今回は、アジアのバレエ事情などをお伝えします。

今回は、アジアのバレエ事情などをお伝えします。

シンガポールで行われたインターナショナルワークショップの講師として、指導する機会がありました。
シンガポール本国のほかマレーシア、インドネシア、タイなどからたくさんの生徒たちが訪れました。
参加した生徒たちは、普段は一緒にレッスンすることのないダンサーたちとレッスンを重ねることで、刺激を受け日々ヘトヘトになるまで頑張っていました。
講師は、シンガポール、香港、フィリピン、イギリスから国際色豊かな方々が集まりました。
私は、連日13歳から15歳のクラスのクラシックバレエレッスンと、レパートリーポワントクラス、15歳以上のレパートリークラスを担当しました。

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レパートリークラスは「ドン・キホーテ」のハイライトでまとめました。
キトリ、キトリの友人、キューピッドのバリエーションを数人で踊ったり、1幕の登場のシーンとコーダも振り付けしました。
数日で振り付けを覚え、本番では伸び伸びと踊っていました。
アメリカやヨーロッパでパントマイム(演技)のシーンを生徒達にやらせると、生き生きと自分から表現できるのですが、アジアのバレリーナの子供たちは、日本の環境と少し似ていると感じました。
みんな最初は少しシャイで自分を出すことをしません。演技する事に戸惑い、恥ずかしい感じでどうしていいかわからないと言う感じでした。これも国民性が出るのだな、と感じた一瞬でした。でも数日続けることによってだんだん解放され、最後にはいきいきと演技していました。

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ワークショップの最終日には、スタジオパフォーマンスが開催されました。
日本では撮影禁止の場所も多い中、こちらは撮影大歓迎。客席を見渡すと、90%の観客がスマートフォンでビデオを撮っている状態で、そちらを見ているほうも面白い位でした。

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日本、ロシア、ヨーロッパ、アメリカなどでワークショップなどをしてきた中、シンガポールは初めてでした。
アジアのバレエは、まだまだ成長すると確信しました。まだバレエの歴史はどの国も浅いですがバレエ人口は多い状況です。
シンガポールにはダンスカンパニーがありますが、まだ国民の認知度は低いようでした。街は素晴らしく、過ごしやすく、今後大きく成長していくのではないかと思いました。

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12月8日に、ホテルニューオータニチャペルで、世界の子供服マ・メールとのコラボレーションパフォーマンスが開催されました。そこで、子供たちと一緒に踊り、またソロを踊らせていただきました。
私は常に、芸術、バレエのあり方を考えています。こうでなければいけないと言うメソードや美しさを追求するために、またテクニックを身に付けるために厳しく一生懸命練習を重ねること。それだけでは無く踊りには楽しむ要素があります。一生懸命好きなことを続け楽しむこと、両方大切かと思います。
子供たちに夢を与えたい。それも常に思っていることです。デザイン、ファッション、踊り、絵画、音楽などは通ずるものがあると思います。
感じたことを表現すること、参加する事で見つかること、楽しめることに打ち込むこと、それら全てが子供達の将来に活きてくるのではないかと思っています。
今回はオータニのチャペルという素敵な場所で、どういった演出をしようか、そしてバレエ経験がほとんどないような子供達とも一緒にどのように踊ろうかと考えながら一緒にワークショップを重ね、本番を迎えました。結果、はじめてだったけどまたバレエを続けたいという子供たちもいて、こういう活動も続けていきたいと強く思っています。

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2020年1月3日
NHK名古屋 ニューイヤーコンサートで踊らせていただける機会がありました。
今回は、現在愛知県美術館で開催中の印象派絵画展「コートールド美術館展」印象派のドガの絵画とコラボレーションして何か作品を、という依頼でした。作品のイメージ、音の選曲から打ち合わせを重ね、イメージを作っていきました。
その過程は非常に楽しくやりがいのあることでした。
音楽はショパンから、シルフィードのイメージの音楽を選んでくださったので白のロマンチュチュを選びました。
それにドガの絵画からその時代のイメージの衣装も重ねようと思い、衣装の早替えを舞台上ですることを思いつきました。
デザイン打ち合わせをし、今回のために衣装を作っていただきました。
会場は、愛知芸術劇場コンサートホールでした。会場全体を使いたくて、オルガンのある2階席も使わせていただき、1階と、2階を使い演出しました。
オーケストラ、ソプラノ、テノール、バイオリン、ピアノと今活躍する一流の方々が集まり、あらゆる分野を楽しめるニューイヤーにふさわしいコンサートでした。
一緒に出演させていただくことができ、心から感激したとともに、やはり芸術に壁はなく、色々とコラボレーションすることで新しいものが生まれていくと感じました。

出演者
ゲスト/加羽沢 美濃(作曲・ピアノ)、錦織健(テノール)、
吉田珠代(ソプラノ)、松田理奈(バイオリン)、藤田真央(ピアノ)
特別出演/針山愛美(バレエ)
指揮/園田隆一郎
管弦楽/名古屋フィルハーモニー交響楽団
司会/加羽沢 美濃、越塚優(NHK名古屋放送局アナウンサー)

2019年皆様には様々な分野でお世話になりました。
怒涛の1年で様々なことにチャレンジした年でしたが、本当にたくさんの方に助けていただき、感謝の気持ちで一杯です。
2020年、いろいろな人に貢献できるような活動をしていきたいと心より思っています。
芸術、アートを通して、その素晴らしさをより多くの人々に伝えていきたいと思っています。
2019年後半、いろいろなことがあり様々なことを考える機会がありました。
今後、進んでいく方向性がはっきり見えてきた次第です。

時は風のように過ぎ去っていきますが、一瞬一瞬を大切に生きていきたいと思っています。
2020年、素敵な1年になりますように!感謝を込めて。

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi Hariyama Official Page

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『世界を踊るトゥシューズ〜私とバレエ』

針山愛美/著 Emi Hariyama
体裁:四六版並製、240頁ISBN978-4-8460-1734-7 C0073(舞踊)

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