オーストリアはとても美しい国です。

AMPの「SWAN LAKE」が終了した後、私はオーストリアのリンツ州立劇場「バレエ・リンツ」のオーデションに受かり入団しました。

オーストリアはとても美しい国です。
オーストリアで3番目に大きなリンツは、またメルヘンチックなかわいい州でした。
イギリスのAMP,NEW ADVENTURESは、作品契約でその作品のリハーサルと上演している期間だけの契約ですが、オーストリアの「バレエ・リンツ」は州立劇場所属なのできちんと1年契約でした。住む場所も用意されており(もちろん家賃は払いますがとても安いです。社宅みたいなものです。)そこにはリンツ州立劇場で働いているオペラ歌手や有名なブルックナー・オーケストラの方達もいます。
カンパニーのディレクターはイギリス人でした。フォーサイスのカンパニーでプリンシパルだったRobert Poolです。ダンサーは多国籍でしたので会話はすべて英語です。
それに今回は日本人のダンサー兼ダンスキャプテンの秋谷悦子さん(エッチャンと呼んでいます。)がいましたので日本語もOKでとても助かりました。
エッチャンはドイツ語が話せ、ダンスも空気の様にソフトでとても美しい踊りをします。現在はドイツのデュッセルドルフとエッセンにてダンサー兼教師をしています。あと彼女はGelsenkirchen劇場でも教えています。

リンツの街角

リンツの街角

彼女が州立劇場で働いている日本人のオペラ歌手や指揮者、ブルックナーオーケストラの方達との食事に連れて行ってくれた時は、いろいろ興味深い話や面白い話が聞けました。それは、ドイツ人の指揮者が4拍子の指揮しかしなかったことや、指揮者によって上演時間が5分も短く終わったこと、コーラスやオーケストラの組合は強いので、リハーサルが予定通り終わらなくても、終了時間になったら途中でも、席を立って帰って行く事など、また日本のドラマのことでも盛り上がりました。外国で働いていると、こういう日本語で色々な話ができるのはとても良いストレス解消です。エッチャンともよく2本以上!のワインとチーズで話していました。

この国の言葉はオーストリア訛りのドイツ語です。スペイン人のダンサーとレストランに行った時、ドイツ語が分からないので、二人で目をつぶってメニュー表を指でさし、そこに書いている物を頼んでいました。(なぜか失敗した事はありません。)
私が必要に迫られて覚えたドイツ語は、「シロビールを一つお願い。」と挨拶の言葉だけです。トイレに女性、男性のドイツ語の頭文字のイニシャルがドアにありましたが私はいつも覚えられず、「えいっ!」と開けて中に入っている人を確認してそのままドアを閉めるか、入っていくかの判断をしていました。

この国の日曜日は(宗教の関係で)カフェが開いているぐらいで、お店は閉まっていました。
他の国から送られてきた荷物(郵便物)は全部あけて調べられる。という厳しい面も持っています。

私たちは公務員みたいなものなので、ちゃんとした保険も有り、お給料も毎月きちっと支払われるので安定という意味ではとても良かったです。ドイツ圏の劇場では女性が契約中に妊娠すると劇場はその女性を解雇できず、本人が辞めるまで雇わないといけない保証もあるそうです。実際、不思議なおばさんがカンパニークラスをときーどき受けに来ていました。エッチャンに聞くとその方は、以前、契約中に妊娠し、そのまま未だ籍があるので(劇場が解雇できないので)、受けに来ているということでした。
劇場所属ですと他の芸術家の方達とも交流ができるので又違ったおもしろさがありました。日本にもそれぞれの県に、こういう劇場があるといいですね。

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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