2011年 今年の幕開けは何と言っても日本ツアーでした。

ベルリン国立バレエ団の日本公演の為、90名のメンバーのうち、68名のダンサーとスタッフとで来日しました。

1月12日
日本到着!2階建ての新型飛行機で日本に上陸しました。その後バスでホテルへ。
この日はお休み、私は家族に会いに行きましたが、皆はきっとゆっくり寝たのでは??各自自由行動でした。

1月14日
東京文化会館でリハーサル。
クラスの後、久しぶりの通し稽古。オーケストラの演奏で、お客様をお迎えしてのリハーサル。
場当たりも何もしないでいきなりのリハーサルでしたので、要所要所で音を止めながらリハーサルを進めていきました。
2キャスト交代しながら3時間に及ぶリハーサル、お客様は最後まで見て下さいました。

クラス風景

クラス風景

1月15日、16日
『シンデレラ』の2回公演、16日は1回公演。
実は本音を言うと、前日14日のリハーサルの後、本番はどうなることやら、、、と思っていましたが何とか無事終了。
ベルリン国立バレエ団の『シンデレラ』はマラーホフ監督自らの振付演出。
普通のストーリーとは少し違って、バレエ団の内部ストーリーに作り変えられています。
初めて御覧になった方はびっくりされたのでは。。。。!

15日
『シンデレラ』昼キャスト
シンデレラ&王子=ポリーナ・セミョーノワ&ミハイル・カニンスキー
意地悪ダンサー役=ウラジーミル・マラーホフ&フェデリコ・スパレッタ

『シンデレラ』夜キャスト
シンデレラ&王子=ヤナ・サレンコ&マリアン・ワルター
意地悪ダンサー役=ライナー・クレンシュテター&フェデリコ・スパレッタ

姪っ子マリアと

姪っ子マリアと

16日
『シンデレラ』キャスト
シンデレラ&王子=ポリーナ・セミョーノワ&ミハイル・カニンスキー
意地悪ダンサー役=ライナー・クレンシュテター&フェデリコ・スパレッタ

1月17日
ガラのリハーサル、18日本番。
今回はマラーホフ監督のお母様も来日され、初めての日本を楽しんでいらっしゃいました。
ショッピングや観光など色々堪能され、日本がとっても素敵な国なので、ウラジーミルが日本によく行くわけがわかったわ、、、とおっしゃっていました。

1月19日
『チャイコフスキー』のリハーサル、20日本番
キャスト
チャイコフスキー=ウラジーミル・マラーホフ
妻=ナディア・サイダコーワ
チャイコフスキーの影=ビスラウ・デュディック
メック婦人=ベアトリス・クノップ

マラーホフ監督のお母様と

マラーホフ監督のお母様と

実は、大変でした。
今だから書けるのですが、インフルエンザがバレエ団内で大流行。
19日のゲネの段階で男の子と女の子各1人が病院で新型インフルエンザとわかり、ホテルで大事をとっていましたが、翌20日になり女の子3人が同じく感染とわかりアウト。
5人のダンサーの出演部分を他のダンサーでカバーしなければならず、20日の本番前はぎりぎりまで緊急リハーサルが行われました。どうなるかと思いましたが、さすが皆プロ。
何とか穴を埋めることが出来、無事幕を降ろすことが出来ました。
『チャイコフスキー』はエイフマン振付演出。
タイトルロールを演じるマラーホフ監督は本当に、袖で見ていてもぐっとくるものがあります。毎回、公演ごとに、チャイコフスキーとマラーホフ監督が重なって見えるくらい、演じているというより本人そのものなのです。素晴らしいと思いました。

1月21日
日本に来てから久々の休日でした。
皆、様々な過ごし方をしたようです。
日本来日が初めてのダンサーもかなり多く、皆のお手伝いも含め、私は何でも屋さん!のような役割になってしまいました。
この日は、私もはじめ、何人ものダンサーやスタッフは相撲を見に行きました。
私自身も、生でお相撲を見たのは初めて。
国技館内では写真撮影大会と化していました。
皆、とっても喜んで記憶に残る休日になったようです。

