アメリカのテレビ番組「So You Think You Can Dance」をご覧になったことがありますか?

http://www.fox.com/dance/

アメリカの地方でオーディションがあり、それぞれが用意したソロダンスやペアーダンスを踊り、だんだん落とされて、最後の男女10名は、テレビ中継の中で、踊り競い合うのですが、バレエはもちろん、ジャズ、タップ、ヒップホップ、コンテンポラリー、ミュージカルなどジャンルの数がとてつもなく多く、凄いダンサーたちばかり残り、振付も面白いので一見の価値はあります。  観ていて、私が若い時に、こんなスーパーダンスコンペティションがなくて良かった・・・・と思いましたが。:)なんでも出来るにこしたことはありませんが。今のダンサーたちは大変ですね。

"Grace Engine" Photo by Julieta Cervantes.

"Grace Engine" Photo by Julieta Cervantes.

イギリスで行われた時は、マシュー・ボーンの『SWAN LAKE』の4羽の白鳥が課題の一つだったりしたのですが、私と一緒に踊っていたダンサーも優勝しました!

アメリカでは、「Cedar Lake Contemporary Ballet」カンパニーもゲスト出演しています。 そうなのです。アメリカではこのカンパニーはとても有名です。(縁があって、このカンパニークラスを時々教えていますが)
ところで、このカンパニーの10周年記念公演を観に行きました。プログラムはA, B, Cと三つありましたが、千秋楽のプログラムCを観に行きました。

"Grace Engine" Photo by Julieta Cervantes.

"Grace Engine" Photo by Julieta Cervantes.

最初の演目は、Crystal Piteの『Grace Engine』です。
私はこの作品が一番良かったと思いました。黒のスーツで007のように全員が出て来ますが、どこか未来都市でロボットの様に生きていて、列から外れると内心の恐怖などを表現している感じでした。 最初に、一人のダンサーが歩いて出て来るのですが、その足音が響いて、途中から、ダンサーは止まっているのに、足音だけ続くのですが、そこから何か意味深で観客も息を止めて観る感じでした。

ステージをサイドに何度も使い、とても早いスピードの動きで、とってもクールでした! また、照明もとても面白く、蛍光灯を暖かみのない、個室(孤独)の様な感じに上手く使っていました。
一緒に観た友人は、「面白い、不自然な動きが昆虫の世界に見えた。」と言っていました。観る人によって感想は違うと思うので、 終演後に感想を言い合うのもコンテンポラリーの楽しみの一つですね。

2作品目はAlexander Ekmanの『Tuplet』でした。 これは、シンンプルで観やすく、面白く、長くないので良かったです。
私は、長いダンス作品あまり好きではないのです。よっぽど演出が面白いか、ダンサーが凄いか、とても美しいかしないと、ストーリーが無いのは、観る集中力がなくなります。
1列にダンサーたちが並び、聞こえて来る声に合わせて、それぞれの動きをしますが、これが楽しかったです。DJがレコードを何度も同じ箇所を繰り返すように、ダンサーたちもその声に合わせて、自分の言葉になったら動いて繰り返すのですが、観客からも笑いが出ていました。
こんなシンプルなアイデアでバランスをとるでもない、何回転をするわけでもないのに、観ていて楽しくなるのは、「ダンス」ですよね!

"Tuplet" Photo by Christopher Duggen, courtesy of Jacob's Pillow

"Tuplet"
Photo by Christopher Duggen, courtesy of Jacob's Pillow

"Tuplet" Photo by Christopher Duggen, courtesy of Jacob's Pillow

"Tuplet"  Photo by Christopher Duggen, courtesy of Jacob's Pillow

"Tuplet" Photo by Christopher Duggen, courtesy of Jacob's Pillow

"Tuplet"  Photo by Christopher Duggen, courtesy of Jacob's Pillow

最後の作品はJo Stremgrenの『Necessity, Again]』でした。
40分近くありましたが、フランスのある村か街の人たちの様子で、それぞれのパーツは面白いのですが、私はどこかで見た様な、ヨーロッパのコンテンポラリーでありがちな風景で、イギリスに長くいたからか新鮮さはなかったのですが、この作品は、とても人気があるそうです。
洗濯ロープを何本もバックステージにダンサーたちがセッティングしたり、そこに洗濯バサミで白い紙をほして、ダンサーが見えなくなったりします。紙を空中に飛ばして、その中を遊ぶ様に飛んだり、リフトされる女性の場面はとても可愛かったです。
友人も言っていましたが、久しぶりに面白い公演を観ました! とっても満足できる素晴らしいパフォーマンスでした。
このカンパニーは、子供たちとワークショップをしたり、ダンサーたちに(スタジオパフォーマンスですが、)振付の機会を与えたりと、いろいろと踊る以外の仕事もしているので、とても良いな。と思います。皆さんもアメリカに来られたらこのカンパニーをチェックしてみて下さい。

"Necessity, Again" Photo by Paula Lobo.

"Necessity, Again" Photo by Paula Lobo.

"Necessity, Again" Photo by Paula Lobo.

"Necessity, Again" Photo by Paula Lobo.

最後ですが、10月か11月に日本のスタジオを周るTBEジャパンツアーをする予定です! ブロードウェイナンバーに挑戦してもらいます。ダンスだけ、あるいは、歌も一緒に、などご希望に答えます。過去2回とも、舞台での表現力に良いと、とても好評を得ています。
TBEをもっと知って頂くためなので、バレエスタジオ、ミュージカルスタジオ、歌のスタジオなど、ご興味がありましたら是非下記までメールを下さい。期間が短いので先着順で10スタジオだけに限ります。
tbejapan@gmail.com
TBE Japan ブロードウェイ エクスペリエンスFacebook ページ
https://www.facebook.com/TBE.Japan

それでは皆さん、暑い夏を思いっきり体を動かして乗り切りましょう!

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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