解説:文葉

ブリゼ(仏/brisé)

何か新たなことを始めるのには勇気がいるよね。とにかく、一歩前に踏み出さなければ何も生まれない。失敗は成功の母、行動しないと会えないからさ。さぁ、怖がらずに…!
と、ここまで励まさなくてもいい? でも、初めてブリゼに直面した場合、この難技に怖気づかずにいられません。怪我しそうなんだもの。

このパのどこが砕けているのか。雪合戦で雪玉が何かに当たって粉々に砕ける瞬間のようではありませんか。ブリゼは前方向、後ろ方向に行いますが、前方向だと、クロワゼで立って5番ポジションから後ろ足をタンジュさせ、勢いをつけ軸足片足で踏みきります。飛びながら軸足を動足の後ろに添えるように5番に両脚そろえて、放物線の一番高い地点で足を打ちつける動きが加わって5番が崩れる。これが砕けた瞬間です。着地するときは飛ぶ前と同じ形の両足5番になります。後ろは同じクロワゼの向きで前とはまったく逆に動きます。5番の前足を後ろ方向にタンジュして、飛びあがったら軸足を動足に吸い寄せて、打ちつけて足を交差して着地。この後ろが難しく、飛び上がる高さが足りなくて足を怪我しそうになるのですよね。
ブリゼ・ボレ(仏/brisé volé)は、このブリゼの応用編で「飛びながら行うブリゼ」。前と後ろのブリゼを1セットとしたとき、これを両足で着地せずに、前方向片足で着地、動足が小さなアチチュード・ドゥヴァンになるのをそのまま後ろ方向のブリゼへつなげます。ジャンプし着地。『眠れる森の美女』青い鳥とフロリナ姫のグラン・パ・ドゥ・ドゥの、コーダ部分で青い鳥が軽やかに披露してくれるのが有名です。
難しい足技がゆえに、飛ぼうとして太ももや脚全体に力が入ってしまいがちでは。これNGなのです。タンジュするときに体重を片足にかけすぎていませんか? 体重は軸足のかかとの上にかけ、腰は軸足に座ってしまわずに、いつでも腰から動き出せるように高い位置をキープ。美しく軽やかな足技で魅了させて! 幸運を祈ります。