駄目出し(だめだし)

演出家から演出上の要望や注意を、スタッフ、演者に出すこと。
駄目なところを言うことだなと、初めて聞いても想像しやすく通じる用語だと思います。が、駄目ってそもそもなんなのでしょうか?

実は囲碁の世界からきた言葉なのです。囲碁は白と黒の石の数を競うのではなく、白黒双方それぞれ石で囲んだ陣地の広さ(目の多少)を競うゲーム。石で囲まれていない部分、どちらの地所にもならない所を駄目と言い、そこに石を打っても自分の陣地とはならず、価値がない行為になってしまうのだそうです。無駄になる目だから駄目。自分の陣地にならず好ましくない目だから駄目。

演出家がいなくても、皆さん、多少なりとも日常的に駄目出ししながら生活してると思うのですが。自分で好ましくない状況を客観的にとらえるのは難しいですよね。プライドが全くない!という人いないと思うのです。耳に痛いことも素直に聞かないといけないと思いつつ...。また、駄目出しを出してあげる立場になったとき、これはこれで難しさを痛感するんですね。考え方によっては駄目出しする方が苦痛を伴うかも。歳を重ねて思うのは、注意してくださる方は大切にしなければ!愛のムチ、耳が痛いなんて言ってられませんね。

 

[解説]
文葉

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