ニューヨークで私が振付けした『COMPLEAT female STAGE BEAUTY』が無事に終わりました!

有名な公立のアートスクール、La Guardia 高校(ミュージカルや映画の≪Fame≫でモデルになった高校です)のシニア生徒の公演でしたが、初日3日前に演出が変わったので、男の子同士のベットシーンの音楽を変更したり(音楽が短期間で見つかって良かった)、シーンのつなぎで急遽新たなダンスシーンを振付するように言われ、二日前に創ったり(これはできる生徒3名だけを使いました)、当日まで扁桃腺で学校に来なかった生徒が一つの重要な役をしていて、もし、彼女ができない場合のダンスのシーンを4パターン考え、もちろん生徒には複雑にならないように、カットヴァージョンや人数を減らすヴァーションなど・・・結果、当日彼女は学校に来たのですが、セリフはしゃべれるけど、ダンスシーンの歌は無理ということで、演出家と歌の入った音楽をカットし、それに合わせて振りを当日変えたりと、幕が開くまでにプロ並みにたくさん問題が起こったのですが、良く生徒たちもついてきました。

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

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4回公演がありましたが、ブロードウェイミュージカル『キンキブーツ』のプロデューサーでもある日本人の川名康浩様が息子さんと観に来てくださったり、お隣の劇場で『The King and I 』の主役をその頃演じていた渡辺謙さんのドキュメンタリーのコーディネーターをされた松本孝幸様、以前ここでも書きました、演出助手をアメリカと日本でされている渋谷真紀子さん、また私の「ピラティス・バレエ」を受講している大人の生徒さんたち、キャストエージャンシーをしている方、TBEのディレクターのベン、演技の先生カーマンなどたくさんの友人たちも応援に来てくださいました。やはり異国で仕事をしている時は、嬉しいですよね。
ダブルキャストの役もありましたが、まだ高校生なので、集中力が4回とも持続できる生徒たちと、本番だけに表情を入れたり、気合いを入れる子たちにはムラがありましたが、全体としては、とても美しい作品に出来上がりました。

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

この作品は17世紀のイギリスの話ですが、セットデザイナーはこの時代の舞台を表すために、小道具やセットを舞台後ろからしか出せないセットにしたので(スタッフの生徒たちが道具を出し入れします)、演出家はこの時代のドレスを着てるのに、貴族役の役者がセットや小道具を動かすのはおかしいという意見が相反して・・・
舞台に行くといろいろとリハと違うこともあり、私も照明デザイナーとスタッフ全員でアイデアを出し合い、演出家も音楽を足したりと大変でした!

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

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今回学んだことは、セットデザイナーともっと話し合い、それぞれのシーンのダンスの部分だけでなく、演技のシーンチェンジの演出もできるようにならないといけない、ということでした。
次回は、演技のシーンチェンジに対して舞台全体の演出家やセットデザイナーに、振付家の私からも最初から意見を言うことにします。
また妥協せずとことん話し合いをすることです。これは演出家やスタッフによるのですが、例えばピッツバーグの大学でミュージカルを振付けた時は、ディレクターが全部、最初からダンスのシーンチェンジも決めて、セットデザインもしていましたのでやり易かったのですが。
また、このLa Guardia 高校の演出家から次回の振付けを依頼されたので、今の内にいろいろたくさん舞台もですが建築なども見て、アイデアをたくさん出せるようにしたいと思っています。
終演後に、観てくださったたくさんの方から、お芝居にとても素敵な振りで美しかった!とニューヨーカーに言われて嬉しかったです。
よく、演技の生徒たちをここまで動かした、とも言われましたが、ハイ、妥協しませんでした! でも、踊りたいという生徒たちだったので良かったです。ラッキーでした。

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

(C) Matt Weber

さて、夫が小道具を担当しているブロードウェイのお芝居、『Eclipsed』が6つもトニー賞にノミネートされました!! リベリアの戦闘地での5人の女性のお話で、かなりヘビーです!
『それでも夜は明ける』でアカデミー賞も撮った女優、Lupita Nyong'oが主演していますが、彼女もですが周りも凄い役者たちです。 内容は、この「踊りある記」の読者の方にはきついと思いますが、私の感想を言いますと、生まれてくる国は選べないので、もしこの5人の女性のようにこの国で生きるなら、どの道を選ぶのか、と観劇後に考えさせられる作品です。
演出家も女性でLiesl Tommy、脚本もテレビドラマ『ウォーキング・デッド』で有名な女優さんのDanai Guriraと女性のパワーを感じます。
オープニングパーティーで思わず、このDanaiに挨拶に行きました。
下記がホームページです。
http://www.eclipsedbroadway.com/
TBEニューヨークでもトニー賞にノミネートされた作品を観劇に行きます!
6月のトニー賞が楽しみですね!!

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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