今年の夏よりバーゼル劇場バレエの芸術監督兼専属振付師を務めるマルコ・ゲッケが新たに振付けた『くるみ割り人形』を発表する。おなじみの古典バレエ『くるみ割り人形』にマルコ・ゲッケの振付によって新たな解釈が加えられ、観客はありきたりで感傷的なクリスマスの牧歌とはかけ離れた、夢と現実の狭間にある魅惑的な世界へと誘われる。バーゼル劇場バレエは、この多面的なヴィジョンを、卓越した表現力と様式的な精密さをもって舞台に描き出す。

バーゼル出身で、2014年から2024年にかけて12以上のバレエ作品を指揮してきたトーマス・ヘルツォークが地元のバーゼル交響楽団を率いて、チャイコフスキーの有名なオリジナル楽曲から音楽の輝きを引き出す。このオーケストラ・バレエ作品によって、バーゼル劇場バレエは音楽史に残る名曲の一つを新たな視点で観客に提示し、人と違うことは欠点ではないという自信と信念を呼び覚ますことをねらいとしている。