シンコペーション(英/syncopation、伊/sincope、仏/syncope)

日本語では、切分音。音楽用語辞典を見ると、「同じ音高をもつ弱部の音と強部の音が結ばれ、弱部が強部となり、強部が弱部となって、強弱の位置が変わること」とある。私はとってもアバウトに、「リズムを先取りすること」なんて解釈しちゃってました。前の小節の最後を先取りし小節の1拍めとつなげる手法のことだと...。本当に感覚的すぎておハズカシイ。ジャズのスイングはこのシンコペーションのせいなんですね。リズムが揺れて、ニュアンスがかわって、よりダンサブルになる。チャイコフスキーの「白鳥の湖」にも、シンコペーションで踊るところがあるそうなんですが。ぱっと思いついたのは、第2幕のオディールの踊りです。夜明けの訪れとともに人間へ戻ってしまう前、上手奥より斜めにフェッテアチュチュードを連続で行いながら登場するところ。また、シンコペーションはバランシンの振付の大きな特徴でもあります。ガラ公演でおなじみ『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』の女性ヴァリエーションでは、ところどころ音楽と動きをシンコペーションさせることで有名です。緻密なカウントで細部の細部までリズムが計算し尽くされているので、踊り手にはとても難しい。観ているだけならリズムの海を泳いでいるようで、自然と高揚してくるし楽しいんですけどね。それから、バランシン独特のリズムを堪能できるのにオススメなのは、『アゴン』の女性ヴァリエーション。短いけれど濃厚。リズムに翻弄させられそうになります(笑)。余談ですが、仏語のsyncope(サンコプ)は、仮死、気絶といった意味もあるらしい!

 

[解説]
文葉

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