今月はベルリンからの話題などをお届けいたします。

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ベルリン国立歌劇場

現在ベルリン国立バレエ団の芸術監督であるヨハネス・オーマン氏とサーシャ・ワルツ氏が、1年後に辞任するというニュースが入ってきました。
私が2004年から2014年まで所属していたバレエ団で、当時はウラジーミル・マラーホフ氏が芸術監督兼ディレクターでした。
マラーホフ氏はディレクターとして、またダンサーとして10年間活躍し、その後ナチョ・ドゥアトが芸術監督に就任しました。ナチョ氏は5年の予定でしたが4年で辞任し、今現在はロシア、サンクトペテルブルグのミハイロフスキー劇場で活動していらっしゃいます。
その後はヨハネス・オーマン氏とサーシャ・ワルツ氏の2人体制で芸術監督を務めており、どうなるのか興味深かったのですが、この突然の知らせに驚きました。
現地のダンサー達に話を聞きました。やはり皆聞いた時は突然で驚いたけれど、今はリハーサルも本番もいつも通りこなしているという事でした。
まだ今後の詳しいことは発表されていません。今後また状況は変わり、サーシャが何方かと芸術監督を続けるなど状況は変わるかもしれませんが、現地からいただいたお2人のコメントを添付させていただきます。

ヨハネス・オーマン氏とサーシャ・ワルツ氏が2020年1月27日に発表した内容一部:
ヨハネス・オーマン氏、コメントの一部
クリスマス前に、ストックホルムのHouse of Danceで芸術監督およびマネージングディレクターの地位を提供されました。
私は仕事の責任と私的な状況の両方を慎重に検討し、スウェーデンからの申し出を受け入れることにしました。
誰も関与することなく、私は自分でこの決定をしました。
サーシャと私は2016年から定評のあるチームであるベルリン国立バレエ団で活動出来た事を非常に誇りに思っています。
私は2021年1月まで在職しますが、将来のコラボレーションを楽しみにしています。
次のプロセスはまだ始まったばかりですが、ベルリン国立バレエ団の成功と芸術の未来のためプロセスの基礎を築けたと思っています。

サーシャ・ワルツ氏コメント
クラシックとモダンの幅広いプログラムのコンセプトは、この2シーズンですでに明確になっています。
熱心な観客とやる気に満ちた優れたダンサー達が存在します。
私たちは実を結び始めている変革を始めました。
昨年の観客動員は平均を上回っていました。それは、私たちのコンセプトが間違いなく前進していることを示しています。
クラシックおよびコンテンポラリーのダンサー達は、引き続きベルリン国立バレエ団で活動します。
次のシーズン2020/21の計画はしっかりとされており、3月4日にヨハネス・オーマンと私(サーシャ・ワルツ)が公開します。
現在芸術監督としてのパートナーであるヨハネスが去ることを決定したため、当初の共同ディレクターシップは終了します。
ヨハネス・オーマンとの別れは、非常に短い予告で、そして予想外に来ました。これらの新しい条件の下では、私が1人で監督を続ける事が理にかなっているとは思いません。
2016年、私はこの職に就くことに同意しましたが、クラッシック分野は任せて自身が振付師として、アーティストとして働き続けることができるパートナーとの共同作業のみでした。
私はこの出来事に驚きましたが、ベルリン国立バレエ団に対する責任において、平和的かつ時間的なプレッシャーなしに、任期の終了について決定をしたいと思います。

この2、3年の間にウィーン国立バレエ団など様々なカンパニーの芸術監督が変わります。
ウィーン国立バレエ団もクラッシック路線から今後どのように変化していくか興味深いです。
ベルリンの今後の状況も含め、またヨーロッパから伝えたいと思います。

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ベルリン国立歌劇場 2015年、改装中から今


ダンスの楽しさ、魅力を伝えたいと言う思いから、劇場と言うプラットホームで垣根なくどなたでも参加できるダンスプロジェクト。
今年も、4歳から大人の方々が毎回楽しくワークショップを行っています。今年は、一般の方々とクリエーションを重ね作り上げる「眠れる森の美女」にチャレンジ中です。
音楽を演奏したり、絵画を描いたり、いろいろな経験をしてほしいという私の願いから、ワークショップでは毎回何が起こるかわかりません。
3月8日の本番に向けて、毎回予想できないワークショップが続きます。
ダンスにはいろいろな要素があると思います。
楽しさや、喜びを分かち合えることが出来る力があります。
それを伝える活動もしていきたいと思います。
http://www.toyonaka-hall.jp/event/event-17082/

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ダンスプロジェクト

私自身は神戸女学院大学の客員教授としての任期を終えました。
大学では教える側でしたが、逆に学ぶ事がたくさんあり、素晴らしい環境で生徒からは何時もエネルギーをもらっていました。本当に感謝の気持ちが絶えません。
今年度は私も様々な国で活動する予定です。
今後はまたヨーロッパ、アメリカ、ロシアも含め現地から様々な事お伝えしていきたいと思っております。

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi Hariyama Official Page

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『世界を踊るトゥシューズ〜私とバレエ』

針山愛美/著 Emi Hariyama
体裁:四六版並製、240頁ISBN978-4-8460-1734-7 C0073(舞踊)

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