ダイアリー ~ダンサー日記~

針山愛美さん [ プロフィール ]

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
◆Emi International Arts
◆針山愛美のバレエワールド

From Berlin 針山愛美

今月は、ベルリンや台湾からお届けいたします。

2010年秋から改装工事が行われているベルリン国立歌劇場がついにオープンします。

1709emi01.jpg (C) Emi Hariyama

10月3日にオープンする予定ですが、9月1週目現在、外装はほぼ完成しているもの周辺はまだまったく整っておらずオープンが本当に間に合うか、と言う状態です。10月3日はオペラではなくコンサート形式でオープニングコンサートを開催し、また12月まで閉じるそうで内部はまだ見ることができないのですが、大改装の後がどうなったか楽しみです。
私が所属していたベルリン国立バレエ団が2010年までリハーサルしていたスタジオや、楽屋は外観は残っていますが、中は全く変わってしまっていて、見ると懐かしく寂しい気持ちになりました。
私達がリハーサルしていた場所や楽屋があった場所は、今は「ピエール・ブーレーツコンサートハウス」になり、室内楽やコンサートが行われています。とても素晴らしい劇場です。

そして、ベルリン国立歌劇場から100メートルほど行ったところでは、100年以上前に存在していたお城を復元しているプロジェクトも着々と進んでいて、数年後には素晴らしい中心地になること間違いなしです。文化的に本当にレベルの高い都市で歩いているだけでも心が満たされるようでした。
ベルリン国立バレエ団は9月15日に公演が始まりますが、ベルリン国立歌劇場では当分舞台がありません。当分はドイツオペラ劇場とコミッシュオペラ劇場で公演をするようです。
9月15日は、ナチョ・ドゥアト振り付けの「眠れる森の美女」で、主演はポリーナ・セミョーノワの予定となっております。
それと2018年から2019年のシーズンにかけて、ダニエル・シムキンがベルリン国立バレエ団にジョイントするそうです。来月レポートいたします。

9月の1週目はバレエのシーズンはまだ始まっていませんでしたが、8月31日から9月18日までベルリンミュージックフェスティバルが開催されていました。
私は、エリオット・ガードナー指揮、モンテヴェルディ作曲のオペラ「ポッペアの戴冠」コンサート形式を聞きました。
そして今ヨーロッパでも一躍話題を浴びているギリシャ出身の指揮者 Teodor・ Currentzis 率いるオーケストラと合唱団 MusicAeterna のモーツアルト作曲「リクリエム」などを聞きました。久しぶりに聞いたベルリン・フィルハーモニーの音色は心に響くものでした。
ヨーロッパでは、コンサートの音楽だけではなく、会場の雰囲気や観客のマナーやそのひとときを楽しんでいる姿を共感すること等を含め、素晴らしい一夜になることを再確認しました。

ベルリン国立バレエ学校は、新学期に戻ってきた元気な生徒たちが早速レッスンしていて活気がありました。このバレエ学校も本当に美しい施設でとても恵まれた環境にあります。

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8月16日から20日にわたり『台湾グランプリコンクール』が開催され審査員を務めさせていただくことができました。
今年で5回目、120名近い参加者がありました。
昨年から国際コンクールとなり、今年もシンガポール、中国を始め海外からの参加も見受けられました。
このコンクールの特徴の1つに、しっかり丁寧に審査をしていたということが挙げられると思います。スカラシップを出す学校の責任者が、レッスン審査を2回見た上でスカラシップの生徒候補をあげ、バリエーションも予選と決戦の2回、演目は同じバリエーション2回踊っても、異なった演目2曲でも可能で、しっかり一人ひとりを見ることができました。
レベルにはかなり差がありましたが、中には才能あり、基礎もしっかり身につけたこれから楽しみなダンサーもたくさん見受けられました。
ダンサー達はしっかりと自分の個性を持っていて、踊る喜びをステージで見せ、観客も温かい拍手を送っていたのが印象に残りました。
そして、日本から出場したダンサーの活躍も目覚ましいものがあり、シニアとジュニア部門ともに1位でした。
毎年行われるコンクール、これからまた楽しみです。

<結果>
2017 TGPIBC PRIZE WINNER入賞者
シニア部門

1位:本岡 直也 Motooka Naoya(日本)
2位:織戸美莉 Orido Miri(日本)
3位:周思岑 Chou Szu-Tsen(Taiwan)
4位:杜筱琪 TU, HSIAO-CHI(Taiwan)
5位:李睿晨 Lee Jui Chen(Taiwan)
6位:賴宥杉 LAI ,YU-SHAN(Taiwan)

ジュニア部門
1位:新崎日菜子 HINAKO SHINZAKI(日本)
2位:Stefanie Sew(Singapore)
3位:叢逸泯 TSUNG,YI-MIN(Taiwan)
4位:Skye O’Toole(U.K.)
5位:羅宇暄 LO,YU-HSUAN(Taiwan)
6位:黃綉媛 Vong Sao Wun(China)

プレコンペティション部門

1位:陳歆茜 CHEN, HSIN-CHIEN(Taiwan)
2位:李悦绮 Lee Yue Qi(Singapore)
3位:Akari Shimizu(日本)
4位:王語薇 WANG,YU-WEI(Taiwan)
5位:賴貝怡 LAI,BEI-YI(Taiwan)
6位:陳艾歆 Chen, Ai- Hsin(Taiwan)

1709emi06.jpg 台湾グランプリ 1709emi07.jpg 台湾グランプリ

7月の末に、ウラジーミル・マラーホフと一緒に踊らせて頂く機会がありました。
今回は舞台で踊ると言う事よりも、それに向かう練習過程が、私の人生でもかけがえのない経験となりました。
彼とは10年以上一緒に仕事をさせていただきましたが、世界のトップのダンサーになる方は、才能だけではなくそれに向かって進むその姿勢と壁を乗り越えるその力を備え持った人だと言うことを確信しました。
鉄のように強い意志で毎回リハーサルし、その真剣さ、情熱が肌を通して伝わりました。
私の意思の弱さでは、壁にぶち当たり先に進めなかったところを、どんなことにも全力で向き合い、立ち向かい壁を越える事が可能だという大切な事を学びました。本当に心から感謝と言うしかありません。
色々な意味で、踊りだけではなく人生において本当に大切なことを教えていただいた数日でした。

11月12日に静岡県伊東市で夢コンサートを開催いたします。
http://izufull.com/m/event_print.php?eid=Li7IpKFSBI
http://mirai.jtb.co.jp/rweb/kokunai/pages/CourseData.aspx?COURSENO=M43050&GAMENID=kensakukekka_d

[2017.09.11]