表方/裏方(おもてかた/うらかた)

舞台の緞帳(引き幕)を境にして分別されたスタッフさんたちのこと。表方は興行の経営面に携わるプロデューサー・制作スタッフのことを指し、主に来場客向けでスーツ姿が仕事着。裏方は、照明や音響、美術、衣裳など、板の上に乗せる作品・出演者にダイレクトに関係してくる「職人」さん。
まだ学生だった頃、「オモテカタの手伝いしない?」と友人からバイトに誘われ、頭のなかが「?」マークでいっぱいになったことがあります。裏方の反対語ということは察しがつくものの、「表」ってまさか舞台の上の出演者ってこと!? といきなりの誘いに戸惑ってしまいました。スタッフなんだから、出演はしないのに(笑)。実際にしたことといえば、チケットのもぎり(入場受付)と客席案内。誘ってくれた友人は、チケットの受付窓口に座って、当日券、招待券、当日精算の券を渡す係でした。昔で言うところの、木戸銭の当番係ってところでしょうか。
表方のお仕事は、私の経験した「もぎり」「客席案内」、それから「入場券売場係(受付)」といった当日会場の運営面のほか、企画(ギャランティー調整、出演者の世話)、営業活動(前売チケット販売、顧客管理)、広報・宣伝などが挙げられます。
小さなダンス公演などで会場に足を運ぶと、入口で配られる公演に対するアンケート。この管理も表方さんの大事なお仕事です。キャストへ思いの丈をぶつけるも良し、運営面でスタッフに苦言をつづるも良し。表方さんの仕事を通して私たち観客も、公演作り、もっと固いことを言えば日本文化の質の向上に関われるんですよ~!

 

[解説]
文葉

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