【くるみ割り人形で世界1周】サンフランシスコ・バレエ SAN FRANCISCO BALLET

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2025/11/21掲載

バレエ

サンフランシスコの1915年に開催された万国博覧会を舞台に当時の街を背景に展開

香月圭　text by Kei Kazuki

サンフランシスコ・バレエ SAN FRANCISCO BALLET
『くるみ割り人形』Nutcracker

振付：ヘルギ・トマソン
美術：マイケル・イヤーガン
主演：サーシャ・デ・ソラ、ニキーシャ・フォゴ、ウォナ・パーク、ジャスミン・ジミソン、倉永美沙、マックス・ホーソーン、キャヴァン・コンリー、エステバン・エルナンデス、ハリソン・ジェームズ、ジョセフ・ウォルシュ、ウェイ・ワンほか

2025年12月5日～28日戦争記念オペラハウス（War Memorial Opera House）
https://www.sfballet.org

サンフランシスコ・バレエの『くるみ割り人形』は、2022年に退任した前芸術監督ヘルギ・トマソンが振付を手がけ、2004年に初演された。舞台は1915年のサンフランシスコ、当時開催された万国博覧会（パナマ・パシフィック万博）を背景にした演出となっている。サンフランシスコの当時の歴史や建築、暮らしを物語に取り込んでおり、地元の伝統的なホリデー・ファンタジーとして人気がある。特に第1幕のパーティーシーンでは、当時サンフランシスコで普及し始めた電気が点灯される演出があり、「ライトをプラグで点ける」という瞬間が劇中で重要な見せ場となっている。

Jacey Gailliard, Jakub Groot and San Francisco Ballet School Students in Tomasson's Nutcracker // © San Francisco Ballet, photo by Lindsey Rallo

Fernando Carratalá Coloma and San Francisco Ballet School Students in Tomasson's Nutcracker // © San Francisco Ballet, photo by Lindsey Rallo

2025年公演の主要キャストには、金平糖の妖精役でサーシャ・デ・ソラ、ニキーシャ・フォゴ、ウォナ・パーク、雪の女王役でフランシス・チャンとジャスミン・ジミソン、雪の王役でキャヴァン・コンリーが出演する。そしてグラン・パ・ド・ドゥには、チャン、デ・ソラ、フォゴ、ジミソン、パーク、倉永美沙、マックス・ホーソーン、キャヴァン・コンリー、エステバン・エルナンデス、ハリソン・ジェームズ、ジョセフ・ウォルシュ、ウェイ・ワンの出演が予定されている。

SunMin Lee in Tomasson's Nutcracker // © San Francisco Ballet, photo by Lindsey Rallo

プリンシパルの倉永美沙は大人のクララとして王子に変身したくるみ割り人形とグラン・パ・ド・ドゥを踊る。また、イングリッシュ・ナショナル・バレエから移籍したフランチェスコ・ガブリエラ・フロラはくるみ割り人形／王子役でグラン・パ・ド・ドゥを初披露する。

2020年にウィーン国立バレエから移籍したプリンシパルのニキーシャ・フォゴとソリストのサーシャ・ムハメドフ（イレク・ムハメドフの娘）は金平糖の精を演じる。2023年に入団したコール・ド・バレエの中野里美も今後が期待される。

サンフランシスコ・バレエの前身は、バレエマスターのアドルフ・ボルムが1933年にサンフランシスコ歌劇場の付属バレエ団を設立し、これがアメリカ最古のプロのバレエ団だったことは意外と知られていないかもしれない。1940年、付属バレエ団はサンフランシスコ・オペラから完全に独立してサンフランシスコ・バレエ団となった。アメリカで最初に上演された『くるみ割り人形』は、初代芸術監督のウィリアム・クリステンセンが振付け、81年前の1944年に初演されたプロダクションだった。

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