一夜限りの特別公演『Ballet Princess 〜バレエの世界のお姫様たち』がまもなく開演!
インタビュー=ニ山治雄&五十嵐愛梨(青い鳥のパ・ド・ドゥ)

クラシック・バレエの代表的プリンセス、オーロラ姫、シンデレラ、白雪姫が、ひとつの物語を語りながら踊る『Ballet Princess〜バレエの世界のお姫様たち』公演(演出・振付/伊藤範子)が、3月31日に幕を開ける。
この公演は、3人の美しいバレエ・プリンセスたちとともに、バレエを愛する人たちのために展開する、一夜限りの特別公演。谷桃子バレエ団シニアプリンシパルで振付家の伊藤範子の演出・振付により、選び抜いた輝けるダンサーたちが踊る。

では、いったいどんなバレエ・ドラマが始まるのか、演出・振付を手掛ける伊藤範子は、
「バレリーナを夢見ている可愛い少女のアンちゃんが登場。彼女はすべての女性の心の中に宿っている「永遠の少女」を象徴しています。彼女は小さなバレリーナです。このバレエでは、お客さまの感情移入を大切にして、3人のバレエのプリンセスの物語を、アンちゃんの気持ちに寄り添って進めていきます」と語る。そして、「3人のバレエ・プリンセスの物語は、王子と出会い結ばれるひとつのお話に収まり無事に完結するはずです。現在は、振付がだいたい終わりましたので、これから通して展開を整えようと思います。もちろん、お馴染みの踊りに工夫を凝らした踊りのシーンがいっぱいありますので、ぜひ、お楽しみに劇場にお越しください」と語った。

オーロラ姫には米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)、白雪姫は木村優里(新国立劇場バレエ団ソリスト)、シンデレラは池田理沙子(バレエスタジオ DUO)、『シンデレラ』の王子は橋本直樹、『眠れる森の美女』の王子に浅田良和、リラの精に長田佳世(新国立劇場プリンシパル)、ヴィランには高岸直樹が出演する。

伊藤範子

伊藤範子

また、次世代を担うダンサーも数多く出演。そこで、劇中で「青い鳥のパ・ド・ドゥ」を踊るニ山治雄と五十嵐愛梨に話を聞いたのでお届けしたい。二人ともローザンヌ国際バレエコンクールで活躍したことを記憶されている方も多いと思う。

二山治雄(白鳥バレエ学園)
「バレエ・プリンセス」で「青い鳥のパ・ド・ドゥ」を踊ることを楽しみにしています!


----2014年はコンクールで大活躍でした。やっぱり、YAGP(ユース・アメリカ・グランプリ)とローザンヌ国際バレエコンクールでは、雰囲気が違いましたか。参加した主なコンクールはすべて一位でしたね。
二山 ローザンヌコンクールは重みといいますか、歴史があり、初日から4日目まではバレエのクラス、コンテンポラリーのクラスも審査対象になり、その後ヴァリエーションの審査があるので、毎日がとても張り詰めた空気の中で行われました。ローザンヌの出場者はヨーロッパ、アジアが中心でしたが、ユースはアメリカ、南米の子達が多く、色々なタイプのダンサーが集まり個性的でした。

----コンクールはもう卒業されたという感じですか。
二山 コンクール、卒業という感じではないですが、一昨年ローザンヌから一年間のスカラシップをいただいて、サンフランシスコに留学し、高校は絶対に卒業したかったので去年の9月から復学し、先日卒業しました。僕は、まずは目の前にある事を出来る限り頑張ることにしています。

----サンフランシスコ・バレエ団ではどういう立場でしたか。
二山 トレーニープログラムといって、ジュニアカンパニーのようなところです。メンバーは男性が6人、女性が6人でした。普段の流れは、毎朝クラスがあり、昼はトレーニーのリハーサル、夜はカンパニーのリハーサルがありました。トレーニーでは、ヒューストン・バレエ団2と合同共演したり、インディアナポリスのガラで踊ったりと、その他にも沢山の公演がありました。また、カンパニーの公演にも「くるみ割り人形」などに出演させてもらい、とてもいい経験になりました。

----ローザンヌではクラシックとコンテンポラリーを踊ったわけですが、松本ではコンテンポラリーのクラスを受けていましたか。

二山 いえ、ふだんはクラシック・バレエだけです。ローザンヌのコンクールのために先輩に教えていただいたりとか、東京でもオープンクラスを受けました。コンテンポラリーを踊るためにいろいろな経験を積むことができて楽しかったです。

----ローザンヌの本番では、クラシックとコンテンポラリーでは、どちらが緊張しましたか。

二山 クラシックです。コンテンポラリーの方が自由に動けるような気がしたからかもしれません。

二山治雄

二山治雄

----「バレエ・プリンセス」公演では、「青い鳥のパ・ド・ドゥ」を踊られますが、この踊りはいかがですか。
二山 あまり何回も踊っている演目ではありませんが、自分自身はとても楽しみにしています。

----バレエ協会の『卒業舞踏会』で鼓手の役を踊られましたね。
二山 はい、バチさばきがとても大変でした。最初は全然できなかったので、自宅に持ち帰って練習もしました。

