2月中旬まではマイナス15度以下の日が続きましたが...

2月中旬まではマイナス15度以下の日が続きましたが、末から3月にかけて氷点下ではなくなり、太陽も出て温かく感じるようになりました。
震災から1年。
1年たった今も、不自由な生活を送ってる方々の力になれることがあれば、また自分のできる範囲のことで日本のために行動していきたい気持ちで一杯です。

2月9、12、17日
9日『ロミオとジュリエット』が無事初演を迎えました。12、17日は初日と同じキャストでの公演でした。
<キャスト>
ジュリエット  ヤナ・サレンコ
ロミオ     マリアン・ワルター
マキューシオ  ジーヌ・タマズラカウ
ティボルト   ビスラウ・デュディック
ベンボリオ   アレクサンダー ・シュパック
9日の初日は満員のお客様が盛大なる拍手で迎えてくださいました。本番はセット転換も全てスムーズに行き、オーケストラも素晴らしい演奏でした。
普段は辛口の新聞評も、若いフレッシュペア、ヤナとマリアンのことを褒めたたえていました。
2日前に、キャストの変更が発表されてから本番まで皆一丸となり舞台に臨みました。
9日の本番後は、シュツットガルトバレエ団監督のリード・アンダーソンもスピーチされ、お世辞なのかもしれませんが、公演は大成功だったとの事。マラーホフ監督もスピーチされ、スタッフ、団員に感謝の意を表されました。
2012年の12月でこの作品は50周年だそうですが、そんなことが信じられないほど今でも新鮮で感動する作品だと思いました。

2月9日から19日
ベルリン映画祭が開催され、私も日本映画を数作品見に行きました。
今回は3月11日の震災をテーマにした3作品、他にもアニメ部門やパノラマ部門でも作品が発表されました。
震災がテーマのどの映画も、私のように海外に住む人たちに改めて強いメッセージを語っていました。
テレビやニュースで見たり聞いたりすることは本当に一部分だという事を知らされました。
今も、原発の影響で家に戻れない方々や、避難所で生活されている姿を見ると、心が張り裂けそうな気持ちになりました。
ドイツでは、今となっては主に震災というより、原発のことがニュースになっている毎日です。一番大切なのは人の命、そのことを大変な状況にあるのに文句もそれほど言わず暮らしている方々を見て痛感しました。
ドイツ人や国際視聴者達の反応は素晴らしく、満席で最後まで殆ど席を立つ人がいなかったのと、監督との質問コーナーでも盛んにいろんな事を質問して、その興味の深さを感じることが出来ました。

2月18日
ベルリンフィルハーモニーでマーラー2番「復活」を聞きました。
指揮はサイモン・ラトル。
2月末にフィルハーモニーはカーネギーホール(NY)でコンサートツアーに。
それに先立って、カーネギーホールでのプログラムを全て聞くことが出来ました。
ブルックナー9番4楽章つき、マーラー2番、それとエルガー、ドビュッシー、ショーンベルグ、ドボルザークをミックスしたプログラム。どれもベルリンフィルハーモニーに聞きに行きましたが本当に素晴らしく感動しました。
音楽は本当に、心にゆとりと感動を与えてくれます。

2月23日
マグダブルグに来て24日に行われる初演のGPを見ました。
タイトルは『Dancing in the City』、振付は Gonzalo Galguera 、 Paul Julius
二人が異なった作品を披露しました。
マグダブルグまでは電車で2時間。リハーサルが終わってから小旅行気分で日帰りして来ました。
音楽の機械が故障した為、始まりが1時間半も遅れ、その為Paul氏の作品しか見る事ができませんでした。作品は、ネオクラッシック、コンテンポラリー、ヒップホップ、色々な要素のムーブメントが入っていて内容の濃いものでした。
パ・ド・ドゥはどれも素晴らしく、超高度のテクニックが要求されるリフトやスローイングなども、皆体当たりでこなしていて凄い迫力。
作品は、人間の人生の1コマ1コマを、5つか6つの場面で見せるおしゃれな作品。場面転換も早く、全く違った踊りを見せてくれるのであっという間でした。Paul氏のアイデア、振付、音楽全てにおいて素晴らしかったです。
小さなカンパニーですが、ダンサーの質、皆エネルギーにあふれいきいきしていて感激しました。
24日の初演も大成功を収めたようで新聞評も絶賛していました。

『Dancing in the City』 Photo : Andreas Länder

『Dancing in the City』 Photo : Andreas Länder

『Dancing in the City』 Photo : Andreas Länder

『Dancing in the City』 Photo : Andreas Länder

3月2日
『ロミオとジュリエット』
<キャスト>
ジュリエット  ポリーナ・セミョーノワ
ロミオ     フリードマン・フォーゲル
マキューシオ  ライナー・クレンシュテッター
ティボルト   イブラエム・エナル
ベンボリオ   タラス・ビレンコ
フリードマン・フォーゲルがポリーナのパートナーとしてシュツットガルト・バレエ団からゲスト出演しました。
リハーサルから二人の息はぴったりで、素晴らしいカップル。
フリードマンの演技は本当に自然で物語りに引き込まれました。
ポリーナもとても踊りやすそうでのびのび踊っていました、二人はガラなどでも競演しているので気心が知れていて、リハーサルも和やかに良い雰囲気で行われました。
この公演のチケットは、もはやプレミアム状態。とっくの昔に完全完売なのに、本番の日のチケット売り場にはそれでも諦めずキャンセル待ちに並ぶ人の長蛇の列が出来ていました。ポリーナはベルリン国立バレエ団の正規団員としては、あと少しですが色々なバレエ団でも輝いてくれることと思います。

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

Photo : Emi Hariyama

3月4日
オペラ Jenufaの新作初演。
ドイツ・オペラで公演がありました。何と、1列目の真ん中のチケットを購入することが出来、凄い迫力。最近、ドイツオペラのオーケストラは素晴らしく、今年から主任指揮者のラーニカル氏とオーケストラの信頼関係が築き上げられていることを感じ取れます。この日も心にしみる素晴らしい演奏でした。
演出も素晴らしく、シンプルで美しいセット、良く考えれられて作られて情景やストーリーがよく伝わってきました。ドイツの初演ではブーイングが出るのが常ですが、この日はブラボーの嵐でブーイングは全くなし。本当に珍しいことで、観客も大拍手でした。

3月10日から1週間ベルリン・バレエ団は春休暇です。
皆、自分の国へ帰ったり、旅行に行ったり楽しんでいることでしょう。
来月は休暇後のバレエ団の様子をお伝えします

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

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