2016年も最後の月になりました。

今年は、世界中様々な所をバレエを通して見ることができ、世界観が広がり、また人生の勉強にもなりました。
今月は、ヨーロッパとカザフスタン、日本からお届けいたします。

11月24日
ベルリン国立バレエ団の「ジゼル」、同バレエ団久々のクラッシック作品を見に行きました。今シーズン最後の公演ということで、沢山のお客様が見にいらしていました。

<キャスト>
ジゼル:ヤナ・サレンコ
アルブレヒト:ジーヌ・タマズラカウ
ヒラリオン:ドミニク・ホダル

パトリス・バルト版で、以前から上演している作品です。
主演の2人は、感情のこもった白熱の演技とともにゆるぎないテクニックを見せてくれました。ヤナのジゼルは、1幕は自然で素朴、清楚な雰囲気でジゼルそのもの、しかしどこにいてもオーラを醸し出していました。
狂乱の場面のヤナ、ジーヌの演技は演技を超えて、ジゼルとアルブレヒトそのもので、ドラマティックで心を惹きつけられました。

(C) Emi Hariyama(すべて)

(C) Emi Hariyama(すべて)

ジーヌは、彼自身「ジゼル」が1番好きな作品だと常々言って居ましたが、感情溢れる気迫のこもった素晴らしいアルブレヒト、ヤナは今が本当に旬、感動のジゼルでした。

(C) Emi Hariyama

(C) Emi Hariyama

(C) Emi Hariyama

(C) Emi Hariyama

さて、11月下旬から12月初めにかけて、2016年の9月に創立したばかりのカザフスタン国立アスタナバレエ学校を訪れました。
ウラジーミル・マラーホフ氏のマスタークラスも行われ、バレエ学校にとって初めてのゲスト講師となりました。
バレエ学校の芸術監督は、マリインスキー劇場の元プリマバレリーナであり、元ワガノワバレエ学校の芸術監督であったアルティナイ・アシルムラートワです。
教師の多くはモスクワ国立 ボリショイバレエ学校や、サンクトペテルブルグ ワガノワアカデミー、そしてカザフスタンの都市アルマータのバレエ学校を卒業した方や、教師を勤めていた優秀なダンサーが各地から集まり教えています。
国家の肝いりで創立されたバレエ学校は、バレエ学校では世界で1番大きい施設とも思われる壮大な建物を伴い、500名の生徒が既に存在します。建物の中には、バレエ学校や芸術大学アカデミの生徒のための寮も備え、その他教師のためのアパートがあります。
食堂もあり、生徒は外に出なくても過ごせるようになっています。
バレエ学校には、21室の素晴らしいスタジオがあり、それぞれのスタジオの床は異なった色のリノリュームがひかれていました。

(C) Emi Hariyama

その他、体育館、プールなども供え、学生用の小さなステージもあります。
そして、建物には、名称"アスタナバレエ劇場"と名付けられた大劇場をも有します。

(C) Emi Hariyama

ウラジーミル・マラーホフ氏

ウラジーミル・マラーホフ氏

バレエ学校の外観

バレエ学校の外観

アスタナバレエ学校

アスタナバレエ学校

2016年12月10日には、バレエアスタナのバレエ団の劇場のオープニング公演行なわれ、こけら落としとなります。
私は、こけら落としの少し前にアスタナからベルリンに戻ったので、開幕式を見ることができず残念でしたが、建設最後の仕上げ真っ最中の劇場を見せてもらいました。

アスタナバレエ劇場

アスタナバレエ劇場

アスタナには、"アスタナオペラバレエ団"と"バレエアスタナ"の2つのバレエカンパニーが存在します。
バレエアスタナは、2016年10月に日本に初来日をしたところです。30人のダンサーを備える主に女性専属のバレエ団で、現在は男性が4人のみですが、幅広い活動を繰り広げています。
今後はアスタナバレエ劇場をホーム劇場にして活動すると言うことでとても楽しみです。

12月10日オープンの劇場の内観

12月10日オープンの劇場の内観

12月10日オープンの劇場の内観

12月3日
アスタナオペラ劇場 で"Karagoz" と言う作品を見ました。
カザフスタンの民族舞踊を取り入れたバレエで、2幕の構成でした。 作曲-Gaziza Zhubanova
演出振込-Vakil Usmanov
音楽監督 - Abzal Mukhitdinov
指揮者 - Arman Urazgaliyev
セットデザイン- Sofya Tasmagambetova 、Pavel Dragunov
<キャスト>
Karagoz - Anel Rustemova
Narsha - Tair Gatauov
Syrym - Arman Urazo
Morzhan - Mariko Kitamura

オペラ劇場内観

オペラ劇場内観

先にも触れたアスタナに存在する2つのバレエカンパニー、そのうちのもう1つ、アスタナオペラ劇場をホーム劇場とするアスタナオペラバレエ団の公演でした。
先にも述べたアスタナ国立バレエ学校芸術監督も兼任する、アルティナイ・アシルムラートワが2年前から芸術監督を務めています。バレエ団のダンサーは約100名、創立は5年前と言う若いバレエ団ですが、今後が本当に楽しみです。

劇場は1250席の大ホールと、小ホールを有し、2013年6月21日にオープンしました。
ヨーロッパの風格と、カザフスタンの風格を伴う美しく豪華、客席の配置もどの席からも見やすい造りとなっていました。
バレエ"Karagoz" は、ジゼルのカザフスタン版とも言える内容。
1幕は三角関係を描くラブストーリー。2幕は気が狂った"Karagoz" が幻想を見る場面でコールドバレエが踊る場面も迫力がありました。
今年独立25周年を迎えるカザフスタン、国も新らしい首都アスタナの発展、バレエ団と今後が楽しみです。

次回はお届けする際は、2017年。
また新しい情報をいろいろお届けしたいと思います。
本年、お世話になった方々、全ての皆様に心から感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

オペラ劇場

オペラ劇場

アスタナオペラ劇場

アスタナオペラ劇場

アスタナの街

アスタナの街

(C) Emi Hariyama

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

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