解説:文葉

足のポジション (仏/ positions des pieds)

今回はクラシック・バレエの基本中の基本、足のポジションについて今一度考えてみましょう。もしかしたら間違った常識に毒されているかも…新しい年を迎え気分も新たに、筋肉もほぐれているなら今がチャンス、正しく身についているか、再確認です。
クラシック・バレエでは、手の置く位置、足の置く位置が決まっていて「ポジション」と呼んでいます。足で一般的なのは1番から5番まで。いずれも両脚の付け根から脚全体を外側に向けるアン・ドゥオールの状態をキープすること。これがコツ、その1です。

・第1ポジション… かかとと膝裏を密着させる要領で180度につま先と膝を開く。
・第2ポジション… 第1ポジションから、片足の長さ分のスペースを置いて、かかと同士を横に離した形。
・第3ポジション… 第1ポジションから、片足のかかとを片方の土踏まずの前までクロスにスライドさせた形。
・第4ポジション… アン・ドゥオールに開いた両足を前後に交差、脚全体がクロス。そのとき両足の間に足一つ分のスペースを開け、つま先とかかとが前から見て重なるようにする。重心は足と足の間。第5ポジションを前後に広げた形。
・第5ポジション… 第4ポジション同様、アン・ドゥオールした両足を前後に交差させ、脚全体をクロスさせた状態で隙間を空けず両足を密着させた形。左右とも、つま先とかかとが触れている。

これらは17世紀に、フランスの振付家・作曲家・バレエマスターであるピエール・ボーシャンPierre Beauchampにより確立されたとされています。王立舞踏アカデミー(1661年設立)の力で宮廷舞踊は芸術的に高まり、後に王立音楽アカデミーでバレエとなって発展、系統立てられていく。二つの舞踊専門学校を通してみてもボーシャンは、フランス舞踊界で大変な重鎮でした。ルイ14世のダンス教師でもあり、専門学校で舞踏会のルールを含め貴族の踊りを秩序立てて伝播し、舞踊作品も作る。当時の貴族社会では、踊ることは貴族のたしなみであり、生活の一部であったそうです。踊れなければ宮廷人としてのマナー知らず、教養がないと見なされ身が立たない時代。そんな宮廷、貴族社会の中で生まれ育まれた足のポジション、立ち居振る舞いですから、気品漂うお行儀の良さとエレガンスが2番目のコツ。

011_01.png イラスト:あゆお

最後に立ち方のコツです。なんとなく5つのポジション、なんとなく足だけ形を真似るだけじゃないんですね。ポジションにあるときだけ様になって美しくその位置に嵌まればいい、なんて都合の良いものではない…。ポジションに始まり、動いた後ポジションに戻るまで、ポジションで培われたアン・ドゥオールや足の裏を使って体全体で重力を引き上げコントロールする感覚は、静止時を基本に、運動時はその延長でさらに厳しく自分のなかで感じていくものだと思います。では、ポジションで立ってみましょう。膝を曲げずに、足の裏全体の感覚…かかと、親指・小指それぞれの付け根の骨の辺り、その3点(三角形)で床をそっと押す感覚はありますか? 親指や小指どちらかに重心が乗りすぎて傾いてもだめ。指が浮いていたら傾いている証拠です。そして、お尻を締めて、下腹と背中全体で身体の重みを引き上げる。様々なパを繰り広げる中でも常に足の裏の三角形を意識しましょう。バーレッスン開始から、プリエ、ルルヴェ、タンジュと進み片足で立つ番になっても、両足の三角形は無くしちゃだめですよ。