解説:文葉

タン・リエ

(仏/temps lie)

直訳すると「つながった拍」となるのでしょうか。タンは時間、拍。リエは結ばれた、縛られたという意味です。

バレエでやわらかいドゥミ・プリエで足を5番から4番または2番ポジションをとおりながら前後左右に重心の移動を行う一連の動作をいいます。バーレッスンのタンジュの中に組み合わせられることが多いと思います。またセンターレッスンでもポ-・ドゥ・ブラと組み合わせることもありますね。

タン・リエは、片方から一方に、自分の体の重心をスムーズに移動させる感覚を体に記憶させるのに本当に有効です。しかもリズミカルに行うので音楽に合わせて自分の体をコントロールする感覚も養えます。振り子が片方から片方へと振れるように、左足にかかっていた体の重心をドゥミ・プリエでそっと右足へと押し出す。ポイントは腰そして背骨全体でしょう。積み木を高く積み重ねたイメージを背骨に持ちましょう。バラバラに動かそうなんて思いませんよね。腰から首の付け根までを一つにして重心移動をコントロールしなければなりません。

『白鳥の湖』第二幕にも印象的なタン・リエが出てきます。狩りに出るジークフリート王子が湖のほとりで出会う白鳥たち。群れをなしソテをしながら整然と登場しますが、全員が出そろったところで立ち止まって腕を羽ばたかせるときタン・リエしてますよね。跳躍に圧倒させられたあと、静かに柔らかく羽ばたく姿に惹きつけられる。白鳥の美しさ、強さ、そして儚さが劇場全体を満たす瞬間です。

突然ですが、45年間『放浪記』で林芙美子を演じ続ける森光子さん。前人未到の1800回の上演記録を今もなお塗り替え更新中ですが、そのための体づくりは毎日朝晩150回のスクワットなのですって。スクワットが若くお元気でいられる秘訣なのか。早速スクワットを試す私。足の裏全体を意識できること、骨盤まわりの筋肉が柔らかくなることがうれしくなりました。バレエでいえばプリエのようなスクワット(もちろんやり方はまったく違いますが!)。全身のバランスはプリエが良い状態に保つのか…バレエでもプリエ、何より腰が大事なのだなとスクワットをしながら再確認してしまいました。