マシュー・ボーンの『シザーハンズ』イギリスツアーが大成功のうちに無事終わりました!

日本からも観に来てくださった方々どうもありがとうございました。

マシューのカンパニーは、作品によってキャラクターやダンスの種類が随分違うので、キャストも変わります。もちろん私たちが歳を取り、家をよく空けるツアーではなく、家族と一緒に過ごせる街での仕事やフリーランスではなく、固定給がもらえる仕事に変更したりするので、自然に若いメンバーとなっていきます。
特に、ミュージカルと違い2時間半も踊り続けるのは体力的にもきついし、年配の役もなかなかありません。それでダンスカンパニーを引退する年齢が30代や40代になります。

Photo:Mami Tomotani

今回は、それぞれの家族のキャラクターが全然違い、またそれぞれの親役をできる人がなかなか見つからず大変だったそうです。だから、アメリカに住んでいる私にも声がかかったのですが。でもそのために、ミュージカル界から、コンテンポラリー界から、バレエ界からとヴァリエーション豊富なカンパニーになり、年齢も20代〜40代と幅広く、ダンスカンパニーには珍しくそれぞれのバックグラウンドがとても違うので、良い雰囲気でした。
ただ怪我が多く、そのために週に2回は休みがあるのですが、健全なダンサーたちは全部出演することになったり、全員二役をするのですが、一役しかできなかったりと大変でした。
私が思うには、主な要因は食事だと思います。私も20代の時に病気をして気づきましたが、やはり、車のガゾリンが良いと、エンジンの走りが良いように、体も良い食事をしていないとロングランツアーでは支障がくるみたいです。私やエタ、マディーは他の出演者たちより20歳も歳が上ですが、ほとんど休みなく踊れたのも良い食事をしているからだね、と話していました。
ニューヨークの学校の先生も生徒たちの集中力がなく、すぐ眠くなるのも食事の影響と言っていました。若い時から食事のクラスがあると良いですね。

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

さて、公演中に『ザ・カー・マン』のオーディションがあり、出演したことがない若いカンパニーメンバーや、『スワンレイク』などに出演したことがあるダンサーたちが二日間頑張って受けていました。
もちろん私は、『ザ・カー・マン』の世界では歳をとったので、見守っていました。私は前回(6、7年前)と前々回も出演でき十分良い経験ができたのでラッキーでしたが、10年もカンパニーメンバーとして参加している人やマシューの作品で主役やアンダースタディーになった人も、キャラクターや『ザ・カー・マン』のタイプのダンスには合っていない、などでダメだったダンサーたちがたくさんいました。
ダメだった若いダンサーたちが落ち込んでいたので「貴女はプロだから実力があるのは、カンパニーは分かっていて、キャラクターや"カーマン"の動きが合っていないのだから、あまり引きずらず、先を見た方が良いよ。」とアドバイスをしました。人生は何が起こるかわかりませんからね。この『ザ・カー・マン』がダメだったために、他のオーディションに受かり、面白いキャラクターに出会ったりと、違う世界で活躍するかもしれませんしね。

私は、16年もずっとマシューの作品に出演でき、アメリカに移動しても声がかかるのはラッキーで、感謝しています。私みたいに、こんなに長く声がかかるのは、ほんの数人しかいないそうです、だから「レジェンド」と呼ばれるそうですが・・・。でも、新たな挑戦もしたく、アメリカで何が起こるか頑張っています。
ブロードウェイ・エクスペリエンスでも指導者としていろいろな出会いがあり学んでいます。皆さんも人生は一度きり、怖がらずどんどん前向きで挑戦してくださいね!

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インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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