芸術の秋ですね!やっとニューヨークにも舞台が戻って来ています!

17、18ヶ月ぶりです!!よく持ったなと思いますね・・・。
ブロードウェイの出演者たちも働こうにも場所がなく、バイトでもレストランも空いてなくデリバリーや便利屋さんなどのバイトをして、失業手当をもらいながら生活していたと聞きました。

ニューヨークは確かに戻って来ていますが、やはりレストランやカフェでも店員さんが一人だけになっていたり、閉じたお店も多いです。
なぜか家賃だけは元に戻って全米で1番高くなりました・・・。本当に寝るための部屋代のために働いている感じになります。
大学生たちが戻って来たので街は賑わっていますが、観光客は少ないのでまだまだ元に戻るにはこれからだと思います。

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演劇学校

私はとてもラッキーで、アカデミー賞を受賞の役者さんたちも輩出した演劇学校の一つ、マイズナーズテクニックの学校、The Neighborhood play houseのジャズダンス講師に選ばれました。
スティーブ・マクィーン、グレゴリー・ペックやネットフリックスで人気の『ヴァージンリバー』の主役マーティン・ヘンダーソンなど、ここでは書き切れないほどの役者を輩出している学校で私がジャズダンスを担当します。
とっても責任を感じ緊張していますが、役者の生徒さんたちに指導するのは大好きなので、クラス担当になりとっても嬉しいです。
ダンススタジオはなんとマーサ・グラハムがこの学校のためにデザインしたそうです。

この学校の校長先生と私を推薦してくださった講師の方との面接で、「あなたのラグアーディア高校の振付した『サウンド・オブ・ミュージック』を観たけど素晴らしかった。またあなたが振付した芝居の振付けのアイデアを実を言うと盗んで使用したのよ。(笑)」と言われビックリです!
たくさん素晴らしい公演があるニューヨークなのに、私が芸術学校の高校生に振付けした作品のアイデアを使用するなんて、盗んでくださってとても光栄です。

こうやって私にも何かご縁ができてもっと世界が広がれればなと思います。
授業もみんな必死に楽しく頑張っていて、教えているナンバーの振付家、演出家の歴史やどう言うシーンのダンスなのか、物語についてもノートに書いて提出など、ただ踊るだけではないクラスにしています。また、振付助手の経験から何が役者に求められるか、それらも指導して行きます。
まだコロナのためにお互い触れる事は禁止なので、リフトやワルツなどもできませんが宮廷のダンスなども指導できたらと思っています。もちろんジャズダンスの中に入れるのですが、これはどうやってやるかは秘密です。:)

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演劇学校

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演劇学校

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演劇学校

難しいのは講師として「セクシャルハラスメント」の講義をジェンダーについても受けなくてはならず受講したのですが、今までは「男性は右に女性は左に」とスタジオで言えましたが、これはいけないそうです。「現在自分はジェンダーが男性の人は右に。男性と呼ばれた生徒は右に」などと言うそうです。差別用語にならないように、男性として産まれても自分は女性です、と言う方、または性別を決めたくない方などいますので、講師陣の呼び方も変えないといけないそうです。そうしないとセクシャルハラスメントに入ります。他にもパワーを表す言葉を使用もダメなどたくさんありますが、相手が不快にならないように話す、と言うことに気を使っています。

メールの最後に名前を書きますが、そこにもどう呼ばれたいかを書くのがアメリカ、イギリスも普通になってきました。例えば「Mami Tomotani/ She/her/hers」と書きます。ここを女性として生まれてもジェンダーを男性と呼んで欲しい方は(He/Him)と入れます。
数年前から始まっていましたが、あまり気にしていなかったのですが、少しずつ身近になって来ています。こうしたことで、自分というのを女性、男性のふたつだけでなく表せるのは嬉しいでしょうね。

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セントラルパーク

話は変わりますが、初めて夏のセントラルパークの野外劇場でシェークスピアの『陽気な女房達』を観劇しました! パンデミックから私の最初のNYでの観劇になります。
現代風にアレンジされていて、サウスハーレムのアフリカ系移民コミュニティに置き換えてのコメディーでテンポもよく、衣装もカラフルで森のシーンではセットが左右に分かれて、後ろの公園の大きな木が現れ、というかそこにある自然の木ですよね。その木に照明を照らし、観客も気持ちがワーとアップしました。とても幻想的でもあり夏の野外劇場ならでした。
観客はマスク着用、ワクチン接種証明を提示しないと入れませんでした。
ブロードウェイも同じです。いつまでワクチン接収証明提示か分かりませんが、みんな「ブラボー!」など大声で笑って観劇していました。
陽性の方が出ても大きなニュースにならず対処しているのはダンススタジオもそうですが、今後ブロードウェイではどうするのかな?と思っています。

皆様もお気をつけながら芸術の秋を満喫されてください♪

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セントラルパーク

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セントラルパーク

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

福岡シティ川添バレエ学苑、三ノ上万由美バレエスタジオでバレエを黒田バレエスクールにてコンテンポラリーダンスを学ぶ。
15歳で劇団四季に合格し、ミュージカルで活躍後、英国マシュー・ボーンのニュー・アドヴェンチャーズに日本人で初めて入団。『くるみ割り人形』では主役クララを演じ、『エドワード・シザーハンズ』『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)『白鳥の湖』『ザ・カー・マン』『眠りの森の美女』に出演。
現在は、マシュー・ボーンのインターナショナルツアーの「前座公演」振付、指導を担当。『ドリアン・グレイ』日本公演のリハーサルアシスタントも経験した。また、振付家としてN.Yの全米No.1のミュージカル『フェーム』のモデルにもなったラガーディア芸術高校で『サウンド・オブ・ミュージック』や芝居の振付で活躍中。ピッツバーグ大学の『Zanna Don't!』振付やコンテンポラリーのコンクール作品振付では、N.YのHariyama Balletの2名のダンサー達が銀賞を受賞。
ブロードウェイミュージカルを学ぶN.Y のプログラム「ブロードウェイ・エクスペリエンス」(TBE)のアシスタント・ディレクター。N.YのHariyama Ballet、ジョフリーバレエでコンテンポラリー、シアターダンスを指導、カーネギー・メロン大学、プリンストン大学など 全米、日本でワークショップを開催している。
チャコットのウエブマガジンDance Cubeに「私の踊りある記」連載中。
その他出演作品は『王様と私 』(ロイヤルアルバートホール)、 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』、スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』。 オーストリア、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどのコンテンポラリー作品。
WEBサイト https://www.mamitomotani.com/
Twitter @mamitomotani
踊りある記 https://www.chacott-jp.com/news/column/usa/
TBE https://www.thebroadwayexperience.com/tokyo

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