『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』に出演した 少女 "ミコ" にインタビュー!!

12月1日にロードショー公開される映画『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ』は、ニューヨークで開催されるバレエ・コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」に出場する6人の少年少女たちを追った、感動のドキュメンタリー。
ユース・アメリカ・グランプリは、世界の名門バレエスクールやバレエ団への足掛かりとなる国際的バレエ・コンクールだ。9歳から19歳までに出場資格があり、毎年、世界中から5000人を超える応募がある。各地での予選を通過し、ニューヨークで行われる最終選考に残るのは200~300人。彼らは、世界中のバレエ教育機関やカンパニーから集まってきたスカウトや審査員たちによりふるいにかけられ、受賞者及びバレエ学校・バレエ団へスカウトされる才能が決まる。
このドキュメンタリーは2010年の最終審査に臨んだ、5000人中の6人の物語である。

ミコとジュールズはアメリカ在住の日英ハーフの姉弟。しなやかな身体と卓越したテクニックを持つミコは12歳のバレエ大好き少女で、練習時間のために自宅も父の会社もバレエスタジオの近くに引っ越し、学校の勉強は自宅学習に切り替えるほど。そのミコよりも情熱的なのがステージママのサトコ。一方で次第にバレエへの興味を失っていく弟のジュールズ...。バレエを取り巻く親子模様もドキドキさせるが、コーチとサトコの関係もまた興味深い。
この10月、出演者の一人、ミコにインタビューする機会を得た。

現在15歳になったミコ、映画の中の可憐な姿が記憶に新しいだけに思わず "ミコちゃん" と呼びたくなるところだが、撮影当時よりさらに脚は長く、そして大人びた彼女を見ると、もうミコちゃん、とは呼びにくい。実はミコこそ、監督のベス・カークマンにインスピレーションを与えた本人。この映画のベスは、YAGPの舞台のミコをの活き活きとした姿を観て、この映画を作ろうと決めたのだ。

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映画は当初「ホームビデオを撮りましょう」という気軽な感じで撮影が始まり、ミコもその周囲の誰も、映画館で上映されるような作品になるとは夢にも思っていなかった。
ミコは、現在、大阪の先生のもとでレッスンを受けるために来日。滞在中は毎日レッスンに通い、おばあちゃん(コーチのサトコの母)のつくる和食のおいしさに癒されたとか。質問に対する答えも、すっかり大人びている印象だ。

Q バレエをはじめたきっかけは何でしたか。
A 4歳のとき、とにかく踊ることが好きだったのではじめました。バレエをはじめたら、好きで好きでたまらなくなりました。

Q バレエの、どんなところが好きですか。
A すべてが好きですが、特に舞台の上で、身体で音楽を表現することが好きです。

Q バレエのレッスンは楽しいですか。 辛いこともありますか。
A 本当に楽しいです。止めたいと思ったことは一度もありません。

Q バレエを踊るために心がけていることは何かありますか。
A  健康的なものを食べ、睡眠はたくさんとるようにしています。お昼寝もするし、どこでもいつでも眠れるので外国のコンクールに行く時も時差など気になりません。あと、怪我をしないように、柔軟体操、準備運動をしっかりしています。

Q バレエと、学校の勉強の両立はどのようにしていますか。
A 学校の勉強はホームスクーリングで、家でオンラインでやっています。それでも両立させるのはかなり難しいんですよ。お勉強はなかなかはかどりません。

Q 遊びたい、怠けたい、という誘惑はありませんか。
A お友だちに会う時間はもっと欲しいですが、でも、時間的に無理なことは納得しています。

Q 憧れのバレリーナはいますか。
A  英国ロイヤル・バレエのマリアネラ・ヌニェスさんや、アリーナ・コジョカルさんです。

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Q 自由に選べるとしたら、どこのバレエスクール、バレエ団に入りたいですか。
A ロシアのワガノワ・バレエ学校に入りたいです。そこで、もっともっとクラシカルなバレエを勉強したいです。カンパニーは、たくさんあり過ぎてわからない !

