ダイアリー ~ダンサー日記~

針山愛美さん [ プロフィール ]

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
◆Emi International Arts
◆針山愛美のバレエワールド

From Berlin 針山愛美

2018年、気持ちを新たに

2018年、気持ちを新たにまた色々と勉強させていただきながら一歩一歩前に進みたいと思います。本年も宜しくお願いいたします。
今月はベルリンからお届けいたします。

1801emi_2151.jpg

2010年に改装が始まったベルリン国立歌劇場。2013年に終わる予定でしたが、劇場の地下通路などで歴史的な書物がみつかり調査が必要になったり中々スムーズに進まず、4年以上予定より工事が長引き2017年10月3日に仮オープン、その後一時また閉鎖し、12月に正式にオープンしました。
私は、今回初めて改装後のベルリン国立歌劇場内部に行ってきました。
劇場中の創りは、ほとんど変わっていませんでした。劇場隣接の建物には、私が2004年にベルリン国立バレエ団に入団してから改装するまでずっとリハーサルしていたベルリン国立バレエ団の元スタジオがあった場所があります。今ではイースタンディーバオーケストラ(バレンボイム率いるヤングオーケストラ)の練習場になっています。
バレエのスタジオは無くなりましたが、その建物には以前と変わらず、オフィスや、職員や団員の為のレストランがあり、そこから地下を通って国立歌劇場のステージに行く事が出来ます。
地下通りの道筋はほとんど変わっていませんでした。ただし、地下通りのもっと下、地下10メートルとも思われるところににセットが置ける場所があり、そこがガラス張りで下が見えるようになっているという斬新なデザインでモダンな地下通りになり綺麗になっていました。
劇場ステージ側にあるエレベーターは、以前は手動式でひとつ間違うと途中で止まってしまうほど古いものでしたが、今は新しいものに変わってひと安心。1階から4階に上がる楽屋側の階段は全て新しくなっており、更衣室、楽屋の中なども全て新しくリニューアルされていました。
劇場中の観客側の作りや、客席の色合い、アポロザルと呼ばれる広間、地下のビュッフェはほとんど変わっていませんでしたが、天井が高くなり、シャンデリアは新しく豪華になっていました。
ほぼデザインが変わらない内部を見て昔懐かしい温かい気持ちになり嬉しかったです。
オペラ「ラ・ボエーム」を見ましたが、音響が素晴らしく感動。4年間国立歌劇場の代理の劇場となっていたシラー劇場は少し小さめで音響はあまり優れない環境でしたので、余計にオペラ劇場が戻って来たという実感がわき、ぜひワーグナーのオペラなどを近いうちに見たいと思いました。。
ベルリン国立バレエ団は、月に何度か国立歌劇場でも公演できるようになり、12月、1月は「ジゼル」、「ジュエルズ」が上演されていました。しかし、バレエ団のリハーサルスペースなど本拠地は今もドイツオペラとなっております。

1801emi_2153.jpg 1801emi_2212.jpg
1801emi_2154.jpg 新しく立て直した国立歌劇場にて

大晦日はベルリン・フィルハーモニーのジルベスターコンサートに行ってきました。
サイモン・ラトルが2018年に退任されますが、ベルリン・フィルハーモニーの指揮者としては最後になるジルベスターコンサート、珍しい選曲でしたが、明るく盛り上がるコンサートでした。この日にはメルケル首相も客席にいらっしゃり、最後に観客から拍手喝采を浴びていらっしゃりました。

元旦は、ベルリン国立歌劇場でダニエル・バレンボイム指揮のベートーベンの第九を聞きました。
ベルリン国立バレエ団に在籍していた10年間は、このコンサートで1年を始めることが私の中で恒例の行事となっていました。久しぶりに聞いた本拠地での演奏には感動しました。
やはり本拠地ドイツでの演奏、歌声は心に刺さるものがあり、弦の重厚な響きはドイツそのもの、本当に素晴らしかったです。バレンボイムの音楽作りはいつ聞いてもサプライズがあり大好きです。

さて、1月3日にベルリン国立バレエ団の公演を見る予定でしたが、火災警報装置が作動し緊急装置が始動。劇場に水が流れ出して装置やセットが水浸しになったと言うことで、12月27日から予定されていたバレエの公演がキャンセルになり1月5日現在まだ公演復帰目処はたっていません。
1月3日は公演はキャンセルになりましたが、パフォーマンスの代わりに衣装やセットはなしのステージリハーサルを見せるというイベントが行われました。
お客様は、入場チケットも必要で会場内は正式なパフォーマンスという雰囲気でした。
上演作品は、
ナチョ・ドゥアト版「くるみ割り人形」でサンクト=ペテルブルクや、ベルリンで何度も見た作品ですがリハーサル風景は新鮮でした。
衣装、セット付きで見るのも素敵ですが、稽古着で見ると動きが鮮明にはっきり見えるので興味深く感じました。

<キャスト>
金平糖  Ksenia Ovsyanick
プリンス Murilo De Oliveira
この日に初めてメインロールを踊った「Murilo De Oliveira」は緊張した面持ちながら、のびのびとはつらつと軽やかなジャンプが印象に残りました。
私がバレエ団を退団してから、メンバーがかなり入れ替わったので主演の2人をはじめ、初めて見るダンサーが多数いました。来年からディレクターが変わるのでますます変化しそうです。

ベルリン国立バレエ学校も訪れましたが、相変わらず皆真剣な顔でレッスンに励んでいました。訪れるたびに、恵まれた環境で羨ましく、日本にも国立のバレエ学校ができる日が来れば良いなと思います。

来月は、スロバキアからお届けできる予定です。

[2018.01.10]