NYで有名なダンススタジオ「ステップス」でマシュー・ボーンのワークショップを行いました!

NYで有名なダンススタジオ「ステップス」でマシュー・ボーンのワークショップを行いました!
昔、初めてNYに行った時にダンスを習ったことのあるスタジオで自分が指導するとは思ってもいませんでした。

3回のワークショップを開催したのですが、1回目はニーナとポールの『Swan Lake』。2回目は私とポールの『くるみ割り人形』。3回目はポールの『ロミオ+ジュリエット』でした。
私たちが担当する『くるみ割り人形』は、時期的に受講者に興味を持たれないのではないか?と心配していましたが、とんでもない! たくさんのプロの方たちが受けに来てくださいました。
現在ブロードウェイに出演しているメンバーも公演前に受けに来てくれました! 元々プロのためのワークショップということだったので『くるみ割り人形』は2幕のリキッドダンスを花のワルツの音楽でお互いのスイーツを舐める、というマシューならではのペアダンスにしました。リーフレットには「今年の冬の作品は"くるみ割り人形"でオーディションを兼ねています」と書いていましたので、皆さんオーディションのつもりでいらしていました。もちろん、気になったダンサーたちは私とポールからエタには伝えました。

マシューのユニークなジョークも入っている踊りなので、それぞれにどんなスイーツか想像をしてもらい、そのスイーツのままで歩くと、どうなるかもそれぞれで創作してもらい、そこから指導してペアダンスに入ってもらいました。
面白いというか、違う文化だな、と思ったのは、毎回私とポールがデモンストレーションをすると皆さんから拍手をもらいます。:)これはイギリスでも日本でもないですよね。独特なブロードウェイの人たちの受け方ですね(笑)。ポールも私も3回目などは本気に踊らず、どういう風にお互い交差するかを指導していたのですが、それでも拍手をもらったのでポールも笑っていました。
お互い生クリームを手でとるように相手の体に触れ、触れられたらそれを喜ぶ演技も入っているので、かなり面白いダンスナンバーになりました。
私のインスタグラムに動画があるので、是非見てみてください。動画には、他の2回のワークショップもミックスされています。
@happymamitomotani3 です。

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エタとサイモン、カンパニーの日本人女性達。まりとしょうこ

そして、エタとポールと私と3人で4時間もあるシティ・センター劇場でのワークショップもしました。こちらも凄かったです! エタがリードして、カンパニーのウォーミングアップを経験してもらい、その後は『Swan Lake』の2幕のジャンプが多い箇所を指導し、私は途中の「オーディション部門」と私たちが呼ぶダンスを指導しました。いつも『Swan Lake』のオーディションでは、この箇所を踊ってもらうのでそう呼びます。ただ踊るのではなくエタが構成も伝えて舞台並みに踊ってもらいます。

その後はポールと私で『くるみ割り人形』の1幕の子供たちのメディカルダンスを指導しました。こちらは、スワンと違いシャープな動き+ジェスチャーです。このメディカルダンスでは病院に行く理由を決めるというクリエイティブなことをしてもらいそこから色々とコネクションしてダンスに持っていきました。

最後は新作の『ロミオ+ジュリエット』です。これは激しく、床の動きも多く、でもあの有名な音楽とぴったりでした。
私は前で見ていて〈可哀そうに最後に激しい踊りをさせられて〉と思わず同情して見ていました・・・。もちろん受講者の方は必死に覚えて踊っていて終わった後には立てなくなっていましたが満足されていました。
ムーラン・ルージュに出演しているダンサーは、途中で本番があるので抜けると言っていたのですが、あまりにもワークショップが面白くて、最後までいて受けられて、とうとう本番は休んだそうです・・・
。スイングの方がいてこういうのは有りなのでしょうか?外国ならではの話ですよね。

私は、これらのワークショップ以外にカンパニークラスも2回指導しました。
1回目はコンテンポラリークラスです。20年前に『SWAN LAKE』に出演していたのでどんな動きのウォーミングアップが必要かわかるのでやりやすかったです。アダージオも入れてあげました。主役をするマシュー・ボールもアダージオの時は一番前にきて「左もやろう」という仕草でリードしていました。ウィルもジャンプではリードしていましたね。マックスも最後まで受けてくれました。
マシュー・ボーンが最後の方を見学していて終わってから挨拶に行くと「面白そうなクラスだったね」と言ってくれました。

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2回目は、カンパニーのウォーミングアップに私の恒例のシアターダンスを入れました。45分のコンテのウォーミングアップで最後の15分だけシアターダンスです。これはずっと同じ舞台をしているメンバーには好評で、皆はち切れんばかりに踊りとても楽しそうです!
今回はTV番組の「スマッシュ」からマンボをしました。女性陣も素敵でしたよ。

日本のカンパニークラスでも指導してみたいですね。劇団四季があるのは知っていますが、他のカンパニーの舞台もウォーミングアップはあるのでしょうか?

マシューのカンパニーですが映画でも有名な『赤い靴』がいよいよ日本に来ますよ! セット、衣装ととてもゴージャスな作品です。あの時代のポワントのバレエシーンもあります。是非観に行かれてください。
『赤い靴』日本公演ウェブサイト
https://horipro-stage.jp/stage/redshoes2020/

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インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

福岡シティ川添バレエ学苑、三ノ上万由美バレエスタジオでバレエを黒田バレエスクールにてコンテンポラリーダンスを学ぶ。
15歳で劇団四季に合格し、ミュージカルで活躍後、英国マシュー・ボーンのニュー・アドヴェンチャーズに日本人で初めて入団。『くるみ割り人形』では主役クララを演じ、『エドワード・シザーハンズ』『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)『白鳥の湖』『ザ・カー・マン』『眠りの森の美女』に出演。
現在は、マシュー・ボーンのインターナショナルツアーの「前座公演」振付、指導を担当。『ドリアン・グレイ』日本公演のリハーサルアシスタントも経験した。また、振付家としてN.Yの全米No.1のミュージカル『フェーム』のモデルにもなったラガーディア芸術高校で『サウンド・オブ・ミュージック』や芝居の振付で活躍中。ピッツバーグ大学の『Zanna Don't!』振付やコンテンポラリーのコンクール作品振付では、N.YのHariyama Balletの2名のダンサー達が銀賞を受賞。
ブロードウェイミュージカルを学ぶN.Y のプログラム「ブロードウェイ・エクスペリエンス」(TBE)のアシスタント・ディレクター。N.YのHariyama Ballet、ジョフリーバレエでコンテンポラリー、シアターダンスを指導、カーネギー・メロン大学、プリンストン大学など 全米、日本でワークショップを開催している。
チャコットのウエブマガジンDance Cubeに「私の踊りある記」連載中。
その他出演作品は『王様と私 』(ロイヤルアルバートホール)、 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』、スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』。 オーストリア、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどのコンテンポラリー作品。
Twitter @mamitomotani
踊りある記 https://www.chacott-jp.com/news/column/usa/
TBE https://www.thebroadwayexperience.com/tokyo

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