9月にエミー賞の授賞式がNYで開催されましたね。

9月にエミー賞の授賞式がNYで開催されましたね。
Jharrel Jerome(ジャレル・ジェローム)が『ボクらを見る目』で見事主演男優賞を受賞しました!
ジェロームはTBE(ブロードウェイミュージカルを学ぶプログラム)の受講者です! 彼は以前にもアカデミー賞を受賞した『ムーンライト』にも出演していました。本当に嬉しいです!!

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エミー賞を受賞したJharrel Jerome

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彼はTBEのスタジオパフォーマンス『リトルマーメイド』と『クレイジーフォー・ユー』に出演したのですが、高校生の時の彼の持っているとても明るいエネルギーでセバスチャンを演じ、彼にラップで歌ってもらいました。TBEのフェイスブックページに行くとその時のビデオがありますよ。
ベンと私で2曲振付した『クレイジーフォー・ユー』では、ジミーを演じてもらいました。ダンスは必死についてきていたのを覚えています。いつかミュージカル映画にも出演するかもしれませんね。

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ジェロームも受講したTBE(中央)

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ジェロームも受講したTBE(右端)

彼の学校、ミュージカル『フェーム』のモデルとなったラガーディア芸術学校は、私もドラマ科のダンス指導を3年し、その後は卒業公演や学校のミュージカル公演の振付に参加しています。ダンス科の方は、マシュー・ボーンのワークショップで2回アランと指導に行きました。ドラマ科にもワークショップをしマシューも見にきてくれましたが、とにかくドラマ科の演技のレベルが高いです! 
生徒たちは卒業後にテレビ、映画はもちろん、ミュージカルでも大活躍です。音楽科の方もジュリアードに行き、その後、活躍している生徒がたくさんいます。ダンス科はミュージカル、コンテンポラリーで活躍していますね。ダンスの生徒がこの学校で演技科に入り、ダンスは自分の習っているスタジオでというやり方はとっても賢いと思います。ダンサーだけではなく、テレビや映画俳優としての道も開けますからね。もちろん、ダンスにもとても役に立っていると思います。
この高校に入るには、ニューヨークに住んでいないといけないので、日本や外国からもそのためにお母親と子供だけが引っ越して、父親は自国で頑張って働きながら仕送りをする、というパターンの方たちもいます。
ラガーディア芸術高校卒業生で最近の活躍している生徒は、ジェローム以外に、『ビューティフルボーイ』主演のティモシー・シャラメがいます。この作品で彼はアカデミー賞の助演男優賞ノミネート、『君の名前で僕を呼んで』ではアカデミー主演男優賞にノミネートされました。彼が高校のドラマ科の生徒だけでのミュージカル『キャバレー』に主演をし、TBEのディレクターベンが振付担当だったので、紹介されました。その時に話しましたが、高校生でも、とても華があったのを覚えています。でも、この時のもう一人の主役も凄かったので、この子は大学卒業後にどこかで活躍するでしょうね。

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ティモシー・シャラメ

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Ansel Elgort

Ansel Elgortも大活躍で、今度のスティーブン・スピルバーグ監督映画『ウエスト・サイド・ストーリー』で主役のトニーを演じます。彼は、ドラマ科だけのではなく、全校生徒たちがオーディションを受ける(ドラマ科、ダンス科、ヴォーカル科、楽器科)1年に1回ある学校の大きなミュージカル公演で、TBEで演技担当のハリー先生とTBEディレクターのベンが振付した『ガイズ&ドールズ』に出演していました。
Micaela Diamondは、ブロードウェイ・ミュージカルの新作『シェール』でベービー(シェールの若い頃)に大抜擢され、今後もミュージカルで活躍することと思います。私は、彼女がジュニア生の時にダンス指導をしました。彼女はダンスが上手なので、ドラマ科で演技を学び、ダンスの苦手な他の生徒を引っ張っていたのを覚えています。Micaela Diamondはジュニア生の時から学校のミュージカルで主演をしていました。普通は、シニア生が主役を掴むのですが、彼女は歌も素晴らしかったので。

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Micaela Diamond

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Micaela Diamond「シェール」のプログラム(右端)

他にも私がラガーディア芸術学校のミュージカルで振付した『サウンド・オブ・ミュージック』の出演者たちも芸達者なので、大学を卒業した後にこれからどんどんスクリーンやブロードウェイに出てくるでしょうね。ミカエラやティモシーのように高校卒業後に活躍する子たちもいますが、まだ大学に通ってチャンスを待っている子たちがたくさんいます。

このラガーディア芸術学校の演技の先生たちは素晴らしいです! この中でドンのような存在だったハリー先生が定年退職をされ、昨年からTBEに参加してくださっています! この春、大阪で開催されるTBEでも参加して頂きます。「踊りある記」読者のバレエの皆さんもぜひ参加されて学ばれるともっと演技の幅が広がり、役作りの考え方も学べると思います。アダルト3日コースも始まります。
私も毎年ニューヨークやマシュー・ボーンのワークショップで指導していますが、若い生徒たちにいろいろと刺激を受け学び進化しています。ベンも映画作りを始めたので、もっともっと生徒たちの将来のためにプログラムを充実しようとしています。1年に1回の開催です。宿泊、食事は選べます。お申し込みは下記のウエブサイトからどうぞ。
11月末まで申し込まれると割引があります。

https://www.thebroadwayexperience.com/japan
日本語お問い合わせ先:tbetokyo@gmail.com
次回は、ダンサーの怪我について話しますね。芸術の秋を楽しんでください!

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

福岡シティ川添バレエ学苑、三ノ上万由美バレエスタジオでバレエを黒田バレエスクールにてコンテンポラリーダンスを学ぶ。
15歳で劇団四季に合格し、ミュージカルで活躍後、英国マシュー・ボーンのニュー・アドヴェンチャーズに日本人で初めて入団。『くるみ割り人形』では主役クララを演じ、『エドワード・シザーハンズ』『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)『白鳥の湖』『ザ・カー・マン』『眠りの森の美女』に出演。
現在は、マシュー・ボーンのインターナショナルツアーの「前座公演」振付、指導を担当。『ドリアン・グレイ』日本公演のリハーサルアシスタントも経験した。また、振付家としてN.Yの全米No.1のミュージカル『フェーム』のモデルにもなったラガーディア芸術高校で『サウンド・オブ・ミュージック』や芝居の振付で活躍中。ピッツバーグ大学の『Zanna Don't!』振付やコンテンポラリーのコンクール作品振付では、N.YのHariyama Balletの2名のダンサー達が銀賞を受賞。
ブロードウェイミュージカルを学ぶN.Y のプログラム「ブロードウェイ・エクスペリエンス」(TBE)のアシスタント・ディレクター。N.YのHariyama Ballet、ジョフリーバレエでコンテンポラリー、シアターダンスを指導、カーネギー・メロン大学、プリンストン大学など 全米、日本でワークショップを開催している。
チャコットのウエブマガジンDance Cubeに「私の踊りある記」連載中。
その他出演作品は『王様と私 』(ロイヤルアルバートホール)、 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』、スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』。 オーストリア、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどのコンテンポラリー作品。
Twitter @mamitomotani
踊りある記 https://www.chacott-jp.com/news/column/usa/
TBE https://www.thebroadwayexperience.com/tokyo

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