ベルリンの大晦日は打ち上げ花火で華々しくにぎやかな夜でした
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- コラム 針山愛美
掲載
2007年も1ヶ月以上過ぎました。
ベルリンの大晦日は打ち上げ花火で華々しくにぎやかな夜でした。
今年は温暖で暖かい冬、過ごしやすいです
12月29日と1月5日
くるみ割り人形本番。
ポリーナ・セミョーノワとデニス・マトビエンコが共演しました。
マトビエンコは日本ではもうおなじみかと思いますが、ベルリン客演は初めてでした。
ベルリン国立バレエにはロシア語を話すダンサーが多いので、すぐにうちとけて皆と楽しそうに過ごしてくださったと思います。
マトビエンコは安定した切れの良いテクニックを披露し観客を魅了。
ポリーナも舞台に出た瞬間から光を放って、輝いていました。
素晴らしい舞台でした。
1月12日
祥子さんとビスラウ・デュディックの二人が「シンデレラ」でデビューしました。
義姉さん役はマラーホフ監督とロナルド・サフコービッチで、これでもか・・・という以上の演技で観客を沸かせていました。
祥子さんとビスラウも安定してとても素敵な舞台でした。
1月19日
嵐到来!その名もキリル・・・ 風速200メートルと言う事で、リハーサルは2時で切り上げ急遽自宅へ帰るようにマラーホフ監督から指示がありました。
物凄い雨と風で台風大型版みたいでしたが、家はガラス張りの大きな窓なので怖かったです。
なんだか面白いですね。テレビでキリル、キリルと連呼していました。
1月16日と22日
今シーズン11回目の「眠れる森の美女」。
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフの初カップル誕生です。
いつもは落ち着いているヤーナもマラーホフ監督と踊るので、彼女にしては慎重かな、と思いましたが、2幕では余裕が見えました。
ヤーナは小柄なのでマラーホフ監督もサポートしやすそうでしたし、グランのアダージオの後のバリエーションでも疲れが全く見えませんでした。新しい組み合わせ、素敵なカップルでした。
1月28日
「マラーホフとフレンド」の初日。
この日はマラーホフの現役20周年記念公演でした。
プログラムは
1部
"Romeo und julia"
Balkon-Pas-de-deux
Choreographie von Sir Kenneth MacMillan
ジュリー・ケント、マラーホフ
"La Esmeralda"
Grand Pas de deux aus dem 2. Akt
Choreographie nach Agrippina Waganowa
ヤーナ・サレンコ、マリアン・ワルター
"La Sylphide"
Pas de deux aus dem 2. Akt
Choreographie von Pierre Lacotte
吉岡美香、高岸直樹
"Stars and Stripes"
Choregraphie von George Balanchine
コリーヌ・ベルディユ、ライナー・クレンシュテッター
「マラーホフとフレンド」から
会場風景
"Illusionen - wie Schwanensee"
Pas de deux aus dem 1. Akt
Choreographie von John Neumeier
ジョエル・ボローネ、アレクサンダー・リアブコ
"Diana & Aktaeon"
Grand Pas de deux aus dem 3. Akt
Choreographie nach Agrippina Waganowa
ポリーナ・セミョーノワ、ホセ・カレーニョ
「マラーホフとフレンド」から
会場風景
2部
"Serait-ce la mort?"
Choreographie von Maurice Bejart
マラーホフ、ベアトリス・クノップ、ナディア・サイダコーワ、中村祥子、ポリーナ・セミョーノワ
3部
"Spring and Fall"
Pas de deux Choreographie von John Neumeier
吉岡美香、高岸直樹
"Cruel World"
Choreographie von James Kudelka
ジュリー・ケント、ホセ・カレーニョ
"Transparente"
Choreographie von Ronald Savkovic
ベアトリス・クノップ、ロナルド・サフコービッチ
"Die Kameliendame"
Pas de deux aus dem 3. Akt
ジョエル・ボローネ、アレクサンダー・リアブコ
"Aria - Solo"
Choreographie von Val Caniparoli
マラーホフ
公演
このような感じで、
クラッシックの1部、2部は25分位のベジャールの作品。3部はモダンという構成でした。
ゲストの方は勿論の事、ベルリンバレエのダンサーも持てるものをすべてだして、本当に盛り上がりました。
ジュリーとマラーホフのロメオとジュリエットは言うまでもなく綺麗でさわやかで美しかったですし、ヤーナ・サレンコとマリアン・ワルターもフレッシュコンビではつらつと抜群のテクニックを披露。ハンブルグからのゲストカップルは情緒あふれる踊りで魅了し、コリーヌとライナーも疲れさえ感じさせないエネルギーに満ちた踊りでした。
ポスター
吉岡さんと高岸さんもラコット版のシルフィードを踊りました。ラコット版は初めて見たのですが本当に素敵でした。
ポリーナとホセの組み合わせは初めてですが、二人とも安定した抜群のテクニックを競い合い、もうここまで踊ってくれるとブラボーと言わざるをえませんでした。
ベジャールの作品は胸にぐっと来るものがありました。4人の女性の個性もひかっていました。
奥の深い作品で、音楽もソプラノの歌声も素晴らしかったです。
モダン部門ではロニー自身が振付けた作品が大人気でした。
マラーホフのアリア心に感じるものがあり、本当に美しく感動しました。
終演後すぐに幕があがると超満員のお客様が総立ちという素晴らしい公演でした。
本番の後、新しくスポンサーについてくださったWerber Bankの主催パーティがあり、ベルリン市長の顔も見えました。
マラーホフ監督自身の挨拶(マラーホフ監督の御家族もお見えでした)に続き、市長の素晴らしいメッセージもあり素敵なパーティでした。
1月29日から2月1日まで、パトリス・バートがいらしゃって、白鳥の湖の指導をしてくださいました。
ベルリン国立バレエの白鳥はバート版です。
いろんな点でやはり数年に一度は振付家の方がいらして御指導してくださると、舞台が引き締まると思いました。やはりどのようなものを求めているのかが明確で、リハーサルが生き生きとしたものになります。
パーティ
1月30日
「マラーホフとフレンド」2日目。
初日に引き続き見に行きました。
皆、初日よりやはりリラックスして、今回のほうが良かったように思います。
今回も超満員、そして舞台終演後総立ちでした。
では又来月!!
針山愛美
インタビュー & コラム
針山 愛美 Emi Hariyama
13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。
1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
◆Emi International Arts
◆針山愛美のバレエワールド