解説:文葉

バトン

 舞台には天井から吊り下げているものがたくさん存在します。その吊り下げる土台となるのがバトンです。舞台上から天井を見上げると、舞台の間口よりも長いくらいの棒が、舞台前方から後方まで、いくつも並行に走っているのが見えるでしょう。それらがバトンで、手動や電動で昇降させて使います。手動の場合は綱が舞台の袖にあって、そこで操作します。

  緞帳が上がりきった舞台に何が見えますか?

  例えば『ジゼル』の第二幕を思い起こしてみると、ジゼルのお墓が下手にあって、周囲にはうっそうとした森の木々が広がり。舞台上部からもちらほら、葉が茂っていたりしませんか? あとは…、光も見えるでしょう。 舞台上部からの葉や光、これらがバトンに吊ってあるのです。それぞれ美術バトン、照明バトンに分かれて舞台が始まる前の仕込み時間に吊っていきます。この仕込み時間、「(バトンを)飛ばしまーす!!!」または「下ろしまーす!」と綱元でバトンを操作する人から声がかかりますから、そのときはバトンから体を離したり、上方からのバトンに注意すること。「飛ばす」は下から上に、「下ろす」は上にあるものを下に移動させることを意味します。舞台上は危険がたくさん。ぼやぼやしていると怒られます。