ミュージカル『オペラ座の怪人』25周年記念公演

ミュージカル『オペラ座の怪人』25周年記念公演がロンドンのロイヤル・アルバートホールでありました。
ロイヤル・アルバートホールというと、私も『King and I』で出演しましたが、とても美しい格調のある大きな劇場です。
この記念公演に同じロンドンのウエストエンドで日本人として初めて『オペラ座の怪人』のバレリーナ役に起用された、樋笠(ヒカサ)あゆみさんが招待を受けて観に行かれました。樋笠さんは現在、ダンスワークス(ロンドンにあるダンスのオープンクラス)で教えていらっしゃいます。

Photo:Mami Tomotani

まずは、土曜日のドレスリハーサルにあゆみさんのお嬢さん二人、 美里依ちゃんと舞耶ちゃん(二人とも『King and I』に私と一緒に出演しました)と観に行かれたそうですが、舞台裏の関係で1幕だけの通しで終わったので、子供たちは、2幕は(最後の公演を)映画館で生中継の上映を観たそうです。
ロイヤル・アルバートホールは『King and I』の様に、楕円形の劇場としても使用出来るので、そのように使われるのかとあゆみさんも思っていたそうですが、そのまま普通の劇場用の演出だったので、観ていて舞台が狭かったそうです。特に、最初のシーンは6人と多めにダンサーが出演したりしていたからでしょうね。
2幕の「マスカレード」では、同じ衣装がすべて3組ずつ。モンキーの楽隊グループも3組です。(ちなみに、私も劇団四季でこのモンキーを踊ったことがあります)1幕のスレーブマスター(ムチを持って踊る男性)には、特別にロイヤルバレエ団のプリンシパル、セルゲイ・ポルーニンが踊り、記念公演のための特別な振付で、豪華だったそうです。
鏡のシーンはスクリーンに映し出されて素敵だったけど、ろうそくのシーンもスクリーンだったみたいで、ロイヤル・アルバートホールをたくさんのろうそくで飾られていたら、素敵な世界を演出できたのに・・・・これは、残念ですね。

Photo:Mami Tomotani

最後に、オリジナルのクリスティーンを演じられた日本でも有名なサラ・ブライトマンが歴代のファントムを演じた4人の方と歌い、オリジナルのファントム、マイケル・クロフォードも最後に熱唱され、盛り上がって25周年を祝った公演となったそうです。 ちなみに、チケットは1番良い席で250ポンド(約3万円)良く見えない悪い席でも45ポンドで発売してすぐに完売しました。日本からもたくさんのファン方たちが観に行かれたみたいですね。
その後のパーティーは、ロンドン自然史博物館で行われ、あゆみさんも懐かしい出演者たちと久しぶりの再開を楽しまれたそうです。

私が『オペラ座の怪人』を最初に観た時は、劇団四季の旅公演から帰って来て立ったまま観た覚えがあり、(その頃は入団したばかりの10代)とても大人の作品で、立っているのがきつくて、興味が湧かなかったのを覚えています。
でも、その後出演依頼の電話があり、急いでリハーサルをして4日後に出演しました。振りは覚えが早いので大丈夫ですが、歌が大変で、(今と違って『オペラ座の怪人』が日本で始まったばかりで)どんなシーンがあるかも知らず、歌も聞いたことがなく、最初は立ち見で「早くお家に帰って座りたい」と思いながらの1回だけだったので・・・
ダンスのリハーサル以外は、台本を何度も読み、音楽を聞いていました。 寝ている間も「マスカレード」がずっと流れていたのを覚えています・・・
この作品は、バレエのシーンもあり、衣装が素敵で、たくさんのオペラ歌手の皆さんと共演できたのは、良い思い出です。
余談ですが、大阪の近鉄公演では、日曜の公演が終わると新幹線で一人で東京に帰り、月曜日はNHK通信高等学校に行き1日授業を受け、その日の夜か次の日の朝に大阪に戻り、8回公演をしていました・・・17歳か18歳でした。周りの助けもあり(宿題をしてもらったり!)無事高校を卒業しました!本当に感謝です。
そして、大人になって初めて『オペラ座の怪人』を観て感動し、「あーやっと、私もこの作品に感動した人の気持ちが解る!」と、そのことにも感動しました。やはり、音楽はすばらしいです! 英語が少し解る今、英語の歌詞でも観てみたいですね。今観るとどう感じるのでしょうかね? そう思えるのはロングランの良い所でもあります!

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

樋笠あゆみさん(右)

樋笠あゆみさん(右)

美里依ちゃんと私

美里依ちゃんと私

ロイヤル・アルバートホールで美里依ちゃんと舞耶ちゃんと

ロイヤル・アルバートホールで美里依ちゃんと舞耶ちゃんと

ロンドンに在住している、日本人パフォーマーは、必ずといっていいほどあゆみさんのクラスを受けてお世話になっています! そのあゆみさんの情報を載せさせてもらいます。ロンドンに行くことがあれば、クラスを受けてみてくださいね!

*毎週金曜日にダンスワークスでオープンクラス。11時30ー13時
*ランベールバレエ・アンド・コンテンポラリースクール(Rambert ballet and contemporary dance school)www.rambertschool.org.uk のコーチング教師 兼、毎年開催される学校の日本でのオーディションバレエ教師。来年度の生徒募集のためのオーディションは、2012年2月11日、12日にアーキタンツで行われます。
*日本人アダルトバレエクラス主催。ダンスワークスで。毎週水・金 ターム制 直接あゆみさんにご連絡ください。
樋笠(ヒカサ)あゆみ www.hikasa.co.uk

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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