真夏の日に、福岡市美術館アートスタジオで踊りました!

今回は、ずっとオンラインで何か一緒にできると良いですねと話していた、バンドネオンの世界チャンピオンの川波幸恵さんとのコラボが実現できました。
ギャラリーや小さい劇場なども色々と1年前ぐらいから探していましたが、今のこの状況でいつCovid-19からキャンセルにしないといけないのかなどのリスクを考えると、なかなか決めることができませんでした。

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そんな中で初めての試みの今回は、アットホームな感じの場所であり、でもおしゃれで建物からも良い波動を感じる美術館の中のアートスタジオも候補の中の一つとして幸恵さんにお話し、演奏が可能かなどをチェックされて決まりました。
このアートスタジオは、前日のリハで壁が動き広さを調整できるということや天井の照明も何段階に分けて明るさを調整できるなど分かり、幸恵さんと色々と可能な限りそれらを利用しました。
可動式の壁は、幸恵さんと今回一緒にハンドパンを演奏してくださったジミー・ブラウンさんの演奏に合わせダンサー達に押してもらいました。
すると、その押した壁に上からのライトが三角形に入り、またこれも発見でそのまま利用しましょうとなりました。
また、幸恵さんが「こんなものがあります」という光のボックスを私の作品『2年間の記録』に光が射した感じに使用でき、その希望、ポジティブの光をダンサー達でシェアをしていこうなど、現場でのリハでどんどんアイデアが湧き、またダンサー達も急に追加された小道具などを楽しんで色々と扱っていました。

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こういうクリエイティブな活動はやはり楽しいですね! どんどんアイデアが湧き自分の中にエネルギーが入ってくるのが感じられます。
お客様は、幸恵さんとジミーさんの演奏を気持ちよく楽しまれ、音の世界に入っていかれていました。
私たちも音楽を聴きながら緊張よりも段々とその世界に入ることができ、癒されていきました。
そして、私は幸恵さんのオリジナル曲「ある蝶へのレクイエム」とのコラボで、隣同士に座りお互いの呼吸を感じ音色と同化して感じたまま踊りました。
この曲は大好きな曲の一つです。聴いた時から何かイメージが沸いていました。
会場での空気や生演奏で感じたまま踊りました。
昼公演の時は、蝶が太陽の中で飛び、舞台に飾っていたネットを羽に見立て、ヨーロッパなどでも言われている亡くなった方が蝶になって帰ってきてくれるというイメージになりました。
夜公演は、月の光の中で飛んでいる蝶が、ふと飾りのネットの中に入ってしまったのを出してあげて、何かの思いをこれから伝えにいこうとするイメージでした。
こうしようというより、そうなったという感じですが・・・
でも、コンテンポラリーの良いところで、「正解」はないのです。
観た方がそれぞれ想像され感じていただければ嬉しいです。

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最後には幸恵さんが選んだ楽しい曲、「the sunny side on the street」はそれぞれに好きな道を歩いているイメージで一緒にインプロで踊りましたがとても楽しく、少しジャズの動きを入れたりとし、終わってもお客様が鼻歌で歌いながら軽く踊り歩いて帰ってくれたようでした。
私の2曲の振付作品は、この2年間パンデミックだったので、ずっとオンラインレッスンをNY、山口、福岡、神戸、神奈川、LA, ハワイ、熊本から毎日曜朝9時から1時間それぞれ受けてくれていた生徒の中で今回参加できる生徒が福岡に来て踊りました。
生徒たちもこの場で初めて顔を合わせたのにもかかわらず、見事に心を一つにして踊りあげてくれました。
また、幸恵さんの紹介で福岡のタンゴダンサーの窪田 央さんもオンラインで振りを覚えてもらい、一緒に素敵に踊って下さいました。
この二つの作品は、パンデミックの中で気持ちが変化していく過程の記録を残そうと生まれた作品です。
生徒の気持ちがテレビの情報などで息ができなくなっているネガティブな気持ちから、こんな時だからこそポジティブな経験に変え言葉にして、自分を見つめ直し、希望を持ち、できることに集中し、そしてそれをシェアしていくことにふと気づく、という流れを振付構成した作品です。
もう一つは四つのお花のイメージで生徒たちが選んだ椿、菜の花、薔薇、ひまわりをNY在住のアーティストKazue Taguchiさんの画と一緒に身体で表現しました。
元々がオンラインクラスで創った作品なので、6畳で踊れる作品ですが初めて全員が集まり、広さがある場所なので構成を変えて踊ってもらいました。

お客様とのシェアでは、幸恵さんがお客様に「お題」を聞いて、それをジミーと演奏していましたが、これも素晴らしく皆さんもお題を想像しながら聴かれていました。
ダンスでも私が、同じ振りでも気持ちでどれだけ呼吸から変わるかなどを実際にダンサーに踊ってもらい説明して、お題をテーマにダンサーたちとどのようにして作品を創っていくかなどを、少しだけですが見てもらいました。これはあまり見られないことなので好評だったみたいです。

この2回公演を通して、観客の皆様が音から癒され、エネルギーをもらい、ダンスで想像力を刺激し、幸せな波動をもらって帰られたことと思います。
たくさん、素敵なコメントも頂いております。オンラインの生徒さんの発表の場もできてよかったですし、私も久しぶりに踊って「命の洗濯」のような感じで、自分の身体が喜んでいるのが感じられました。

今後もNYや福岡はもちろん、色々な場所でアートな時間をお届けできたらなと思います。

来年に向けて秋からのオンラインクラスでまた新たな作品作り始めます。興味のある方、この公演の内容はインスタグラムをご覧ください。
@mami.lesson_choreograph

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演奏 #川波幸恵 #jimmybraun
ダンス演出/振付、友谷真実 オンラインクラスメンバー
絵 #kazuetaguchi

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

福岡シティ川添バレエ学苑、三ノ上万由美バレエスタジオでバレエを黒田バレエスクールにてコンテンポラリーダンスを学ぶ。
15歳で劇団四季に合格し、ミュージカルで活躍後、英国マシュー・ボーンのニュー・アドヴェンチャーズに日本人で初めて入団。『くるみ割り人形』では主役クララを演じ、『エドワード・シザーハンズ』『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)『白鳥の湖』『ザ・カー・マン』『眠りの森の美女』に出演。
現在は、マシュー・ボーンのインターナショナルツアーの「前座公演」振付、指導を担当。『ドリアン・グレイ』日本公演のリハーサルアシスタントも経験した。また、振付家としてN.Yの全米No.1のミュージカル『フェーム』のモデルにもなったラガーディア芸術高校で『サウンド・オブ・ミュージック』や芝居の振付で活躍中。ピッツバーグ大学の『Zanna Don't!』振付やコンテンポラリーのコンクール作品振付では、N.YのHariyama Balletの2名のダンサー達が銀賞を受賞。
ブロードウェイミュージカルを学ぶN.Y のプログラム「ブロードウェイ・エクスペリエンス」(TBE)のアシスタント・ディレクター。N.YのHariyama Ballet、ジョフリーバレエでコンテンポラリー、シアターダンスを指導、カーネギー・メロン大学、プリンストン大学など 全米、日本でワークショップを開催している。
チャコットのウエブマガジンDance Cubeに「私の踊りある記」連載中。
その他出演作品は『王様と私 』(ロイヤルアルバートホール)、 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』、スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』。 オーストリア、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどのコンテンポラリー作品。
WEBサイト https://www.mamitomotani.com/
Twitter @mamitomotani
踊りある記 https://www.chacott-jp.com/news/column/usa/
TBE https://www.thebroadwayexperience.com/tokyo

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