気づけば2023年もあと少し。

気づけば2023年もあと少し。
今年は、コロナも少し落ち着きパフォーマンスを開催することや、海外へ行くことも数年前の状況が戻りつつある中ですが、世界状況は様々なことが起こり心痛める日々が続いています。
そんな中でも、自分にできることを精一杯続けたいと思っております。

627DBD2C-378A-466A-B0C5-4F9A70343832.jpg

D2846EB8-CDBC-4A3E-8E4D-8032EFA8CF1C.jpg

2023年は、ウラジーミル・マラーホフさんを8月と10月にお呼びすることができました。
10月14日に豊中市立文化芸術センターにて開催した「With love from Malakhov 2023」プロデュース公演では総勢約100名以上が出演しました。
その100名が新演出作品「ジュピター(惑星)」で共演することも叶いました。
『心一つ』『一期一会』がコンセプトで、様々なところから集まってくださったアーティストの方々と、お客様や支えてくださる全ての方々と共に『心』一緒にステージにと言う想いを幕が上がる最後まで求め続けました。
「ジュピター」を、限られた時間でステージをまとめるのは容易なことではありませんでした。しかし最後には、マラーホフさんも振付のアイディアを出してご指導くださったり、ジュニアオーケストラの方も加わり全員で作り上げた作品になったかと思います。

6FD6F3B3-EDE6-47BF-AB83-597F67FAE13C.jpg

46E31FC2-5CE5-4150-BAA6-93AE8A51FA9C.jpeg

AD6BFAF3-C628-4B8A-BE53-71C51155973A.jpeg

3CE497D7-BF30-42C5-B09B-6F180453CFC2.jpg

『くるみ割り人形』新演出版は、マラーホフさんがなんと"ドロッセルマイヤー初演 デビュー"を飾られました。
全体の振り付けと演出を担当しましたが、幕開けからドロッセルマイヤーに物語を引っ張ってもらう構成演出にしたくて、各ディベルティスマンの踊りと踊りの間に、マラーホフさんにご登場いただきました。
金平糖のオルゴールの音で、機械人形のような踊りも自ら振りを考え踊ってくださり、ジュニアのダンサー達の中国の踊りの冒頭にもご一緒してくださったり、4回も登場していただきました。アーティストの方々、ジュニアダンサーの方々もマラーホフさんからたくさん感じて学んでくれたと思います。

772FB725-8C6B-49B9-99FD-20AD8A4183DD.jpg

D974AF15-8FE1-43D6-82BF-AFC981B8BEC5.jpeg

【バレエ×和太鼓】では、マラーホフさんと私が新作【 IZANAI 】(宝満直也さん振付)で共演させていただきました。その作品に続けて、『新月炎柱』はじまりの鼓動~舞~、と2部構成にし、和太鼓グループ鼓淡との共演、古事記をテーマに、今後この作品も膨らましていきたいと思っております。
『I'm you 』はその都度、その時に感じる感情表現ができる作品で、マラーホフさんも毎回違う表現ができるので、とても好きな作品とおっしゃっていました。
このように、世界で活躍されるアーティストの方と、若いダンサーの方々が共演できる機会をできる限り生演奏で、更に日本の文化も取り入れながらお届けできるパフォーマンスなどを今後も手がけていきたいと思っております。

525400BE-3ADE-4B75-8767-072A59AAB583.jpeg

C0336B75-BB15-48FE-B606-034169F2AE1F.jpg

さて、10月からNHK連続テレビ小説「ブギウギ」が放送されております。
この連続ドラマに昨年、手を差し伸べウクライナから避難のため日本にいらっしゃった、キーウ国立芸術アカデミーのカテリーナ・エフチコーワ先生が出演され、その撮影現場などもご一緒させていただきました。細部までこだわる。プロフェッショナルな現場は、様々な学びがありました。
カタリーナ先生は、ドラマの中では日本に当初ロシアバレエを主人公に教える厳しいバレエの先生役だったのですが、日本語のセリフも猛特訓して無事撮影、放送を終えることができました。私にとっても貴重な機会でした。

ここからは、ウクライナから避難で日本へ来るために手を差し伸べ、一緒にバレエを通した活動を始めてから1年半、様々な活動を続けて参りましたAwaji World Balletの9月以降の活動をお伝えしたいと思います。

まず、9月23、24、30、10月1日に『コッペリア』を淡路市立 旧アソンブレホールで開催することができました。
初心者にもわかりやすい演出で、解説も加えながら1時間弱の作品でお届けしました。主役は、スベトラーナ・シュリヒテルとネリア・イワノワが日替わりで登場、フランツは倉智太朗さんが演じました。キャラクターダンスではマルガリータ・ドゥシャコワ先生、カタリーナ・エフチコーワ先生も出演くださりました。

57FEB7F3-CF8F-4ED9-9E30-551D61E2C8C4.jpg

18F4EDA2-8CCA-4D35-AFE5-005521294A85.jpg

12月9日には、「世界を旅するバレエフェスティバル2023→2024 ジャンルを超えた世界音楽で夢の旅へ~」を同ホールで初演いたしました。
劇場自体をジャンボジェット機の機内の中と言う構成で始まります。飛行機に乗りながら世界を旅に出かけ、世界の様々な舞、バレエを見ている気持ちになっていただきたくコミカルな演出構成にチャレンジしました。
旅は、ウクライナ、フランス、アメリカ、アルゼンチンなどに飛行機で向かい、途中気流が悪くなり着陸し船に乗り、最後には日本に着陸します...。
パフォーマンスの後半は、時の旅に。卯年から辰年、2023年から2024年にかけてクリスマス、新年の時間の旅を演出しました。

