春の声が聞こえる季節になってきました。

今回は、アジアはベトナムから、そしてウクライナから来ているダンサーたちのことなどをお伝えしたいと思います。

第8回 ジャパン ベトナム フェスティバル Japan Vetnam Festival
2023年2月25日、26日に『日越外交関係樹立50周年記念イベント』「手と手をとって未来へ世界へ(Cùng nắm chặt tay nhau Hướng tới tương lai, vươn tầm thế giới)」が開催され、出演する機会をいただきました。
今年はコロナ禍も落ち着き久々の開催で、2日間で485,000人が訪れたそうです。私自身ベトナムは初めて訪れた国でしたが、すごい勢いと今後の可能性を感じました。

フェスティバルでは、和と洋のコラボレーションの作品を4曲程披露しました。海外では、『和』を表に出す演出、例えば和太鼓やお琴等と共演したり衣装も着物風なので踊ると喜ばれます。昨年、『Pari Japan Expo 』に出演させて頂いた時も太鼓や和傘などを用いましたが、今回はそれに加えベトナムの帽子ノンラーをかぶって登場したり其々の国の文化も盛り込んでお届けしたいと思い、工夫を凝らしました。
国の違う文化や歴史を感じながらパフォーマンス出来る事は、国境超えて通じ合える素晴らしい機会で今後このような活動を続けていけたらと思いました。

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【はじまりの鼓動〜舞】バレエハイライト公演Vol3

淡路島にて2月11日、12日、18日、19日に世界初演となる作品を演出させていただきました。
海外でプロとして踊るようになった1990年代の後半当初から、日本の歴史や自然の美しさ、美術などをバレエの作品に取り入れ、作品化したいとずっと思っていました。
今回は、淡路島に昨年建ったWorldTentThertreがリニューアルを果たし、演出の可能性が広がりできる限りの事にチャレンジをしたいと作品作りを始めました。

日本で最古の歴史書『古事記』の冒頭を飾る「国生み神話」(以下一部引用)
〜伊弉諾尊・伊弉冉尊の神様が生まれたばかりの大地を天沼矛でとかき回すと、矛先から滴り落ちた塩の雫が固まって「おのころ島」ができたと記されています。おのころ島で夫婦となった伊弉諾尊・伊弉冉尊は、日本列島の島を次々と生んでいきます。その中で最初に生まれた島が淡路島です〜

この部分をストーリーの土台にし、更に日本の四季の風景を映像技術と和傘で演出したり様々な角度からバレエとコラボレーションしました。
そして音楽は和太鼓とお琴の生演奏で行いました。お琴の演奏では月や桜を影絵やシルエットも用いて演出、和太鼓の力強いダイナミックな演奏では映像も用いて希望の炎を表現しました。
ウクライナから来ているネリア・イワノワ、スベトラーナ・シュリヒテル、マルガリータ・ドゥシャコワ先生、カテリーナ・エフチコーワ先生も『和』の雰囲気を存分に表現し活き活きと踊ってくれました。
作品は、今後続編を作っていきたいと思っております。日本から、世界へつなぐような作品にしていきたいという想いがあり、引き続きチャレンジを続けたいと思います。(夏以降に再演を予定しています)
その他、ハイライト公演ではウィンナーワルツから『蒼きドナウ』『春の声』もお届けしました。
偶然にも曲名がウクライナ語で『春の声』だったため、ウィンナーワルツと同じタイトルになったウクライナ民族舞踊の新作も披露しました。こちらは、ウクライナダンサー達が曲を選曲し全員で試行錯誤しながら振り付けた作品です。しっとりと柔らかく、哀愁漂う素敵な作品に仕上がりました。
ウクライナの文化も今だからできること、伝えていきたいと思います。

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淡路島のパフォーマンスに加え、ウクライナ支援のチャリティーパフォーマンスに出演させていただきました。
西神中央ホール、うはらホール、ポートアイランドなど、様々なところで踊らせていただき、どんな所でも伝えたい思いは変わりません。様々な活動を続けていきたいと思います。

みんなの笑顔が素敵でした...
今年で6年目になるプロジェクト。
豊中市立文化が芸術センターでは舞踊部門プログラムディレクターを務めさせていただいております。
私もいち参加者としてみんなと混じり全員でクリエーションし舞台をつくりました。

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以下、プログラム挨拶文からの抜粋です。


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ジャンル、年齢、所属スタジオを問わないダンス経験者や未経験者の方々と意見交換しながら、和気藹々、熱気溢れるなか作品を作り上げていきました。
「ダンス」プロジェクトは、限られた事に留まらず様々な経験をして頂きたい思いから、子供達は絵を書いたり、楽器を演奏したり、毎回何をするのか参加者も予想出来ないワークショップとなりました。更に、振付を自ら考えるなどクリエーションも行いました。
その様々な経験が今後生きてくる事を願います。
私は舞台にたつ時は「1人でも多くの方に感動を届け、そして楽しんで頂きたい」と思っています。
便利な時代ですが、心から感動したり、生の音楽を聞いて鳥肌が立つような経験をする機会も少なくなりました。
コロナ禍を経て世界状況も激変した昨年、こうして人々が集まって、1つの舞台を作っていく過程は心温まる時間でした。
このプロジェクトでは、参加者の想いやアイデアと共に作品を作りました。
踊っている側も、見ている側も笑顔が溢れるステージになる事を願います。
今後もダンスをされている方々だけではなく、広く一般の方々にも気軽に楽しんでいただける芸術、エンターテイメントを共に創造し皆が自然に集まって来るようなプラットホームを作っていきたいと思います。
このように、様々な活動を続けていきたいと思います。


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小学校で講義
をしました。平和学習の一環としての授業でした。
自分のソ連時代のバレエ留学で起こったペレストロイカの経験やバレエの事などを話し、皆には「今を一生懸命に。夢に向かって諦めずに頑張ること。今日を当たり前に迎えられる事への感謝」などを伝えました。
ウクライナから避難で日本に来て...私も母代わり(?)をしているソフィア・シェイコちゃんにも今のウクライナの現状の話をしてもらいました。
その後バレエ体験レクチャーをしたり、体育館のステージで『瀕死の白鳥』もトゥシューズで踊り子供たちに見て貰いました。子供たちにとって、何がきっかけでその先どうなるか分かりません...。きる限りのことを伝え続けたいなと思います。

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最後に1月6日に日本に来たソフィア・シェイコさんのご紹介をしたいと思います。
ウクライナ・ハルキウ出身でハリコフ振付学校で学んだ後、2018年にハルキウ・プロフェッショナル芸術大学に入学しクラシック振付科を専攻、2022年同校を卒業。
ウクライナや中国の公演ツアーに参加しソリスト役で活躍。主な出演作品は「フローラの目覚め」のフローラ役、「くるみ割り人形」より金平糖の精、「ショピニアーナ」のマズルカやワルツなど、その後世界状況の急変により、ウクライナでプロとして踊ることが難しくなり、ハリコフの自宅も焼けてしまったため、日本へ避難するための手を差し伸べ一緒に活動しています。4月からAwaji World Ballet で一緒に公演活動もしていく予定です。

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今月は様々な活動についてお伝えさせていただきました。

夏前にまた海外の国立バレエ団でお仕事をさせていただく機会もありますので、次回も海外や日本から様々なことをお届けしたいと思います。
日々に感謝、今後ともよろしくお願いいたします。

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi Hariyama Official Page

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『世界を踊るトゥシューズ〜私とバレエ』

針山愛美/著 Emi Hariyama
体裁:四六版並製、240頁ISBN978-4-8460-1734-7 C0073(舞踊)

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