解説:文葉

立見(たちみ)

 公演を立ったまま観ること、またその場所を指す。
 全席立見の公演でない限り、当日チケットが買えなかった人たちが立見をします。当日券も補助席も全部はけちゃってそれでもお客さんを入れなくては!という緊急事態が発生してしまったときですね。疲れます。ただし、そこに集う人々は、「観たい」と思って訪れた人の中でもとにかく根性アリで熱気帯びていて、場所取りが大変ですがその人たちと肩を並べているのが妙に楽しかったり。

  全幕バレエやガラ・コンサートの会場では滅多にありません。例えば東京文化会館、簡易保険ホール、NHKホール、新国立劇場などでは立見用のスペースはありませんし、通路を人で埋めることは消防法で禁止されているんです。立見があるのは、歌舞伎、お芝居、そして小スペースでのダンス公演の類です。歌舞伎は、幕見(まくみ)もしくは一幕見(いちまくみ)と呼ぶ、一つの演目だけ観られる制度があって、満席でなくても立見ができます。

  私が立見に挑む際、気になるのはやっぱり“体調”。それ如何で集中できるかできないか、公演を楽しめるか否かが決まってしまうから!でもですね、立ってるだけで不思議なことに普段よりもテンションあがるんですよ。受け身から攻めにギアチェンジというか。手すりと友達、壁と友達も悪くありません。