73DB8AA4-0946-431D-92A9-714F9E3A443F.jpg

E119A34E-15F6-4801-AEAA-BB2F4DBA05E3.jpg

ウクライナから避難のために日本に来て、淡路島で活動しているマルガリータ先生、カテリーナ先生に淡路ワールドバレエアカデミーで昨年から習っている生徒の小さな子供たちが、ギゴーニュおばさん(カテリーナ先生自身がご出演)の踊りで出演もしました。
プロジェクトマッピングを駆使し、クリスマスツリーを彩り、サンタクロースも登場、はじめての方でも楽しんでいただけるような演出に試みました。
クリスマスシーンの最後には、ウクライナのクリスマス民謡の音楽にあわせウクライナメンバー総出演の『雪の舞』を今回のために作りました。世界各国の音楽を集めて届ける『くるみ割り人形風』ハイライトをお届けし、ウィーンのニューイヤーコンサートのイメージで『青きドナウWithバレエ』を最後にお届けしました。
昨年ウクライナから避難のため日本に来た皆と活動を始めて約1年半になります。
来年もウクライナの方々との活動、海外からのダンサーなども交え、またできることを精一杯続けて参りたいと思います。

BE14332F-642C-48CD-9FBF-D4D486EC7B3D.jpg

B9DD2A2C-6C69-43F7-8A27-D33A53D79EF9.jpg

BF717E51-2D73-4117-A7F7-A8EFB9DE8A31.jpg

文化、芸術を楽しめる場所として...
本番のバレエを学べる場所として...
そして初心者の方も経験できる場所として...
楽しめる場所として...
そんなプラットホームにしていきたいと思っています

2023年海外では、日越外交関係樹立50周年記念イベント、2日間で485,000人が訪れたベトナムのフェスティバルでは、和と洋のコラボレーションを披露させていただく機会をいただきました。

香港バレエ団でマラーホフ版「バヤデルカ」(La Bayadere)をステージングさせていただける経験に感謝。約1ヵ月にわたり、香港文化センターにてリハーサル指導させていただきました。その際、現地の香港大学とのコラボレーションで香港のオーケストラとも共演させていただく機会いただきました。
『Japan Expo』Pari 2023は25万人以上の人が訪れるパリジャパンエクスポでは2022年に引き続き2023年も踊らせていただく機会をいただき
和太鼓、篠笛との和とのコラボレーションパフォーマンスを披露しました。
山本能楽堂と初のコラボレーションでは、能舞台で足袋で踊らせていただきましたが、日本文化とのコラボレーションも引き続きチャレンジしていきたいと思います。
「大阪・関西万博 2025」で参加予定の約160カ国から代表が集った国際会議IPM(International Participants Meeting2023」で踊らせて頂く機会を頂き様々なことを感じました。
文化芸術には国境がなく言葉が無くても通じる、世界が繋がれば良いなあと再確認した瞬間だった。

今、このような世界状況だからこそ、実際に肌で感じ合う機会を作り、芸術文化などを通して、世界の人々の架け橋となれるような活動を、明日へのパワー、夢、勇気などを伝え、少しでも平和への力になれるような活動を続けていきたいと思ういます。
「踊って、踊って、踊り続けなさい」
27年前マイヤ・プリセツカヤさんがパリ国際バレエコンクールの審査員長を務め、出場した私にレセプションでかけてくださった言葉です。
その当時はそのマイヤの言葉の意味を100%理解していませんでした。
今、バレエを通して様々な活動を続けていきたいと思っています。
ウクライナから避難のために来日し、今日本で一緒に活動を続けるダンサーや先生方、また日本様々な分野のアーティストとコラボレーション、新しい作品の創造、日本の伝統を取り入れた作品などを通して1人でも多くの方に踊りや芸術を伝えていく活動を続けたいと思っております。
来年は、日本を始め、また以前のように海外での活動も視野に入れながら、様々な角度からバレエ、芸術、世界の流れなどお伝えしていくことができればと思っております。

今年も無事終盤まで過ごせたこと、いろいろな活動できたことに感謝し、来年も精進して参ります。どうぞ皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。

BD0B66A0-54CE-47B4-8806-17958ACD754A.jpg

45E1C108-91BC-43F4-A0A5-953A09BBEE24.jpeg

7D1B0B13-0C22-4E4A-9FB1-A18907971C31.jpg

45B4E6CB-F00D-4036-A5A7-93392492B2B8.jpg

インタビュー & コラム

EmiHariyama2023.jpg

針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi Hariyama Official Page

2018emi_book.jpg

『世界を踊るトゥシューズ〜私とバレエ』

針山愛美/著 Emi Hariyama
体裁:四六版並製、240頁ISBN978-4-8460-1734-7 C0073(舞踊)

ページの先頭へ戻る