2008年も最後の月を迎えました
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 - コラム 針山愛美
 
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早いもので2008年も最後の月を迎えました。
 残り少ない日々を悔いの無いよう過ごしたいと思います。
 11月11日、18日 
 『シルフィード』の本番。
 この両日のキャストは
 シルフィード:ナディア・サイダコーワ
 ジェームス:ウラジーミル・マラーホフ
 グーン:ジーヌ・タマズラカウ
 ナディアもマラーホフ監督もベルリンでは初めてのシルフィードでした。
 マラーホフ監督は膝の心配は全く無いようでジャンプも素晴らしかったですし、ナディアも軽くて愛らしくてとてもあっていました。

『シルフィード』
 11月2週目 
 3日間まとめて書きますと。。。。
 ベルリンフィルハーモニーのコンサートに3回行き、ブラームスの1番から4番まで全てを聞くことが出来ました。
 その後ベルリンフィルハーモニーは日本公演に旅立ちました。
 サイモンラトル指揮でブラームス4曲とも聞く機会など、滅多に無いと思うので非常に貴重な経験でした。
 去年のマーラー全曲、バレンボエムとブーレーツで聞いたときもそうでしたが、ブラームスの全体的なインプレッションを得ることが出来、素晴らしかったです。
 フィルハーモニーも弦の響きがいつもより増して素晴らしかったように感じました。

『シルフィード』
 11月14、16日 
 この日の『シルフィード』、キャストは
 シルフィード:中村祥子
 ジェームス:ミハイル・カニンスキン
 去年も踊ったペアなので安心、素晴らしい安定感で見ていて音楽的にも素晴らしかったです。

『シルフィード』
 11月21日、23日 
 ヤナ・サレンコが出産後、早くも舞台復帰しました。
 しかも夫でもあるマリアンとの競演です。
 シルフィード:ヤナ・サレンコ
 ジェームス:マリアン・ワルター
 グーン:ゲオルグ・アソヤン
 ヤナとマリアン。公演後、2人とも本当に幸せそうに御辞儀しているので、見ている方も幸せになりました。
 2人で主演したのはこれが初めてだと思います。
 特にマリアン、嬉しそうでした。
 11月29日 
 今シーズン最後の『シルフィード』でした。
 最後は
 シルフィード:ヤナ・サレンコ
 ジェームス:ジーヌ・タマズラカウ
 ジーヌは1回のみで少し残念でしたが、最後にジェームスを踊り物凄い喝采を浴びていました。
 来年は上演しないそうなので又しばらく見る機会はなさそうです。

『シルフィード』
 11月30日 
 ドイツオペラでタンホイザーの新作初演を見に行きました。
 ドイツオペラの監督が自ら手がけた演出だったのですが、かなりのブーイングを浴びていました。ドイツ人は初演でも自分自身の感想をそのまま声に出すので反応を見るのも又面白いものです。
 私自身は、最近のトレンドでもあるモダンの演出で面白いとは思ったのですが、やはりワーグナーの壮大な音楽には、、、少し音楽負けしていたように感じました。
 それでもやはりワーグナーオペラは素晴らしいと思いました。
 12月2日 
 今現在工事中のベルリン一等地、国立歌劇場のすぐ横にあり、昔はパラステルリパブリックと言われ東ベルリンを賑わせていた鉄骨の建物の解体がついに終了しました。
 それと同時に、そこに新しく建つ宮殿の新設計が発表になりました。
 2014年を目途に建つのですが、その設計の発表会に行ってきました。
 博物館の館長や、新聞テレビなどの人で一杯でしたが、新しいプランはとても素敵で興味深いもので、益々ベルリンが面白く変わっていきそうです。
 12月7日 
 『カラバッジョ』の初演。
 振り付け Mauro Bigonzetti
 音楽 Bruno Moretti
 ライティング Carlo Cerri
 衣装 Kristopher Millar , Lois Swandale
 指揮 Paul Connelly

出演
 Polina Semionova
 Beatrice Knop
 Shoko Nakamura
 Elisa Carrillo Cabrera
Vladimir Malakhov
 Michael Banzhaf
 Leonard Jakovina
 Mikhail Kaniskin
 Dmitry Semionov
 他、カンパニー

世界初演とあり、かなりの話題性、、、本番前はテレビなどの取材もかなり来ていました。
 当日はチケットも売り切れで満席、皆様どのようなバレエかかなり興味を持ってきてくださったようでした。
 全2幕休憩を入れて2時間のバレエです。
 カラバッジョはイタリアの画家、その同じ時代に生きた作曲家モンテベルディの音楽を元にしてブルノ・マレッティが編曲した音楽を使い、彼の人生をイメージ的に表現したバレエです。
 1幕はカラバッジョの人生を単発的に表現したといえると思います。

2幕は殆どストーリーはなく、彼の数枚の絵をイメージしたパ・ド・ドゥや、彼の分身的存在、いわゆる別の面のカラバッジョとのデュオ、彼が殺人の狂気に迫られたといわれる時、、などかなりインパクトのある物でした。
 オーケストラの演奏も素晴らしくシュタッツカペル本領発揮という感じでした。

マラーホフ監督自身は勿論カラバッジョを演じました。新しい分野のバレエで新鮮であり、また感情面でも素晴らしいと思いました。
 レオ・ジャコビナが彼の分身を演じましたが、彼から出てくるエネルギー、シャープな動きが素晴らしく、一つ一つの動き、ポーズが彫刻のように目に残っていくようでした。
 本番終了後はかなり長いカーテンコールで観客も大喜び、大盛り上がりでした。
 その後、アポロザルでレセプションがあり、振付家のビゴゼッティと共に、マラーホフ監督がドイツ語で御挨拶されました。

12月、残すところはくるみ割り人形の公演です。
 今年は12月31日、1月1日は公演が無く少しゆっくり出来そうですが、12月30日と1月2日は舞台がありますので、、、新年気分に浸ってる時間はなさそうです。
今年一年本当に有難うございました。
 2009年もよろしくお願いいたします。
 皆様、良いお年をお迎えくださいね。
針山 愛美
インタビュー & コラム

針山 愛美 Emi Hariyama
13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。
1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
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