2010年、明けましておめでとうございます。

今年もどうぞ「踊りある記」をよろしくお願いします。

昨年観た最後のショーはシルク・ドゥ・ソレイユの『ZED』です。
始まる前から客席で二人の道化師が笑いを誘います。この作品はフランスの映画監督、フランソワ・ジラールが演出した作品ですが、シルク・ドゥ・ソレイユ独特なメイクと衣装、そして舞台セットの美しさももちろんありますが、華やかな色と違い危険なショーをするパフォーマーの真剣な顔がとても美しかったです。普通パフォーマー全員が表情のない時は作品が寂しくなったり、何か物足りないのですが、『ZED』はとても豪華なメイクや衣装でそれが補われているので、真剣な顔がかえって神秘的なショーへ持っていっていました。生バンドも素晴らしく、歌とショーを盛り上げていました。日本人のバトンの方の場面も素敵で、タロットやレオナルド・ダ・ヴィンチを思わせる衣装は観客を別の世界に完全に導いていました。

さて2009年の11月、渋谷と横浜のチャコットのスタジオで特別講習会をさせてもらいました!
今回のワークショップはマシュー・ボーンの『くるみ割り人形』から1幕のスケートシーンです。この場面は孤児院の子供たちがクララの夢の中で、 くるみ割り人形に助けてもらい孤児院から脱出して、 初めて自由になりスケートを楽しむ場面です。
振りはスケートを滑るような感じなので、 足もスケート靴を履いているように時々フレックスで踊ります。また、最近のスケートの様でなく、昔のジーン・ケリーやフレッド・アステアの映画に出て来るような時代のスケートなので、少し前屈みのアラベスクやアチチュードをします。そしてペアダンスなのでみなさんに二人一組になってもらいました。
もちろん、「スケート」のシーンに入る前に1時間ほどバレエのバーとセンターを使ってバレエ・コンテンポラリーのクラスをしました。みなさん順番を覚えるのに大変そうでしたが一生懸命ついて来てくれました。その後に、振りを覚えてもらいましたが、真剣にペアの組んだ方と練習をされていました。途中でお互い違う振りを違うカウントの取り方で踊るのですが、渋谷でも横浜でもバッチリ上手にできました! 
最後の8カウントだけ、それぞれのペアで独自の振りを考えてもらいました。まず、一人ずつ4カウントのスケートの振りを考えてもらい、そのペアの一人の振りを相手に教えて、二人で一緒に4カウント踊ってもらい、今度は相手の振りを必ずお互いどこでも良いので触れてもらって、デュエットにしてもらいました。これがみなさんとても上手で、オリンピックを目指せるような振りやとてもかわいいスケートのペアや、アイスダンスのような床(氷の上?)に一人が転がり、相手が立ってそれを支えているようなペアなど、素晴らしかったです!!!

実際にマシューのカンパニーでも、自分たちで振りのアイデアを出しています。ちなみに『くるみ割り人形』のDVDの中で、子供たちが壊れた古いおもちゃをもらい、それをうれしそうに踊るシーンはそれぞれ自分たちで創りました。今回の講習会でも、みなさんに創る楽しさも味わってもらいました。 渋谷スタジオも横浜スタジオでも最後に「とても楽しかった!」と言われて私も本当にうれしかったです。参加された皆さん、どうもありがとうございました。

さて、皆さんの2010年の最初の舞台観劇は何になるのでしょうね?
2010年が皆さんにとって楽しいエネルギッシュな年でありますように。

渋谷スタジオで

渋谷スタジオで

横浜スタジオで

横浜スタジオで

渋谷スタジオで

渋谷スタジオで

横浜スタジオで

横浜スタジオで

渋谷スタジオで

渋谷スタジオで

横浜スタジオで

横浜スタジオで

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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