シルク・ドゥ・ソレイユの『サルティンバンコ』の本番とバックステージを観ました!

マシュー・ボーンのカンパニーで、恋人役から夫婦役まで一緒に演じていた友人が『サルティンバンコ』のアシスタント・アーティストディレクターなので、バックステージも本番中、見学させてもらいました。
今回は、テントを使ってではなく、アリーナを使って1週間ずつアメリカのいろいろな州や国を回っているツアー公演です。ピッツバーグ大学のアリーナは、あまり広くないので、バックステージも狭いほうだと言っていました。

本番20分前から出演者のみなさんと一緒にいましたが、まー、良く話しかけてくること。集中しなければいけないのではないかと思って遠慮していたのでしたが、出番ぎりぎりまで、あるいは終わってすぐに話しかけてきたりと楽しそうでした。
90年代に創られた、カラフルでエネルギッシュな作品なので、演じる側も自然とそうなるのでしょうね。そういえば、私も『くるみ割り人形』の時に、アメリカからバックステージを観に来ていたスタッフさんたちに袖に引っ込むたびに、アメリカツアーはどこが予定?、期間は?と、聞いていましたね。良く話すアジア人だと思われていたでしょうね。:)

さすがにロシア出身のパフォーマーは、黙って練習していました。私の友人アシスタント・アーティストディレクターは、ゲイなのですが、ロシア人のパフォーマーいわく「ロシアにはゲイは存在しない。」それで最初は、彼のダメだしを受け入れなかったみたいですが、さすが私の友人は、経験からいろいろ学び、直球で正直に伝えると、聞いてくれると解った、と言っていました。また、 15年ずっと出演していて、このダメだしを出す私の友人よりも作品に長く関わっているポーランドの男性に ダメを出すのも難しかったそうですが、今は大の仲良しだそうです。
ダンサー出身でサーカスの人にダメを出すのは最初はたいへんだったけど、ステージを見て、「あそこのバランスに入るの遅いよ。」「アームスがそろっていない。」など、自分はサーカスの技は出来なくともアシスタント・アーティストディレクターとして、ダメを出すそうです。かなりシビアで辛口の人のほうがこの仕事に合っているそうです。でしょうね・・・体格が3倍も大きい人たちや、リカちゃん人形のような柔軟な人たちにダメを出すなら、「ここ、こうしてください。」なんて丁寧で遠慮がちだと、聞いてもくれないでしょうね・・・。

公演は、とても良いエネルギーで、ハートがあり素晴らしかったです! 古い作品なので、コンピューターなど使わず、セット、綱もとも全部スタッフさん、パフォーマーが動かしますが、やはり、インターネットやユーチューブなどで何でも見られる時代ですが、生の公演は迫力があり、心底観客を感動させますよね! 歌も録音されたCD? とよく観客に聞かれるぐらい、素晴らしく、それぞれのパフォーマーたちもまるで絵の具のパレットの様に、作品にとても良いカラーを出していました。

私が観た公演では、一番危険なロシアンスイングが久しぶりに全員揃って(6名か5名です。)のパフォーマンスとのことでした。一度怪我をすると、モントリオールに帰され、治療、リハビリに入り、その後、精神的に出来あがるまでに何ヶ月もかかるそうです。やはり、メンタル面のダメージが1番強いそうです。
バンドは生演奏ですが、パフォーマーたちはあまり聞いていないそうです。自分の技に集中し、自分たちのタイミングで演じて、バンドがそれに合わせるそうです。もちろん、ダンス公演やミュージカルみたいに、バンドが早く、あるいは遅く演奏すると危険な技が出来ないので、メトロノームがバンドにはあるそうです。私自身、前日バックステージにいたので、本番をとても楽しめました! 

『シザーハンズ』のアメリカツアーでシアトル公演の時に、私たちにバレエを教えてくださった年配の男性も進行役の一人として出演していました。
そして、本番後に何人かはトレーニングをしたり、練習するそうです!!
私は、終演後に練習をしなくても良い、『サルティンバンコ』のパフォーマーたちと一緒に、他の劇場でミュージカル『メリーポピンズ』を公演しているツアーカンパニーが、キャバレー(隠し芸大会のようなものです。)を寄付金(何のための寄付金かは解らなかったのですが)を集めるために、本番後バーを借りてするとのことで、見に行きました。
いろいろな歌をもじって、面白おかしく歌ったり、若い男性陣が全員上半身はだかで、セクシーにダンスをしたり、夜中を過ぎているのに、子役の子供たちも替え歌を歌ったりとかなり盛り上がったキャバレーでしたが、とにかくこの見に行った友人と「年を取ったね・・・こんなこと10年一緒に毎回やってたよね。」と、マシュー・ボーンのニューアドベンチュアー・カンパニーのツアーの経験を懐かしく思い出していました。
ちなみに、この『メリーポピンズ』のキャバレーで日本語と英語を面白く歌っていた日本人の女性がいて、後で話してみると、ツアーに参加しているそうです。英語の発音も良く、歌もとても上手でしたよ! あちこちで日本人のみなさんが頑張っていますね!私もいよいよ大学でのミュージカルの振付が始まります! まずはオーディションをし、キャストを選びますがまた、報告させてもらいますね。オーディション用の振り、かなり面白いのが出来たので楽しみです!

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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