今年もあっという間に12月を迎えました。

思い返せば、コロナ禍から2年。
様々な事を考えた2年でした。

いま、ウラジーミル・マラーホフさんを中心に、今年を締めくくる公演、そして来年を迎える公演をプロデュースしています。
そのウラジーミル・マラーホフさんは政府の全ての外国人入国禁止措置になる直前に入国が叶いました。
11月までヨーロッパにいらっしゃったので現地の様子を聞かせていただきました。

ヨーロッパやロシアでは、オミクロン株の感染者が確認されるまでは普通通りパフォーマンスが行われていたそうです。
前回のコラムでお伝えしましたが、マラーホフさんは、2021年9月17日、18日、10月23日はスロバキア国立コシシェ州立歌劇場で「ヌレエフ」に主演されました。その時は観客は3分の2位に制限されていたそうです。
「ヌレエフ」の本番を終えた後、クロアチア国立歌劇場で2019年に振り付けを手掛けた「くるみ割り人形」のリハーサルを指導されました。クロアチアでは、リハーサルはマスクをつけて行っていたそうです。
スロバキア、クロアチアでは観客が入場する際、陰性の証明、もしくはワクチン摂取済み証明を見せなければ入れないそうです。
ロシアにもいらっしゃったのですが、ロシアではマスクをつけている方々はそれほど数多くないとおっしゃっていました。

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『One heart〜心一つに』と題し、できる限りの事をしようと決断し、年末に実現に向けて進めているパフォーマンス。
年明けは「With love from Malakhov 」こちらはマラーホフさんがオーディション選抜したダンサーの方々も出演し、彼が新作を振り付けするパフォーマンス、両方をプロデュースして進めています。

まずは12月16日に豊中市立文化芸術センター大ホールにて。
12月26日は、伊豆の伊東市観光会館にて開催します。ジャンルを超えた共演を目指し、バレエだけではなく、生演奏や和太鼓、空間映像などを用いて様々な新しい作品をお届けします。

3年以上前から元ベルリン国立バレエ団監督、ウラジーミル・マラーホフさんを日本にお迎えしようと何度も何度もトライしましたが、そのたびに延期になり、気がつけば2年以上の月日が経っていました。
少し状況も安定し、実現出来るかもと思った矢先の政府の全ての外国人入国禁止措置。また延期になるかと、そんな思いが頭をよぎりました。

マラーホフさんは、24つの異なったバージョンの「白鳥の湖」全幕を人生で踊られてきました。
クロアチア国立バレエ団では、マラーホフ版として振り付けもされています。
今回は、12月16日、26日の「One heart」、1月19日の「With love from Malakhov 」のパフォーマンスでは抜粋で踊ってくださる予定です。
マラーホフさんから学ぶ事は限りなく、実際に指導されているところを拝見した時、日本の若い方々にも直接感じてもらいたい、後世にも伝えていかないといけないと思い、1月のパフォーマンスでは振り付け指導していただきます。

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私は10代の頃から海外で活動してきたので、現地の外国の方々が感じる日本と言うものを私自身も感じていました。
その頃からずっと日本の歴史や文化を取り入れた作品を制作したいと思っていました。
この度ご縁があり、中村恩恵さんに「何か日本を背景にした作品をお願いしたい」とお話している中で、源氏物語からの葵の上の部分を実現することになりました。
マラーホフさんも、以前から日本の作品に挑戦してみたいとおっしゃってくださっていたので、この作品に出演してくださることを快諾してくださりました。マラーホフさん、中村恩恵さん、宝満直也さん、私が出演予定です。

私にとって、音楽は人生においてかけがえのないものです。
ベルリンには3つのオペラハウスがあり毎日オペラやバレエが上演されています。
そしてベルリン・フィルハーモニー始め、素晴らしいオーケストラの演奏会を毎日聞くことができます。
ベルリン国立バレエ団で活動していた時、リハーサルや自身のパフォーマンスが無い時は、常にどこかの劇場に通っていました。
海外のバレエ団では、オーケストラの生演奏でパフォーマンスをすることがほとんどです。
「One heart」では、音楽にもこだわり生演奏でお届けします。
そして定番の「瀕死の白鳥」を未知の世界であるデジタル空間演出でお届けします。
ベルリンにいた頃から、空間映像やプロジェクトマッピングでインプロビゼーションにチャレンジしていましたが、いつかチャンスがあれば日本でもチャレンジしたいと思い続けていました。今回は、それを実現できることになりました。
新しいダンスの世界にもチャレンジします。
数日前までは、ソロで踊る予定でしたが、日本に無事いらっしゃってくださったマラーホフさんが、「瀕死の白鳥」を踊ってくださることになりました。
マラーホフさんが踊ってくださるのでしたらソロで出演してほしいとお願いしましたが、今回は彼の演出で、舞台を半分に割ってデュオでお届けすることになりそうです。

ジャンルを超えて、様々な分野のアートを楽しんでいただければと思っております。

今後も、伝統あるバレエをしっかり残して伝えていく活動と、バレエ、文化芸術を幅広く伝えていく活動の両方を続けていきたいと思います。
夢、感動、心の豊かさをお届けできるよう一層努力していきたいと思います。
多くの方々にお世話になり、ご支援を賜り感謝申し上げます。

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インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi Hariyama Official Page

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『世界を踊るトゥシューズ〜私とバレエ』

針山愛美/著 Emi Hariyama
体裁:四六版並製、240頁ISBN978-4-8460-1734-7 C0073(舞踊)

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