『リング』、『火の鳥』ほか
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- コラム 針山愛美
掲載
2月1日
 フィルハーモニーで コンサートを聴きました。
 ランランがモーツアルトのピアノ協奏曲をドイツシンフォニーと共演。指揮はケントナガノさんでした。
 ランランはピアニストですがアーティストには通じるものがあり彼は音楽を体で表現していました。
 バレエでも同じ事が言えると思いますがその人が曲や踊りから見えると思うのです。
 素晴らしいコンサートでした。
 
リングのセット、舞台上でウオームアップをするバンテェフ
2月3日
 『リング』の本番。
 こんな事言ってはいけないのですが、5時間のパフォーマンスをどう乗り切るか、、、何回も上演した今となっては皆いろんなことをしています。
 トウシューズを縫ったり、本を読んだり、ビュッフェで集まって話をしたり、、、。
 2幕のはほとんどラストシーンしか出番が無くて2時間以上間が開くのでそれぞれ時間を有効に使っているようです。

雪の日のソニープラザ(ベルリン)
2月7日
 ひどい天気で傘が壊れてしまったくらい。昨日は大雪で今日も風が強く雨もどしゃぶりで大変です。
 今日は元大統領の追悼式が行われるためウンターデンリンデン通りが通行止めになっていたのを知らずにいつも通り家を出て、普段は15分で着くところ1時間もかかりました。そのためクラスに遅れ最悪でしたが、地下鉄以外を使ってバレエ団に通っているほとんどの人は遅れてきました。
 
 2月9日、10日
 9日、ベルリン映画祭が始りました。
 去年は1作品見ましたが今年は何か見れるかしら、、、そんなニュースでベルリンは賑わっています。
 
 続いて10日はトリノオリンピックの開会式。中継で見ましたがミラノスカラ座バレエのパフォーマンスやパバロッティのアリアなど見所がたくさんあり楽しかったです。
2月11日
 今日は一週間ぶりに『リング』の本番。
 今日はデモが行われて又もやウンタ―デンリンデン通りがブロックされていました。
 首都の中心に国立歌劇場があるのでよくデモなどに遭遇しますが、日本ではめったに無いですよね。
 
 ブリュ―ヒュンデ ナディア サイダコーワ
 ローゲ:ウラジーミル・マラーホフ
 ジークフリード:ミカエル・バンツェフ
 ボータン:アルチョム・シュピレフスキー
 
 というキャスト。

交通止めの劇場前、日常茶飯事です
明日マラーホフ監督は日本での公演のため出発されます。
 本当に直前までこちらで踊られてすぐ日本でも本番、すごいなあ、、、と思います、ダンサーでもあり私たちの監督でもあられ本当に大変だと思いますが舞台ではいつも100パーセント以上出し切っていらっしゃる姿を見ると私たちも刺激されます。
 日本での大成功ベルリンから祈っています!

リングの公演2月11日
2月15~18日
 ベルリンでこの期間ユースの為のダンスコンクールが行われました。
 去年は見逃したのですが今年は3日目の17日に見に行きました。
 ロシアンハウスの小さなステージで行われていましたが、審査員がとっても豪華でびっくりしました。
 日本ではあまり知られていないコンクールだと思いますが日本人の出場者の顔もうかがえました。
 審査員をざっと並べてみると
 ウラジーミル・ワシリエフ
 オリバー・マッツ
 マリーナ・レオ―ノバなどなど。
 エバ・エフドキモワさんは去年もこられ今年も予定されていましたがご都合でいらっしゃいませんでした。
 マリーナ・レオ―ノバは現在ボリショイバレエ学校の校長ですが、私が1993年から留学した時に彼女のクラスに入りました。私のモスクワ時代の先生にこんな形でベルリンで会えるなんて思っても見ませんでした。レオ―ノバ校長もとっても喜んでくださり私も嬉しかったです。
 コンクール自体はこれからもっとまとまって良くなっていくと思います。民族舞踊部門もあり見ごたえがありました。18日の表彰式やガラには、ベルリン国立バレエ団の『リング』の公演があったため行けませんでした。ロシアからの参加が圧倒的に多く、ボリショイバレエ学校からの出場者が金メダルを7つももらったようです。

春の祭典
2月19日
 ストラビンスキーの夕べ、『火の鳥』と『春の祭典』の本番。
 前回のマラーホフから変わって
 
 火の鳥:ミカエル・バンツェフ
 プリンセス:ガエラ・プジョル
 イワン:レオニ―ド・ジャコビナ

そでから撮影、春の祭典
私自身も前回1月末の公演の直前に足を突き指して出れなかったのですが復帰しました。
 それにしても『リング』は5時間もあるのにこのプログラムは1時間40分で終わってしまいます。何か物足りないような気もしますが、、、。
 何とか無事終わりました。
2月23日
 今日も『火の鳥』。
 新キャストで
 
 火の鳥:ライナー・クレンシュタ-
 プリンセス:ガエラ・プジョル
 イワン:レオニ―ド・ジャコビナ

テレビも来て、、又通行止め
2月25日
 今日は『火の鳥』の本番。そして本番が終わってから大急ぎでコンサートを聞きに行きました。出番が7時40分に終わりコンサートが8時から。無謀かな、、と思いつつ、、、とっても聞きたかったエルガーのチェロ協奏曲だったので、国立歌劇場からコンサートホールまで500メートルくらいしか離れていないし全速力で何と間に合いました。
 ダービッド ゲリンガスのチェロとても素敵でした。

火の鳥の衣装はこのような感じ。マルチン・ブツコとともに
2月26日
 ドイツは何らかのカーニバルで盛り上がっていて又通行止め。。。。
 歩いてコーミッシュオペラに行きヘンデルのオペラORESTの新作初演を見に行きました。
 全くのモダンプロダクションでバロック音楽にどうはまるのか、、と思っていましたがとても楽しめました。2時間20分休憩無し。
 劇場の技術が、すごいなあと思いました。本当に何でも出来るのです、、うらやましいなあ。
 技術的に日本のホールでもできれば7月の夢コンサートに使いたいようなアイデアがたくさんありました。
インタビュー & コラム

針山 愛美 Emi Hariyama
13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。
1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
◆Emi International Arts
◆針山愛美のバレエワールド