アメリカンバレエシアター(ABT)の3作品のドレスリハーサル(ゲネプロ)を観に行きました。

一つ目のジェシカ・ラングの新作『Garden Blue』は、舞台の真ん中にある木のセットがシンプルな蝶の羽や花びらに見え、その周りを3組のカップルと女性一人が踊るのですが、全身タイツの色がとてもヴィヴィッドでカラーがないセットとよく合っていました。ダンスのムーブメントに複雑な動きはないので、とてもシンプルで美しい作品で私は好きでした。新作なのでダンサーたちの位置取りにかなり時間をとっていました。

もう一つは有名なジョージ・バランシンの『Symphonie Concertante』でメインの3人のダンサー以外は、女性のコール・ドの構成が面白い作品です。久しぶりにバレエを見たのですが、ダンサーたちの若いこと! ミュージカルや芝居などでは、年配のパフォーマーもいますが、バレエは平均年齢が若いですね。プロのダンサーたちがほとんど大学生に見える感じでした。:)
バランシンの振りは、曲のイメージ通りで、音符が踊っているように感じられこちらもとても面白かったです。
最後は、こちらも有名なジェローム・ロビンズの『Fancy Free』です。3人の水兵のダンスです。私は自分のリハがあるためにこの作品は見られなかったのですが、三つの作品の組み合わせがとても合っていて、よいプログラムだと思いました。
ニューヨークは、バレエのシーズンが始まりましたね!

さて話は変わります。ブロードウェイミュージカルが学べるニューヨークのプログラム、The Broadway Experience(TBE)が日本で第7回目の開催になります!
前回と同じ、山梨の裏富士山がドーンと見える広大な日本航空学園 ウィングシアター山梨スタジオで開催されます。
代表のベンとも話していますが、澄んだ空気の中であの見事な山々を朝から見て、夕方まで充実した時間を過ごし、ハードな日でも帰りにまた広大な景色を見ると悩んでいることがとっても小さく見え、また学んでいること、指導していることに集中できる環境は素晴らしいです!
こればかりは経験してもらわないと分からないのですが、とにかくアメリカ式のキャンプで宿泊、食事付きで開催されます。テレビもなく、雑念が入る余地のない本当に集中できる環境で仲間と助け合いながら学んでもらいます。
11歳から24歳までの6日間コースとアダルトの3日間コースとありますが、全国の仲間と一緒に過ごすのでリスペクトして助け合い、生涯の友ができます。
生徒さんを送ってくださった先生方から「コンクールやオーディションでTBEのTシャツを着ている子がいると、自分のスタジオの生徒と同じように応援したくなります。生徒たちも顔なじみがいると緊張が和らぎ、思いっきりやろう、とTBEで学んだアメリカの自己アピールにスイッチが入るみたいです」と嬉しいお言葉をいただきました。
TBEは英語の授業が主で通訳の方が付きますが、英語を使って自分の名前、何を歌うかなどオーディションで必要なことも話せるようになります。それがきっかけで、留学した生徒さんはたくさんいますし、大学で英語科に進む方、英語のスピーチでTBEを取り上げて代表に選ばれた方も数名います!
私より英語が上手になっています(#^.^#)
アダルトコースを受講された方もニューヨークのオフブロードウエィに出演したりとTBEがきっかけになるみたいです。
もちろん、通われているスタジオ、学校の先生方と協力してくださっているご家族のおかげです。TBEはチャンスを作りあと一押しのプッシュの役割をさせてもらっています。
これもご縁と思います。何か変わりたいな、新しい挑戦したいな、と思っている生徒さん、アダルトの方、ぜひ受講してみてください。日本では1年に一度しかありません。意外にこの6日間に集中した方が、たくさんオーディションを受けて仕事を探しているより良いことが起こるかもしれませんよ。
指導者達は少なくとも何かを吸収してもらうように、自分を知ってもらうように全力を尽くします。

スタジオの先生、「この子はちょっと荒治療をした方が良い。外を見た方が良い。どんどん吸収してほしい」という生徒さんがいましたら6日間しっかり見させていただきます。
いつも「私たちが言っていることと、スタジオの先生の言っていることの頂点は同じです。いろいろと経験を積むことによって持っているものを出せるように引き出しはたくさん有る方が良いから、TBEで学んだことは一つの方法として捉えるように。」と指導しています。
受講後にスタジオの先生方からご連絡がある場合は、6日間で私たちが感じたことをお話ししていますし、受講前に先生方から生徒さんの情報をいただく時もあります。
芸術、舞台はとても大切です。科学と同じように人々に影響を与え人生、考えを変えます。
2019年の出会いをとても楽しみにしています。

The Broadway Experience(TBE)

開催日:2019年3月25日〜30日
お申し込み先:公式ウエブサイトからお願いします。
https://www.thebroadwayexperience.com/tokyo
締め切り:12月末
受講資格:11歳〜24歳の男女。2年以上のダンスレッスン経験のある方。
開催地:(学)日本航空学園 ウィングシアター山梨スタジオ
アダルトコース
開催日:2019年3月26日〜28日
※11月末までに申し込まれた方は$50引きです!ウェブサイトをご覧になった方だけの特典です。

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

福岡シティ川添バレエ学苑、三ノ上万由美バレエスタジオでバレエを黒田バレエスクールにてコンテンポラリーダンスを学ぶ。
15歳で劇団四季に合格し、ミュージカルで活躍後、英国マシュー・ボーンのニュー・アドヴェンチャーズに日本人で初めて入団。『くるみ割り人形』では主役クララを演じ、『エドワード・シザーハンズ』『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)『白鳥の湖』『ザ・カー・マン』『眠りの森の美女』に出演。
現在は、マシュー・ボーンのインターナショナルツアーの「前座公演」振付、指導を担当。『ドリアン・グレイ』日本公演のリハーサルアシスタントも経験した。また、振付家としてN.Yの全米No.1のミュージカル『フェーム』のモデルにもなったラガーディア芸術高校で『サウンド・オブ・ミュージック』や芝居の振付で活躍中。ピッツバーグ大学の『Zanna Don't!』振付やコンテンポラリーのコンクール作品振付では、N.YのHariyama Balletの2名のダンサー達が銀賞を受賞。
ブロードウェイミュージカルを学ぶN.Y のプログラム「ブロードウェイ・エクスペリエンス」(TBE)のアシスタント・ディレクター。N.YのHariyama Ballet、ジョフリーバレエでコンテンポラリー、シアターダンスを指導、カーネギー・メロン大学、プリンストン大学など 全米、日本でワークショップを開催している。
チャコットのウエブマガジンDance Cubeに「私の踊りある記」連載中。
その他出演作品は『王様と私 』(ロイヤルアルバートホール)、 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』、スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』。 オーストリア、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどのコンテンポラリー作品。
Twitter @mamitomotani
踊りある記 https://www.chacott-jp.com/news/column/usa/
TBE https://www.thebroadwayexperience.com/tokyo

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