バレエ・リンツ・カンパニーは、年に3回ほど新作を創っていました。

本番の月は週に2、3回ぐらいで、当日、チケットの売れ行きが悪いと公演はキャンセルになりました。
私たちが公演をしていない時は、オペラや芝居などが上演されており、私も時々、オペラやオペレッタを観に行っていました。

さて、リハーサルですがその作品によって違いますが、ディレクターから資料となる本や絵などを渡され、インプロバイゼーション(即興)の指示がでます。
例えば、幾何学的な作品の時、私は四角を使ってのインプロをエッちゃんは円。
私は体の色々な部分を使って四角を描たり、四角から私が想像した動きを創ります。それぞれのインプロを見て、ディレクターが「その動きのままセンターへ来て。」と位置や、「エツコはゆっくり、マミは早く。」と早さなどを指示します。そうやって一つの場面を創る時もありますが、ディレクターが動いて振りを見せてくれたのを覚え、自分なりに色をつけるときもあります。
ほとんど、カウントはありません。何回かやっていくうちに自然と同じタイミングで終わるようになるのが不思議です。ユニゾンの場面はカウントがないので、リーダーが「シッ」や「ゴー」など小さい声で合図をします。この合図は振付家やカンパニーによって言葉が違いおもしろいです。
合図の後は、みんなで呼吸を合わせて踊ります。最初はカウントがないのに違和感がありましたが、全員が一つになった時は本当に気持ちがいいです。

Photo:Mami Tomotani

そして、これがなかなか合わない場合もあります。私とドイツ人の女性のデュエットの時、それもコンタクト・インプロバイゼーションで(お互いの体を利用してのデュエットと言えばいいのでしょうか?)私は大雑把でどちらかというとアクシデントを楽しむ方ですが、相手は几帳面で毎回同じに踊らないとだめ。という組み合わせです。
例えば、私の腕が彼女の腕にコンタクトがあって彼女の腕が動くという時、毎回、彼女の決まった腕の部分に私のそれも決まった腕の部分があたらないと彼女はいやで、少しでも違うとストップされます。エッちゃんが両方の踊りの性格を知っているので、もめている私たちを横目に「どうして、この二人をいつも組ませるのかな?」と笑っていました。
私はリンツのカンパニーの後、AMPの『カー・マン』に出る事になりましたが、このリンツでたくさんの事を学びました。また一つ、ダンス・ボキャブラリーが増えた感じです。そして、ピュアなコンテンポラリー・ダンスも好きですが、芝居があってのダンスをやりたい、と再確認できたのも良かったです。

追記
先月、チャコットさんでワークショップをしました。
私がPWWで教えたカンパニー・クラスでは、男性が多いクラスだったので(女性の方がまじめで男性はあまり受けないので、珍しいといわれましたが。)女性がいっぱいな雰囲気は、雨の日に光が射したようで華やかでした。(この日は大雨でした。)
色々なジャンルのダンサーのたちが受けに来てくださり、「自由な表現」を楽しむ人、カウントがきっちりしている方を楽しむ人と、様々なダンサー達との出会いがあり、私の方も面白かったです。
ありがとうございました。

Photo:Mami Tomotani

チャコットカルチャースクール
友谷真実ワークショップ

Photo:Mami Tomotani

チャコットカルチャースクール
友谷真実ワークショップ

Photo:Mami Tomotani

チャコットカルチャースクール
友谷真実ワークショップ

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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