外国で仕事をするのもとても大変です。

最も難しいのは、当たり前ですが語学です。
リハーサルでは、言葉の理解力が不足していると大変なのです。カンパニー側としては、一応オーデイションを通過しているので、言葉は理解していると思っています。
私の場合は、学校で英語を学んでから何年も後にイギリスに渡ったので、挨拶程度の英語力しかありませんでした。そんな具合ですから、リハーサルではアンテナをたくさん張って相手が何を言っているのかとらえますが、夕方の6時頃には頭脳、集中力の方もくたくたになってしまいます。
最初の頃はパブに誘われても、「英語を理解するエネルギーがない」と断っていました。慣れてくると、アルコールが入った方が良く理解できると分かりましたが!

リハーサルではカンパニー側も私の英語力なんて忘れているし、しかも「SWAN LAKE」の時より英語が中途半端に上達しているのでこれまたとても大変なのです。
私のダイレクター、マシューが「次はこの場面から」と言って、みんながスタンバイする時、一人解らずスタジオのど真ん中にぽつんと立っていた事もありました。
同時に二つの役を覚えなければいけない時、一つの役の交通(舞台で大勢が同時に移動すること)を聞いている時にもう一つの役はどういう交通か目の端で、捉え後でトライします。でも英語だと一つの事を聞くのに必死なのでもう片方の事柄を同時に理解することはなかなか難しいのです。
こんなことは日本語のリハーサルではありえなかったので自分が情けなくなることは何回もあります。ダメだしも分からない時は、後でもう一度個人的に聞きに行きます

本番前にボードにダメだしが張られる時は、早く張り出されたら辞書を片手に訳しますが、ぎりぎりに張り出された時は、近くにいるダンサーに私が関係しているところだけ、読んで。と頼んでいます。

カンパニークラスを教えないか、といつも言われますが母国語が違うし、本番やリハーサルに集中力をとっておきたいので、今までは断っていました。
が、いよいよそのときが来ました。6月から始まるPWW(プレイ ウイズアウト ワーズ)のカンパニークラスの教えです。でも、よく考えれば外国のツアーでは教師がその国の母国語で私たちに教えてくれていたのですよね。
ということは日本語でもいいのですよね!
、、、、、、分かっています。英語でがんばります。

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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