----全幕を主演した経験はありますか。

二山 はい、『ラ・フィーユ・マル・ガルテ』のコーラス役です。体力的にはそれほどの負担はなかったのですが、練習時間が短かったのでそちらに苦労しました。踊ることが好きで、練習自体はあまり苦にはなりません。

----マチアス・エイマンが好きだそうですが、どういうところですか。
二山 いちばんスタンダードでバレエの型に沿って踊っているし、それにのっとったテクニックで観ていていちばん気持ちがいいです。

----今、いちばん踊りのどういうことに関心をもっていますか。

二山 プロのダンサーとして活躍したいとおもっているので、どこの舞台に立ってもお客様に喜んでもらえるようなダンサーになりたいです。それには今回の「バレエ・プリンセス」のような舞台もとても重要だと思います。これから沢山の経験を積み重ねて、表現力や演技力も学んでいき、お客様に喜んでもらえるようなダンサーになれるよう頑張ります。


五十嵐愛梨(山本禮子バレエ団)
「アリーナ・コジョカルと平田桃子に憧れています」


----コンクールにたくさん出場されていますが、どのコンクールが印象に残っていますか。

五十嵐 やっぱり、ローザンヌ国際バレエコンクールに2回出場させていただきましたが、自分を高めていくというその場所で一週間、同じ所を目指している仲間と一緒にいろいろな経験をさせていただいたことが、印象に残っています。

----ローザンヌのコンクールに行って驚いたことはなんですか。
五十嵐 日本でずっと習っていると、体型も似ているし、同じような踊りになってきたりするのが、全然違うところで育ってきた人だと身体つきも表現の仕方も違うので、驚きました。

----それからは、ハンブルク・バレエ・スクールに行かれたわけですね。
五十嵐 ローザンヌでスカラシップをいただいて、1年間行きました。それでやっぱり、もう一度挑戦したいという思いがあって、再度、ローザンヌコンクールに挑戦しました。

----ハンブルク・バレエ・スクールには、ノイマイヤーはよく来ますか。
五十嵐 カンパニーのリハーサル、スクールのパフォーマンスや試験の時にはノイマイヤーさんは来ています。結構、身近にいる感じです。

五十嵐 愛梨

五十嵐 愛梨

----スクールのパフォーマンスはどういったものですか。
五十嵐 授業の区切り目にスクール・パフォーマンスがあったりします。ノイマイヤーさんの作品を踊ることが多いですね。私は冬にはカンパニーの『くるみ割り人形』に出演させていただきましたが、その時にはノイマイヤーさんにも見ていただきました。アリーナ・コジョカルが主役のマリーを踊りました。プリンシパルのエレーヌ・ブシェも出演しました。

---ハンブルクのスクールへの留学は初めてですか。
五十嵐 はい。4人部屋の寮生活でした。韓国人とノルウェー人が二人です。
日本ではコンテンポラリーを踊ることは少なかったのですが、ハンブルクに行ったことでいろいろな踊りを習うことができました。寮生活では初めての英語を使ったりして、自分が少し強くなったような気がしました。

----「バレエ・プリンセス」では、青い鳥のフロリナ王女を踊られるわけですが、もう何回か踊ったことがありますか。
五十嵐 ハンブルクのスクールにいた時に、『眠れる森の美女』の公演で踊りました。

----振付家の伊藤範子さんとの合わせでは、いかがでしたか。
五十嵐 今まで踊ったことのある振付とも大分違うので、新たな気持ちで臨もうと思います。ノイマイヤー版の『眠れる森の美女』もありますが、スクールで踊った時はプティパ版でした。

----これからダンサーとしては、どういう方向に進もうと思っていますか。

五十嵐 もっとどんどん自分を磨いていって、バレエ団に入ることが目標です。どこに入っても成長していけたらいいな、と思っています。ハンブルクに留学したので、ヨーロッパには馴染みがありますが、どこにでも挑戦したいです。

---特に憧れているダンサーはいますか。
五十嵐 そうですね、アリーナ・コジョカルさんが大好きです。

----私はコジョカルが初めて日本に来た時、インタビューしましたが、ちょうど今の貴女くらいの可愛い少女でした。それからどんどん成長して世界中で尊敬されるバレリーナになりましたね。日本人ではどうですか。
五十嵐 私のスクールの先輩で、今、バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパルの平田桃子さんを尊敬しています。

----どうも、ありがとうございました。「バレエ・プリンセス」公演、がんばってください。期待しております。

五十嵐 愛梨/二山治雄

バレエ鑑賞普及啓発公演 『Ballet Princessーバレエの世界のお姫様たちー』

●2016.3/31(木)
●新宿文化センター 大ホール
●演出・振付=伊藤範子(谷桃子バレエ団シニアプリンシパル・コレオグラファー)
●宣伝画=萩尾望都
●演目=プロローグ/「白雪姫」より/「シンデレラ」より/「眠れる森の美女」(原振付:マリウス・プティパ)より/エピローグ

公演詳細はこちら
http://www.chacott-jp.com/magazine/information/stageinfo1/ballet-princess.html

☆公式webサイト
http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/princess/index.html

インタビュー&コラム/インタビュー

[インタビュー、文]
関口 紘一

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