ベルリンは5月に入りました。

春にも関わらず不安定な天気が続いていますが、夜は21時を過ぎてもまだ明るいので嬉しくなります。

4月3日から12日までロシアのペルミでアラベスクコンクールのプレス審査員をさせていただきました。ウラジーミル・ワシリエフ審査委員長、ユネスコの由緒あるコンクールです。
これについては別でレポートいたします。

4月17日、24日、29日
「ロメオとジュリエット」の本番
<キャスト>
ジュリエット:ヤナ・サレンコ
ロメオ   :ジヌ・タマズラカウ
ティボルト :レオ・ジャコビナ
マキューシオ:アレクセイ・オレンコ

ペルミコンクールの一こま Photo:Emi Hariyama

ペルミコンクールの一こま
Photo:Emi Hariyama

17日はジヌのロメオ役デビュー。 そして、彼の誕生日でもありました。まだ、同じく、カンパニーメンバーのステファニー・グリンワルド、そして私自身も一つ歳を重ねました。同じバレエ団で3名も同じ日に生まれるなんて珍しいですね。
ジヌはマキューシオのイメージが強くあったのですが、爽やかなロメオを演じていました。
細かい所の演技は、これからもっと詰めて行けば感情がもっと表に伝わりもっと繊細なロメオになって行くと思います。
ヤナ・サレンコは初演の時は旦那であるマリアン・ワルターと主演。ジュリエットを何度も踊ってきているのですが本当にはまり役で、ジヌとのパートナーシップも素晴らしかったです。

「ロメオとジュリエット」Photo:Emi Hariyama

「ロメオとジュリエット」Photo:Emi Hariyama

「ロメオとジュリエット」Photo:Emi Hariyama

「ロメオとジュリエット」Photo:Emi Hariyama

4月18日、19日
トリプルビルの公演。
デュアト、フォーサイス、ゴーケの3作品。
18日はイースター金曜日、休日だったので朝のリハーサルは無しで本番のみでした。


4月20日
ワーグナーのオペラ、タンホイザーを見に行きました。
毎年イースターの季節に行われる国立歌劇場のイースターフェスティバル。
今年は、11日にウイーンフィルハーモニーのコンサートで幕開け。12日にはタンホイザー初演をはじめ、プラシド・ドミンゴのコンサートなど豪華。
この日はフェスティバルの一環のオペラ公演ともあってお値段もいつもの3倍ですが、観客のドレスアップも豪華。素敵な雰囲気の中、幕が開きました。
特に興味深かったのは、振付家のサーシャ・ワルツが演出兼、振付を担当した事です。

指 揮   :ダニエル・バレンボイム
演出構成  :サーシャ・ワルツ
照 明   :デービッド・フィン
タンホイザー:ピーター・ザイフェルト

女性ダンサー8人、男性ダンサー10名
サーシャ・ワルツはドイツでは知られた振付家ですが、今回は演出家としてもステージをデザイン、構成し、ダンサーの踊り、ソリストの歌、コーラスの動きに歌声のコラボレーションが非常に面白かったです。舞台はシラー劇場を思わせる装置で、これも新鮮でした。
バレンボイムの演奏は大好きですがこの日も胸にぐっと来る素晴らしい演奏でした。

4月24日から27日
リガの春、ダンス国際コンクールの審査員としてリガに行ってきました。
これについても別枠で記載したいと思います。

4月29日から5月6日
ベルリンでバレエワークショップを開催しました。
私が小学校を卒業したての春休みに参加したロシアの短期留学、それが私の人生を変え、将来を見据える転機となりました。そんな機会を与えて下さった事、今でも本当に感謝の気持ちで一杯です。

リガコンクールの一こま Photo:Emi Hariyama

リガコンクールの一こま
Photo:Emi Hariyama

これからは、そんな機会を反対に子供たちに与える事ができれば良いなあ、、、と言う気持ちから、初めての事でしたが、色々と勉強しながら何とか無事に終えることができました。
かなり長い期間かけて数十人もの方と打ち合わせ云々、公演チケット購入、スケジューリングからレストラン予約、通訳に引率、パフォーマンスのアレンジ、音あわせなど責任ある事ながら楽しむ事ができました。
私のお願いを快く聞いてくださったり、参加くださった方、色々な方に感謝の気持ちで一杯で最終日を迎えました。

★4月29日
バレエ団の男性クラス見学。そして3時間にわたるレッスン。
夜は全員バレエ団の「ロメオとジュリエット」公演鑑賞。
★4月30日
バレエ団の女性クラス見学。クラシックレッスンの後、芸術鑑賞。国立美術館で絵画・彫刻を見て、ベルリンドーム前で皆楽しそうに踊り、早めの夕食。
★5月1日
この日はメーデーのドイツは休日。この日はベルリン国立バレエ学校でのレッスン。初めての事で皆少し緊張気味。2クラスに分かれてのみっちりレッスンの後、次のクラスは男性クラスと女性ポワントクラス。ランチの間にもプライベートでバリエーションをリハーサルしたり本当に充実。その後、パ・ド・ドゥクラスと体操クラスに分かれて練習。
そして、この日はマラーホフの特別レッスンもありました。
全員、シラー劇場で「オネーギン」を鑑賞。

「ロメオとジュリエット」 Photo:Emi Hariyama

「ロメオとジュリエット」
Photo:Emi Hariyama

★5月2日
マラーホフの特別レッスン。
その後、一日中バリエーションを皆見て頂きました。バレエ学校の先生にもバレエ団に来て頂き、バリエーションを指導して頂きました。
★5月3日
ベルリン国立バレエ学校にて一日中レッスン。
その後、バレエショップなど少しお買い物。
★5月4日
バレエ学校で一日中練習。
急いでディナーの後、フィルハーモニーでダンスと音楽のコラボを見に行きました。ハンブルグジュニアバレエ団の団員が出演。
★5月5日
ベルリン国立バレエ学校の生徒に混じってレッスン。4つのグループに分かれてそれぞれの年齢相応のクラスに入って実際に留学しているような感じ。レパートリー授業。モダンのクラスにも初挑戦。一日しっかりレッスンした後お買い物に。
★5月6日
ベルリンワークショップ最終日。
この日も4つのグループに分かれてクラッシック。そしてレパートリー授業にも参加。
この日は筋力トレーニング、体操にも参加。
18時からはこのワークショップクライマックス、パフォーマンス。
皆、準備してきた、そして期間中もしっかり色々な先生に見て頂いたバリエーションを発表会同様、衣装を着て学校の劇場で披露しました。

この10日足らず、一緒に過ごしてきた皆とお別れするのは寂しい気持ちでもありました。
今後、私は海外と日本の架け橋になるような、そんな事もして行きたいと思っています。
できる事は限られているかも知れませんが、力になれる事があったらしていきたいなあ、、、と思います。

来月はいよいよ、シーズンの最後の月。
最後のプリミエであるドン・ホアンのリハーサルが始まっています。エンターテーメント性高い作品になりそうです。
6月、、、
マラーホフ監督のベルリンバレエ団でのラストパフォーマンス(今の段階でラスト、、、と言う事です)が迫っています。
6月13日カラバッジョ、6月14日チャイコフスキーです。
色々な思いが込み上がってきます。
沢山レポートしますね。

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

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