解説:文葉

タランテラ

(伊/tarantella)

 民族舞曲シリーズ第2弾。南イタリア生まれで、8分の3拍子か6拍子のテンポの速い躍動的なのが特徴です。もともとはカスタネットやタンバリンなどを用いた踊りの曲だったのが、19世紀以降、芸術音楽に洗練されていきました。特にショパンやリストの作品が有名です。タランテラの由来は、タラント地方で生まれたという他に、「タランチュラ」という毒蜘蛛から来たという説があります。17世紀、毒蜘蛛に刺されたらタランテラを踊り狂い、汗と一緒に毒を体外に排出させたという言い伝えがあるとか。さらには「タランティスモ」という病気にかかると信じられていたそうです。先日、女性解放論を呼び起こした社会劇、イプセン作の『人形の家』の改訂版(日本に舞台を移したもの、鈴木裕美さん演出)を見に行きまして。にっちもさっちも行かなくなった妻が「タランテラを練習しなくては!」とぎりぎりの精神状態で夫に立ち向かうシーン。踊って夫の気を紛らわせるほかに、タランテラの踊りの解毒作用で事態が好転すればいいと願ってたのかしら?バレエのタランテラは、ブルノンヴィル振付『ナポリ』第3幕の“タランテラ”が有名。パ・ド・シスとともにしばしば独立して上演されています。バランシンの振付『タランテラ』(音楽:ゴショークGottschalk)もよく知られてますね。