【くるみ割り人形で世界1周】オーストラリア・バレエ
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真夏のクリスマスに上演される『くるみ割り人形』はマカリスターからホールバーグへと受け継がれたピーター・ライト版
香月 圭 text by Kei Kazuki
オーストラリア・バレエ The Australian Ballet
『くるみ割り人形』The Nutcracker
振付:振付:ピーター・ライト、レフ・イワーノフ、ヴィンセント・レドモン
美術・衣裳:ジョン・マクファーレン
2026年11月28日~12月16日
シドニー・オペラハウス
https://australianballet.com.au/performances/the-nutcracker

Ako Kondo in The Australian Ballet's production of The Nutcracker by Sir Peter Wright © Daniel Boud
真夏のクリスマスを迎える南半球最大のバレエ・カンパニー、オーストラリア・バレエでは『ストーリーバレエ:くるみ割り人形』が上演される(2025年12月18日~2026年1月4日シドニー、2026年1月8日~11日キャンベラ、2026年1月15日~18日ブリスベン、2026年1月22日~25日メルボルン)。
ナレーターによる解説付きのインタラクティブな1時間弱の公演で、3歳以上の子供向けに最適なバレエ入門体験だ。マリウス・プティパの原振付に前芸術監督デヴィッド・マカリスターが追加振付・演出を行った舞台だ。
また、2026年11月末~12月中旬には、ピーター・ライト新版『くるみ割り人形』が予定されている。メインビジュアルに採用されているのは、2015年からプリンシパル・アーティストを務める近藤亜香。今年5月の日本公演『ドン・キホーテ』ではキトリ役に主演し、華麗なテクニックで観客を魅了し、生命力に溢れた華のあるヒロインを好演した。2019年11月30日シドニー・オペラハウスでのオーストラリア・バレエの『くるみ割り人形』公演は、https://www.chacott-jp.com/news/worldreport/australia/detail015680.htmlに紹介されている。

Drew Hedditch in The Australian Ballet's production of The Nutcracker by Sir Peter Wright © Daniel Boud

The Australian Ballet's production of The Nutcracker by Sir Peter Wright © Daniel Boud
オーストラリア・バレエでピーター・ライト新版『くるみ割り人形』が初演されたのは、2007年9月のことだった。デヴィッド・マカリスターの芸術監督在任期間中、大いに人気を集め、数年ごとに定期的に再演されている。マカリスターは、バーミンガム・ロイヤル・バレエがピーター・ライト演出によるこの作品を90年代始めに初めて観劇し、これまで観た『くるみ割り人形』の中でも最高の作品の一つだと考えている。「あの変身シーンはまさに魔法のようでした」「初めて観た時は、どうやって木を成長させて舞台全体を覆い尽くさせたのか、理解できませんでした。」(タイムアウト・シドニー版 2018年9月24日)「この古典作品の中でも、最も美しいヴァージョンだと心から信じています。その精緻な舞台美術、優雅な振付、そしてジョン・マクファーレンによる豪華な舞台装置が見事に融合しています。すべての瞬間を視覚的にも感情的にも堪能でき、チャイコフスキーの楽譜を見事に再現しています。」とマカリスターは語っている。(オーストラリアン・アート・レビュー 2019年9月17日)

The Australian Ballet's production of The Nutcracker by Sir Peter Wright © Daniel Boud

Joseph Caley and Mia Heathcote in The Australian Ballet's production of The Nutcracker by Sir Peter Wright © Daniel Boud
2010年にマカリスターからの招待を受け、ピーター・ライト新版『くるみ割り人形』に客演したのが、当時アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル・ダンサーだったデヴィッド・ホールバーグだった。そして、2021年にマカリスターの後を継いで、オーストラリア・バレエの第8代芸術監督に就任したホールバーグは、2024年11月末~12月中旬シドニー・オペラハウスで、かつて自分が踊ったピーター・ライト新版『くるみ割り人形』を上演した。11歳でバレエを始め、それから間もなくバレエ・アリゾナの『くるみ割り人形』で小さな役を演じたホールバーグは、毎晩舞台袖から残りのショーを見続け、ダンサーたちの目的意識や集中力に釘付けになり、そして彼らへの畏敬の念を抱くようになる。「私はバレエにすっかり魅了されました」と、ホールバーグは著書『A Body of Work: Dancing to the Edge and Back』に記している。

The Australian Ballet's production of The Nutcracker by Sir Peter Wright © Daniel Boud

Sharni Spencer and Joseph Caley in The Australian Ballet's production of The Nutcracker by Sir Peter Wright © Daniel Boud
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