチャリティーカンパニーがあります。私も指導者の一人ですが、今回その Re:Bourne(リ・ボーン)がジョナサンの出身地、ノースハンプトンでダンスを習ったことがない子供たちも含めて、一緒にジョナサンのダンス人生を元に子供たちと "positive legacy"という作品を作るワークショップをすることになりました。
ジョナサンのご家族も彼のことを知るきっかけでダンスを好きなってくれるのはとても嬉しい、と話しています。
このジョナサンのダンスにかける気持ちを若い世代に引き継ぐためにも、寄付をお願いしています。この寄付金は、ロンドンの救急病院(ジョナサンの治療を一生懸命してくださった病院)とチャリティーカンパニー Re:Bourne(リ・ボーン)に平等に分けられます。
下記からどうぞよろしくお願いします。
http://uk.virginmoneygiving.com/fundraiser-web/fundraiser/displaySomeoneSpecialPage.action?pageUrl=JonathanOllivier
また、ジョナサンのご家族へのメッセージは下記のメールアドレスか郵便はサドラーズ劇場に送れます。
郵便アドレス: New Adventures, c/o Sadler's Wells Theatre, London, EC1R 4TN
メールアドレス:drew@new-adventures.net
ご冥福を心よりお祈りします。
(C) Chris Mann. website
www.chrismannportraits.com
追伸、来月は、ニューヨークで行われているダンスのサマーインテンシブ、留学について書くつもりです。
インタビュー & コラム
友谷 真実 Mami Tomotani
マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/