ブロードウェイミュージカル『ビートルジュース』のオープニングに行きました。

皆さんは、映画の『ビートルジュース』を見たことはありますか? ティム・バートン監督で、マイケル・キートン主演、アレック・ボールドウィン、ジーナ・デーヴィス、ウィノナ・ライダーなどが出演している、ブラックコメディというのでしょうか、ホラーコメディというのでしょうか、とにかく独特な世界の映画です。
私は、昔見た時にこのビートルジュースのキャラクターが面白くて、幽霊の世界に行けていない二人と一人の女の子の関わりも面白かったのを覚えていますが、実は、ビートルジュースが話している所々は意味がわからなかったのも覚えています。
最近、アメリカのテレビの再放送を見て、英語で見るとジョークの意味がもっと分かり、やっぱりこれは面白いな!と思いました。
マシューのカンパニーのアランが、この作品をダンス作品にしたいと以前話していたのを思い出しました。アランがディレクターとして作りたかったそうです。

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私は、まずは昨年ワシントンDCで試験的に上演されていたミュージカル『ビートルジュース』を観ていたので、ブロードウェイでどう変更されたかを観るのがとても楽しみでした。
かなり、曲は変更されていました! DCでは覚えていない曲も、ブロードウェイではリピートしたり、カットされたりとスッキリしていました。
主演の女の子を演じているSophia Anne Carusoさんも、ポップな歌を歌うのが昨年の9月は大変そうでしたが、今回は見せ場として何曲もティーンエイジャーの気持ちを堂々と歌っていました。
DCでは、ブロンドだったのですが、ブロードウェイでは、やはり映画のように黒髪になっていました。
流石なのは、主演のビートルジュースです! 最初から凄いジョークを飛ばして、お客さんとコミュニケーションを取り、とにかく厄介なキャラクターを前に出して、観客は大笑いでした!
DCでは、テレビでは使用できない悪い言葉や神に対してのジョーク、死の世界の言葉をたくさん言うので、子供づれや宗教を信じている方は上演中に帰って行ったということを聞きました。
そこまで言うか! と言うところが大人の観客には受けていたのですが、ブロードウェイのために、それらのセリフはカットされたり、替わっていました。家族連れ、信者の方も観に来てもらうためですね。なんとなく残念です・・・舞台は何でも言える世界なので、観客数を増やすために変更されるのは?
でもビジネスなのでしょうね。
この主演のAlex Brightmanは、『School of Rock』でも主演された方でとても良かったです! セットや小道具が上手く行かない時は、観客を即興で笑わせる時もあるそうです。DCのパーティでも最後は、ウエイターになりすましておつまみのトレイを持って、歩き回っていました(笑)

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朝の全米ネットの有名なテレビ番組で『ビートルジュース』が紹介され、この最初の「死」についてのジョークも飛ばすナンバーを彼が歌ったのですが、思わず田舎や中部の全米の人たちがこれを観て、びっくりしているのをイメージしてもっと笑ってしまいました。
このAlex凄いです! 遊びがあり、その時その時の観客で対応し、観客が引いてしまうとそれまでも笑いにしてしまいます。

新しいシーンがたくさんあったのですが、それはカットされていました。それよりももっと映画に忠実になった感じです。
観客も映画のキャラクターが出てくると拍手でお喜びです。あの有名なディナーテーブルの「Jump in The Line」の歌の時は待ってました! と観客も歌い出しました! 私もその一人でしたが(♬)
とにかくスピードがあり、誰でも楽しめるハズレがない作品です。

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最後に私の友人田口一枝(ガラスアーティスト)さんから誘われて、デヴィ夫人が名誉会長を務められているイブラ音楽財団の「IBLA Grand Concert」へ行ってきました。出演者の加藤万里奈さんは、世界一の口笛演奏者でその世界では初めてのカーネギーホールでの出演となりました。立ち姿から凛として美しく「魔笛」から"夜の女王"を口笛だけで演奏され素晴らしかったです。
凄い深い呼吸と支えで練習はどんな風にされているのかな? ヴォーカルトレーニングと同じなのかな? などいろいろと興味を持ちました。
このコンサートはいろんな方が違う曲目を演奏され、ピアノ演奏者、バイオリン演奏者、オペラ歌手などバラエティに富んでいて、最後までとても面白かったです。
久しぶりにクラシックを聴き気持ちがとても良く、あー、長年愛された名曲は流石に素晴らしいなと再確認できました。感謝です。

そしてデビ夫人の綺麗なこと!
手違いでチケットが窓口に無く私たちが困惑してた時に、夫人は素晴らしいドレスを着ていらっしゃったのに、会場の人に対応しに入口まで出てきてくださりとても優しかったです。凄い方にも出会えてとてもラッキーでした。ありがとうございました!

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インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

福岡シティ川添バレエ学苑、三ノ上万由美バレエスタジオでバレエを黒田バレエスクールにてコンテンポラリーダンスを学ぶ。
15歳で劇団四季に合格し、ミュージカルで活躍後、英国マシュー・ボーンのニュー・アドヴェンチャーズに日本人で初めて入団。『くるみ割り人形』では主役クララを演じ、『エドワード・シザーハンズ』『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)『白鳥の湖』『ザ・カー・マン』『眠りの森の美女』に出演。
現在は、マシュー・ボーンのインターナショナルツアーの「前座公演」振付、指導を担当。『ドリアン・グレイ』日本公演のリハーサルアシスタントも経験した。また、振付家としてN.Yの全米No.1のミュージカル『フェーム』のモデルにもなったラガーディア芸術高校で『サウンド・オブ・ミュージック』や芝居の振付で活躍中。ピッツバーグ大学の『Zanna Don't!』振付やコンテンポラリーのコンクール作品振付では、N.YのHariyama Balletの2名のダンサー達が銀賞を受賞。
ブロードウェイミュージカルを学ぶN.Y のプログラム「ブロードウェイ・エクスペリエンス」(TBE)のアシスタント・ディレクター。N.YのHariyama Ballet、ジョフリーバレエでコンテンポラリー、シアターダンスを指導、カーネギー・メロン大学、プリンストン大学など 全米、日本でワークショップを開催している。
チャコットのウエブマガジンDance Cubeに「私の踊りある記」連載中。
その他出演作品は『王様と私 』(ロイヤルアルバートホール)、 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』、スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』。 オーストリア、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどのコンテンポラリー作品。
Twitter @mamitomotani
踊りある記 https://www.chacott-jp.com/news/column/usa/
TBE https://www.thebroadwayexperience.com/tokyo

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