Photo:Emi Hariyama

東京最終公演後

1月22日、23日
『チャイコフスキー』の本番
22日キャスト
チャイコフスキー=ウラジーミル・マラーホフ
妻=ナディア・サイダコーワ
チャイコフスキー分身=イブラエム・オナル
メック婦人=エリザ・カブレラ

23日は2日と同じキャスト
2日続けて『チャイコフスキー』の公演。セカンドキャストは初日とはまた違った雰囲気で、それぞれ良かったと思います。マラーホフ監督は体力的に大変だったと思いますが、そんな事は全く感じられない元気な監督。さすがです。。。
東京最終公演の後は、金の紙吹雪とSAYONARAの垂れ幕がおりて来て感激しました。
幕が下りた後、皆はしゃいでまたまた写真撮影大会が繰り広げられました。

東京最終公演後

東京最終公演後

特製ケーキ

特製ケーキ

1月24、25日は『チャイコフスキー』3回公演の後、2日間お休み。
皆、様々な観光プランをたて、鎌倉や箱根、富士に行ったりお買い物したりリフレッシュ。

1月28日
新幹線で大阪へ。皆、新幹線に感動し、写真撮影大会。
車内では珍しいのか、皆ワゴン販売で飲み物や食べ物を買って、楽しんでいました。皆が色々選びながら買うおかげで車内販売のお姉さんは私たちの乗る号車に15分位いらっしゃいました。途中、雪景色も美しかったです。
ホテルに到着してからは自由行動。私は大阪出身なので、大阪駅はとても懐かしく感じました。

新幹線待っています

新幹線待っています

1月29日
兵庫県立芸術劇場にて『チャイコフスキー』
キャストは22日と同じ
私自身もバレエ団もこのホールで公演したのは初めてでしたが、素晴らしいホールに感激でした。
日本公演最後の『チャイコフスキー』、しかもインフルエンザの皆が戻ってきたこともあり、全員で一つになった公演でした。

1月30日
日本ツアー最終日は琵琶湖ホールにて『シンデレラ』。
この日は、マラーホフ監督は意地悪なダンサー役で締め!でしたが、2幕の登場のシーンでアドリブでピンクのハート型の大きなサングラスをかけて登場。突然の不意打ちで、舞台上で笑いが止まらなくなってしまいました。『シンデレラ』は皆リラックスして公演に望めるので終始和やかな雰囲気でした。
最終公演が終わり寂しくなります。。。。

琵琶湖公演後

琵琶湖公演後

1月31日
皆、日本を満喫し、ベルリン帰路へ!
見に来て下さったお客様、本当に有難うございました。
ダンサーの皆、そして私にとっても忘れられないツアーとなりました。
日本公演後、冬休みが数日私を含め何人かは日本に残りました。

さて、ベルリンに戻ってきました。
早速公演がありました。

2月8日
「マラーホフとフレンド」
去年に引き続き同じ内容の公演です。
マラーホフ監督はジュリーケントと『マノン』のパ・ド・ドゥ、ナディアサイダコーワと『ル・パルク』のパ・ド・ドゥ、『瀕死の白鳥』の3作を踊られました。貫禄でした。
チケットは3日とも完全完売。
ですので、袖から見ましたがいつ見ても素晴らしい
東京バレエ団から、上野水香ちゃんと高岸直樹さんも元気に到着され、前回に引き続き素晴らしい踊りを披露してくださいました。
東京バレエ団の日本公演が終わって、すぐに飛んできて下さった御二人、、、そんな疲れも見せず輝いていました。
お客様もとても盛り上がり素晴らしい雰囲気の公演となりました。

さて、今月は『オズの魔法使い』のリハーサルに集中です。
私は出演していませんが、またレポートしますね。

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

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