Q コンクールに出るのは怖くないですか。
A 緊張はしますが、いつも出番が待ちきれないほどエキサイティングな気分になります。

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Q 舞台でうまく行かなかったときは、どうやって自分を励ましていますか。
A 良くできる時もあれば、それほどでもない時もあることは、もう何度も経験しているので、それほど気にしません。

Q 今回の大阪の滞在は、やっぱりバレエが一番の目的だったのですか。

A はい。素晴らしい先生のもとで、毎日クラスを受けました。幸せでした!

Q 日本のバレエスタジオの女の子たちの印象はいかがですか。
A 彼女たちはラッキーだと思います。日本には素晴らしいバレエの先生がたくさんいらっしゃるから。日本のバレエは、世界でもトップレベルだと思います。だから私は、たとえ短期間でもここに習いに来たかったんです。

Q 日本の、面白いところ、好きなところはどこですか。
A なにもかも。特に、おばあちゃんが作ってくれるお食事が好きです。

Q  日本の、苦手なところはありますか。
A  日本語は聞いてわかりますが、文字が読めません。

Q 自分の中に半分、日本人の血が流れていることについて、どう思いますか。
A  だから、バレエが上手くなった(笑)。

Q さて、『ファースト・ポジション』の出来上がりはいかがでしたか。
A  最高のものを創ったと思いますよ。そして、監督のベスは、一生涯の友だちです。

Q 映画で描かれているのは、ありのままのあなたですか。
A  そう、ありのままの私。そして家族も...、ペットの犬も!

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Q  あなたにとって、あなたのママはどんな存在ですか。
A  マネージャーです、腕利きの(笑)。でもアーティストでもありますよ。お友だちも多いし、みんなママのことが大好きです。

速報!
そして、たった今、入ってきた情報によると、ミコちゃんは2013年のローザンヌ国際バレエコンクールの本選出場が決定しました。次にミコちゃんとあう時にはどんなダンサーに成長しているか、とても楽しみです。がんばれ!ミコちゃん!

『ファースト・ポジション』に登場するそのほかの未来のダンサーたちの物語。
コロンビア出身のジョアンは、バレエの教育環境の整わない自国を一人離れ、ニューヨークでバレエの練習にいそしむ毎日。故郷の家族と電話で話すことで孤独に打ち克ち、自らをふるいたたせている。彼は英国ロイヤル・バレエ・スクールに入学し、そこから世界に羽ばたくダンサーになることを夢見て、このコンクールに挑む。
ミケーラはシオラレオネの生まれ。両親を内戦で亡くし孤児になったところを、アメリカ人の夫妻が養女にした。孤児院で見た雑誌に載っていたバレリーナの美しい写真が忘れられず、バレエの世界を夢見るようになる。"世界で一番繊細な"黒人ダンサーを目指している。
アランはイタリア在住。その才能をマチュー・ガニオの父、ドゥニス・ガニオに見いだされ、特訓を受けている。その才能は誰もが目を見張るほどだがそれ以上に驚かされるのは、わずか11歳にしかならない彼がとても自立していて、自分の考えをしっかりと持ち、厳しいレッスンに向かっていることだ。
金髪に青い瞳、まるでバービー人形のようにチャーミングなレベッカは、メリーランドの裕福な家庭の"お嬢様"。容姿を含めバレエの資質は申し分ないと周囲も認めるひとり。一方でチアリーダーをやったり、ボーイフレンドと遊んだりと高校生活をエンジョイすることも忘れない。コンクールのためにやってきたニュ−ヨークでは、五番街のティファニーの店で、お守り代わりのティアラのチャームを買うが、その姿が実に様になるセレブ高校生だ。

12月1日(土)、渋谷Bunkamuraル・シネマを皮切りに全国でロードショー

『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ』

(C)First Position Films LLC
監督・制作・編集:ベス・カーグマン
撮影・アソシエイトプロデューサー:ニック・ビギンス
提供:セテラ/ミモザフィルムズ/スターサンズ/Bunkamura
配給:セテラ/ミモザフィルムズ
トロント国際映画祭2011ドキュメンタリー部門観客賞受賞
NYドキュメンタリー映画祭2011ベストドキュメンタリー観客賞受賞
サンフランシスコ・ドキュメンタリー映画祭2011審査員最優秀映画受賞
ポートランド国際映画祭2012観客賞受賞
ダラス国際映画祭2012観客賞受賞

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