ア・テール/アン・レール(仏/à terre/en l' air)

ア・テールは「地面に(つけて)」、アン・レールは「空中に」。
どちらも、バレエを踊るときの足、特に足の裏がどうなっているか、状態を指します。 テールterreは「大地」「地面」、エールairは「空気」。ア・テールとアン・レール、2つを英語にしてみると、on the groundとin the airということ。これが足裏と組み合わさると...イメージが湧いてきたでしょうか? つまり、足裏全面が床に接していればア・テールで、動足の足裏全体が床から離れて空中にある状態はアン・レールです。

それぞれ、どんな時に使われるのでしょうか。 バーレッスンで、同じ足の運びでバージョンを変えて繰り返すことがままあります。初回は軸足をア・テールにして行い、2回目は軸足をつま先立ちのルルヴェで行うのです。そうやって、バランス感覚、身体の内部の軸を感じていくことを覚える。脚部だけで脚を動かしているのではなく、身体全体で踊るんだ、インナーマッスルを使って身体を引きあげることができて足は動くんだということを筋肉に覚えさせていくのですね。

ア・テールとアン・レール、同じ動きのバージョン違いではないことがあります。動足を回す動きのロン・ドゥ・ジャンブrond de jambe。ア・テールrond de jambe à terreでは動足を身体の前、横、後ろ(もしくはその逆周りも)をなめらかにつなぐように回します。ところが、アン・レールrond de jambe en l'airとなったら、横に足を上げ、膝を止めたまま膝下だけを回す動きになるのです。
(→詳しくは「ロン・ドゥ・ジャンブ」の項をご覧ください)
ア・テールで行う場合とアン・レールで行う場合と、どちらも身体の中心から脚が動いていることを意識するのですけれど、アン・レールになったらもっともっと、「自分って脚長いな」って、自惚れない程度に思わないとだめなんです。もちろん、思うだけじゃなく、数センチ脚が長いつもりで伸ばす力を発揮しながら、です!

 

[解説]
文葉

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