解説:文葉

ピラティス

(英/pilates)

 20年代初頭に、ドイツ人看護士ジョゼフ・ピラティスが編み出した、「バレエ」や「ヨガ」のエッセンスを取り入れたエクササイズ。ダンサーにとって、身体に変な負担をかけずに、体の芯の筋肉を鍛えることで、しなやかな身体で躍れるようになる、負傷しない身体になるボディ・コンディショニングのための運動です。ピラティス氏が自身の虚弱体質改善のために考案したものを負傷兵のリハビリ・プログラムに取り入れたのがきっかけで、医療の分野に浸透してゆきます。そして、1926年ニューヨークにスタジオを設立後は、マーサ・グラハム、ジョージ・バランシンなどダンサーに支持され更に発展をみせることになりました。

 コントラクション・リリースといったグラハムメソッドの基本が、「身体の中心から」エネルギーを動かすことに主眼を置いていることを考えると、ピラティスとの関係は切っても切れませんね。現在も医療、パフォーマー、スポーツ選手のケガ予防にとそれぞれの用途にそって一番効果があるように開発が進められています。最近は、ハリウッド女優やモデルが火付け役となり、新しいダイエット方法として一般的に注目を集めています。注目される理由は健康への関心はもとより、癒しがもてはやされる現代のこと、ピラティスの呼吸法でリラクゼーションも得られる!という苦しいどころか、一石二鳥で痩せられるおいしい点なのかなと思います。

 私がボディ・コンディショニングを体験したのは、バレエのレッスンの一環でかれこれ10年近く前。「バー・センターだけのレッスンじゃだめ、身体を壊すから」と習っている先生に勧められて講習会を受講しました。まず寝そべる。緊張して天井を見つめる私に、吐ききってる息をさらにもっと「吐いて~」って無理難題を先生は言うし、背骨をひとつひとつ意識するなんてイメージ、それまで考えたこともなかったし、集中しないと変な筋肉がついてしまう!という恐怖と、こんな静かな運動が上達への1歩なの?という半信半疑な気持ちが入り混じる中、それでも想像力をたくさん働かせて挑んでみると、想像することが身体をいたわることにつながり、とても心地良い。筋肉と楽しくスムーズに会話できるようになるのは、一朝一夕じゃ無理なことは皆さんご承知のことだと思いますが、ちょっとずつ思い出したようにやっていた不真面目な私も、今となっては、身体の芯を少なくとも理解できるようになり、芯がある人はとても美しく動けることがわかります。左右の歪みや不調も日ごろすぐに感じて直せますし。身体と心って好不調が連結してるんだなってことも実感できます。バレエを始める人にも、まずピラティスをお勧めしたいです。躍りに必要な筋肉、身体をコントロールする感覚など、ストレッチとは異なるピラティスで培えると上達も早くなると思いますよ。そうそう、とかく、体がなまりがちなPCヘビーユーザーにもお勧めしたいですね。こっそり、人目のつかないところで(堂々とやっていただいてもいいか)立ってもできる応用編で短い時間で気分転換。しゃっきり仕事もはかどる、はず。