解説:文葉

パ・ドゥ・ヴァルス(仏/pas de valse)

クラシックバレエのワルツステップのこと。
社交ダンスのワルツステップと似ているなと思うのは、「ブン・チャッチャ」のブンに当たる1歩目はプリエして下に沈み、チャッチャは2,3と軽やかに踏むこと。連続して行うと何か口ずさみたくなってきます!(私だけ?)

では、バレエのワルツステップは、というと。二人で組んで…? いいえ、一人で。しかも優雅に上半身を揺らし前進していきます。ここでは回転しながら行うものをご紹介します。「ブン」で正面から見て奥側の足を一歩踏み出しプリエしながら、もう片方の足を一番ポジションを通るように滑らせ、タンジュ。クロワゼでアン・ナヴァンに出します。次に「チャッチャ」。タンジュに出した足に体重を乗せルルヴェ(ポワントを履いているときはポワントに乗ります)、そして正面から見て奥側の方向に回転を始め、最後の一歩は前に出した足に添えるようにして180度半回転。次にまた半回転。正面側の足を後ろにタンジュ、またタンジュした足に体重を乗せるように回転していきます。

ワルツステップを連続させることもあれば、上記ワンセットの後に回転のパにつなげることも。秘訣は、プリエを十分して背中を押された感じで脚と自らの体重を滑らかに上手に運ぶこと、上半身と下半身をぎくしゃくさせないためにも体全体を音楽にゆだねること、そして足元には清潔感、でしょうか。観客は難度の高い技も大好きかもしれませんが、音楽が流れているなら、ワルツステップの妙に酔わせてくれる人を求めてしまう贅沢もの。流麗なステップと技が融合した舞台に出会うと、幸福感に包まれて、デトックス効果大じゃないですか。足の運びの正確さ、爪先の清潔感は、筋肉に記憶を刷り込ませる丁寧なバーやセンターレッスンの賜物なのでしょう。そして、どれだけ身体の細部に神経を行き届けさせられるか。ダンサーの運動神経と集中力と知性には、もう、心から尊敬。