解説:文葉

プレパラシオン/プレパレーション(仏/ préparation、英/preparation)

「準備」のこと。元となる動詞のprépare(仏)、prepare(英)は、ラテン語praeparare(prae:前もって+ parare:手にいれる)から派生したラテン語由来の単語です。
クラシック・バレエは、伴奏の前奏だけでなく、動きにも前奏のような、準備部分があります。
バーレッスンでもセンターレッスンでも、そして踊りの振付でも、クラシック・バレエは基本的にアンシェヌマンや踊りはポーズから始まります。ダンサーは足を5番ポジションや1番ポジション、またはクロワゼ・デリエールにタンジュなどで形をつくり、腕はアン・バーなどにして待ちます。つまり、短距離走の競技で言えば「位置について」の状態ですね。その後「用意!」の掛け声の代わりに、ワンフレーズ前奏が付くので、ポー・ドゥ・ブラをしたりタン・リエをしたりしてまさに助走のように身体を動かし、本番の動きに備えます。音楽の主旋律に入ったら「ドン!」、予定されていた動きをスタートさせます。バーレッスンを例にとると、まずバーにつかまらずポーズ(5番ポジションなどに立ち、両手はアン・バー)。次に前奏が聞こえてきたら準備としてバーにつかまる動きが入ります。前奏に合わせて、ポール・ドゥ・ブラ、アン・バーから2番を通って両手を開き、片手はバーにつかまります。そうして、ようやくレッスンの本編が始まるわけですね。
私はこのプレパレーションの動きは、時間にすればわずか数秒ですが、集中するためにも曲想をつかむためにも重要だなと思っています。あとは、バーレッスンは足だけでなく体全体を動かしていくほうが良いので、このプレパレーションを利用して上半身の使い方をチェックするのに利用したり。ポール・ドゥ・ブラには首もつけて、首をかしげたり、デコルテを美しくする効果もあるでしょうし。前もって手に入れるという由来のとおり、本編の動きの優雅さはプレパレーションから始まっているはずで、準備は別物と考えるのではなく、本編同様大切に、動きに心を込めたいなと思うのです。