2026年もこのように活動を始めることができ、心より感謝しております。
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- コラム 針山愛美
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2026年もこのように活動を始めることができ、心より感謝しております。
これまで様々な舞台や活動を重ねてまいりましたが、本稿では、伊豆でのパフォーマンスをはじめ、ダンスワールドカップアジア予選、そして学校や老人ホームでのアウトリーチ活動についてお伝えさせていただきます。
YouTubeであらゆる映像に触れられる時代。それでもなお、舞台でしか伝わらない"何か"があると、私は信じています。
その場で感じる、その瞬間にしか生まれないパワー。そんなかけがえのない体験を、まだバレエを観たことのない方々へ、そして未来を担う子どもたちへ届けたい。その一心から、「One heart」の舞台をやり切ろうと決心し、無事に幕を閉じることができました。

老人ホーム訪問

学校訪問
公演に先立ち、伊東市にてアウトリーチ活動として中学校4校を訪問し、生徒の皆さんへ舞台芸術の魅力を直接お伝えする機会をいただきました。
対島中学校では体育館にて、「旅立ちの日に」の歌声に合わせて即興で踊るコラボレーションも生まれ、ワークショップでは皆で動きを考えながら踊る時間となりました。
北中学校では音楽室にて講習会とワークショップを実施し、多くの質問に一つひとつ向き合いながら交流を深めました。最後には、約2メートルという至近距離で『瀕死の白鳥』をお届けすることもできました。
また、音楽家である両親の支えにより、生演奏でのワークショップと踊りのコラボレーションという特別な空間も実現しました。
今回の舞台では、日本の民話をもとに2024年6月淡路島で初演し、関西万博やラトビア国立歌劇場でも上演を重ねてきたオリジナル作品『鶴の恩返し』全編を上演いたしました。
さらに「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」を20分ずつのハイライトで、そしてウクライナ民族舞踊「ゴパック」全編をお届けしました。

photo/T.oshida

photo/T.oshida
この企画を考え始めた当初、一度は「もう難しいかもしれない」と諦めかけました。
それでも、バレエをまだ観たことのない方々へ届けたい、そして子どもたちに夢を届けたいという想いが、「やっぱりやろう、最後までやり遂げよう」と私の背中を押してくれました。
当初は映像演出の実現も私の力では到底難しく、『鶴の恩返し』もハイライトでのお届けを予定しておりました。
しかし、やるならば全編を届けたいという想いが強くなり、どうにか実現できないか模索を重ねました。
その結果、皆さまのお力により全編上演が叶いました。作品のために、各分野のプロフェッショナルの方々が全力以上で支えてくださり、実現したことに心から感謝しております。
万博やラトビア国立歌劇場とはまた異なる、新たな映像空間とともに、その日、その瞬間にしか生まれない舞台となりました。
さらに一部では、ご縁ある先生方や妹の協力により子どもたちも出演し、「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」も実現いたしました。限られた時間の中で創り上げた今回のためのハイライトバージョンは、共に過ごした時間そのものが、かけがえのない宝物となりました。
そして、数年前から共に歩んできたウクライナから避難してきたダンサーたち、世界で活躍してきて日本で共に活動している仲間と同じ舞台に立てたことも、決して忘れることのできない大切な経験です。

Sotoma Mitsuki

photo/T.oshida
演出・構成・プロデュース、そして事務的役割も担いながら迎えた自身の30周年。
これまでの歩みすべてが重なる、特別な時間となりました。多くの困難や壁がありながらも、そのたびに手を差し伸べてくださる方々に支えられ、この舞台が形になりました。
一人では決して辿り着けなかった舞台であることを改めて深く実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。
だからこそ、本物の舞台を、生で、ライブで届けたい。
その想いに共感していただき、フラワーアートウォール様にロビーを美しく彩っていただきました。
また、生産者の皆さまが出荷できなかったお花、淡路島のカーネーション、富山のチューリップ、愛知県のバラ、静岡県のガーベラを、ご来場のお客様へプレゼントしていただきました。
命ある花を無駄にしない想いとともに、心に残るひとときをお届けすることができました。
すべては、関わってくださった皆さまのおかげです。
心からの感謝を込めて、本当にありがとうございました。

photo/T.oshida

photo/T.oshida
ダンスワールドカップ(DWC)アジア予選 審査員
世界中から才能と情熱が集うダンスワールドカップ(DWC)。
今年のファイナルはアイルランドで開催され、70カ国以上から数万人が参加する世界最大規模の大会の一つです。
今回、台湾で行われたアジア予選にて、審査員およびワークショップを担当させていただきました。
台湾のダンサーの皆さんの豊かな感性とひたむきな姿勢に深く心を打たれ、ワークショップでは言葉の壁を越え、バレエという共通言語でつながる時間となりました。
その場に流れる空気やまなざしの一つひとつが、私自身にとっても大きな学びと気づきを与えてくれる、かけがえのない経験となりました。


淡路島とウクライナを繋ぐ特別バレエ公演
2026年3月18日、「淡路島とウクライナ、そして世界を繋ぐ特別バレエ公演」を、ウクライナ人ダンサーとともに特別養護老人ホーム「ほほえみ」にてお届けしました。
入居者様、園児、職員の皆様へ至近距離で『瀕死の白鳥』などの作品を通して、心を届ける時間となりました。
『ふるさと』では、会場の皆様に歌っていただき、バレエと歌で心が一つにつながるひとときとなりました。
終演後には「感激した」「懐かしかった」「昔からバレエが好きだった」などの温かいお言葉をいただき、園児たちの輝く笑顔にも出会うことができました。
また、皆様が心を込めて折ってくださった千羽鶴を頂戴し、その真心に深く胸を打たれました。
淡路島や兵庫県内、そして関東でもこのような活動の機会をいただけていることに感謝し、これからも一つひとつの出会いを大切にしながら活動を続けてまいります。
インタビュー & コラム

針山 愛美 Emi Hariyama
13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。
1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
◆Emi Hariyama Official Page

『世界を踊るトゥシューズ〜私とバレエ』
針山愛美/著 Emi Hariyama
体裁:四六版並製、240頁ISBN978-4-8460-1734-7 C0073(舞踊)